ローリエの役割とは? 香りの意味と料理への効果

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ローリエは、煮込み料理のレシピでよく見かけるハーブです。使い慣れていないと、なぜ必要なのか・入れ忘れたらどうなるのかと迷うこともあるのではないでしょうか。ローリエの代用品を考える前に、まずはその役割や使い方を確認しておきましょう。
独特の香りが肉や魚の臭みを抑えて味をまとめる
ローリエは、月桂樹(げっけいじゅ)の葉を乾燥させたもので、ローレルやベイリーフとも呼ばれています。生の葉よりも乾燥した状態のほうが香りが強く、煮込み料理やマリネなどの下ごしらえに使われることが多いハーブです。
甘さと清涼感が混じったような独特の香りが、肉や魚の臭みを和らげながら、料理全体の風味を整えてくれます。入れるだけで料理の味がまとまりやすくなり、香り付けと臭み消しまで同時にこなせるのがローリエの魅力といえるでしょう。
煮込み料理での効果的な使い方
ローリエは、スープやシチュー・カレーなど、風味に奥行きを出したい料理に加えると素材のうまみが引き立つハーブです。
ホールタイプ(葉が丸ごとパッキングされている状態)のまま使われることが多く、煮込み料理では水を加えるタイミングで一緒に鍋へ入れるのが基本です。葉の中央に切り込みを入れたり、軽く折ったりしてから加えると香りが立ちやすくなります。
ただし、長時間煮込むと香りが飛ぶだけでなく、えぐみが出てしまうことに注意しましょう。煮込み始めから入れておき、30分〜1時間ほど煮たら取り出すとバランス良く仕上がります。
ローリエの代用に使える身近な食材3選

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ローリエが手元になくても、香りや臭み消しの効果が似ている食材で代用することは可能です。冷蔵庫やキッチンなど家によくある身近な食材の中から、ローリエの代わりに使えるものを3つ紹介します。
セロリの葉
ローリエの代用としてまず挙げられるのが、セロリの葉です。具としてセロリを入れる煮込み料理も多いため、冷蔵庫にあればローリエの代わりに取り入れてみましょう。
セロリはハーブではないものの香りが強く、特に葉の部分には肉や魚の臭みを抑える効果があります。使用する際は水に軽くさらすことで、独特の苦みが和らいで料理になじみやすくなります。
また、セロリの葉には葉酸やβ-カロテン・ビタミンB群・ビタミンC・食物繊維などの栄養素も豊富に含まれています。香りだけでなく栄養の面でも、代用するメリットが大きい食材です。
参考:野菜類/セロリ/葉柄/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|食品成分データベース(文部科学省)
バジル
ローリエはないけれど、瓶に入った乾燥バジルなら常備しているという家庭もあるでしょう。バジルの葉はシネオール(ユーカリプトール)という、ローリエと同じ成分を含んでおり、香りが近い食材です。生の葉がなくても、みじん切りになった乾燥バジルを加えると香り付けになりますよ。
煮込み料理の香り付けに使う際は、仕上げに加えることでふんわりとした風味が広がります。長時間加熱すると香りが飛びやすいので、火を止める直前に加えるのがおすすめです。
香辛料として売られている乾燥バジルには、カルシウムやビタミンK・葉酸・β-カロテンなどの栄養素も豊富に含まれています。香り付けと栄養面の両方を意識したいときに取り入れてみましょう。
参考:調味料及び香辛料類/<香辛料類>/バジル/粉 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類|食品成分データベース(文部科学省)
ローズマリー
庭でローズマリーを育てているなら、ローリエの代用品としてローズマリーを使うのもひとつの手。乾燥させたものであれば市販されており、スーパーなどでも購入可能です。
ローズマリーには松に似た独特の香りがあり、肉・魚の臭み消しや香り付けにぴったりのハーブ。煮込み料理に使えば、爽やかな香りでローリエに近い清涼感をプラスできます。
洋風だしにも使われるため、スープに使うと風味に奥深さが生まれるでしょう。ただ、ローリエより香りが強いため、使う分量は控えめにするのがおすすめです。
ハーブ以外で肉・魚の臭みを取るアイデア

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ローリエを香り付けではなく、主に臭み消しの目的で使っているという場合は、ハーブ類がなくても対応できる方法を知っておくと安心です。
家庭にある調味料や手に入りやすい食材を活用すれば、肉や魚の臭みを抑えられます。
肉の下処理に使える調味料・食材
肉の臭みを抑えるためなら、調味料や身近な食材を使った下処理を試してみてもいいでしょう。料理に合わせて取り入れることで、臭みを軽減しながらやわらかくすることもできます。
たとえば牛乳は肉やレバーの下処理に適しており、ひと晩も浸すと十分に臭みが和らぎます。酢や清酒・ワインなどの酸やアルコールを含む液体も、臭みを軽減できる食材です。
ヨーグルトを使う場合は、肉を漬け込んだ後にしっかり水気を拭き取ってから調理するのがポイント。タレにヨーグルトを混ぜて冷凍保存しておけば、時短料理も実現します。
魚の臭みを和らげる家庭的な方法
魚の臭みは鮮度だけでなく、調理前のひと手間でも大きく変わります。自宅にある調味料や道具を使って、シンプルに処理できる方法を覚えておきましょう。
- 酢で洗う
軽く水洗いした後、酢を薄めた液にさっとくぐらせるだけでも臭み取りに効果的です。 - 日本酒や料理酒に漬ける
魚にキッチンペーパーをかぶせてお酒を振りかけると、アルコールと香りによって魚特有の臭みが軽減されます。放置時間は20分程度が目安です。 - 塩を振る
魚に塩を振って10〜20分ほど置いた後、水で流すと臭いの成分が水分とともに出てきます。焼き魚や煮魚に使いやすい下処理です。 - 沸騰前の熱湯にくぐらせる
沸騰する前の熱湯にさっとくぐらせることで、臭みを抑える方法もあります。魚に水分が残ってもよい煮魚などの下処理に向く方法です。
ローリエがなくても代用食材でおいしい料理を

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香り付けや臭み消しに役立つローリエは、煮込み料理に欠かせない存在と思われがちです。しかし、手元にないからといって、ローリエを使う料理が作れないわけではありません。セロリの葉やバジル・ローズマリーなど、ほかの食材で代用することも十分に可能です。
ハーブ類がない場合でも、酢や酒・乳製品を使った下処理をすれば、肉や魚の臭みを抑えることはできます。食材の扱い方を少し工夫することで、いつもの料理をより快適に楽しめるようになるはずです。
煮込み料理を作りたいけれどローリエがないというときは、紹介した代用アイデアを活用して、おいしい料理を作ってみてください。
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Domani編集部
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