ブイヨンとコンソメの違い

本格的に料理をしようと思ったとき、『ブイヨンとコンソメは何が違うのだろう』と考えたことはありませんか? 似ているようで別物の「ブイヨン」と「コンソメ」について、それぞれの特徴を整理しながら違いをわかりやすく解説します。
ブイヨンは「塩味が付いていない洋風だし」
ブイヨンとは、肉類や香味野菜をブーケガルニ・スパイスで煮出した、いわゆる「だし汁」のことです。塩味は付いておらず、料理にうま味を出すために使われます。和風の調味料でいえば、無塩だしと同じだと考えればわかりやすいでしょう。
ブイヨンには複数の種類があり、キューブ状(固形)や顆粒状・液状などの形態はもちろん、各種メーカーから特徴の異なる商品が多数販売されています。
ブイヨン(〈フランス〉bouillon)
1 西洋料理の基本材料の一。肉・骨・魚類などと香辛料・香味野菜などをいっしょにして長時間煮込んで作る煮出し汁。スープ・ソースのもとにする。
デジタル大辞泉(小学館)より引用
コンソメは「塩味が付いたスープ」
コンソメはブイヨンをベースに、肉や魚でさらに煮出してコクを深め、塩で味をととのえた調味料です。ブイヨンと違って、そのままスープとして飲むことができます。
コンソメは塩などで味がととのえられているため、コンソメのみで味付けが完結する場合も少なくありません。ブイヨンと同じく、キューブ状(固形)や顆粒状・液体状など、多様な形態で市販されています。
コンソメ(〈フランス〉consommé)
肉類・魚介類を煮出した汁に味をつけた澄ましスープ。→ポタージュ
デジタル大辞泉(小学館)より引用
ブイヨンはコンソメで代用できる?

作りたかったレシピに「ブイヨン」と書いてあったけれど、家にはコンソメしかないというケースは多いかもしれません。家庭ではあまりなじみがないブイヨンを、コンソメで代用することはできるのでしょうか? 代用の可否と、コンソメをブイヨンの代わりに使うときの注意点を解説します。
代用は可能
先ほど紹介したとおり、コンソメのベースはブイヨンであるため代用は可能です。どちらもポトフやシチューなどの料理にうま味を加え、コクを出すのに役立ちます。
ただし、コンソメはブイヨンに比べて、塩味やうま味の強い調味料。味が濃くなりすぎないよう、代用の際は少なめに入れるとよいでしょう。
塩味の違いに注意!
ブイヨンには塩気がありませんが、コンソメには塩味が付いています。レシピをもとに料理を作っている場合、レシピのブイヨンと同量のコンソメを入れると塩辛くなりすぎてしまいます。
そんなときは、まずコンソメを少なめに入れ、食塩など味を加える調味料の量で調整しましょう。味を見ながら、後から入れる調味料の量を決めるのがおすすめです。
ブイヨンとコンソメに関するQ&A

ブイヨンをコンソメで代用する際、固形と顆粒の換算方法やコンソメ以外の代用品はあるのかなど、疑問に思うことがあるでしょう。ブイヨンとコンソメに関する、よくある疑問をまとめました。
固形ブイヨン1個を顆粒コンソメに換算すると?
レシピサイトには、グラム数ではなく「固形ブイヨン(ブイヨンキューブ)1個」のように記載されていることが少なくありません。コンソメで代用しようと思っても、手元に顆粒タイプしかなければ、どの程度の量を入れたらよいのか迷ってしまいますよね。
固形ブイヨン(ブイヨンキューブ)1個の重さは、約4gが標準です。顆粒で小さじに直すと、約1.5杯分に当たります。固形ブイヨン1個と同じ量だけコンソメを使う場合は、小さじ1.5杯を目安としましょう。
ただし、メーカーによって固形ブイヨン1個当たりの重さは変わるため、計量して換算するのが確実です。また、ブイヨンとコンソメの塩気やうま味の違いを考慮して、同じ量にするか減らすかを判断する必要があります。
コンソメもなかったとき、ブイヨンは何かで代用できる?
コンソメも手元にない場合は、鶏がらスープの素を代用品として使う方法があります。鶏がらスープの素は鶏肉や鶏の骨を煮出して、野菜エキスをプラスした調味料です。
主に中華料理に使われますが、肉や野菜のエキスでうま味を出せるという点で、ブイヨンに近いだしとして代用できます。ただ、中華風の味わいが強くなるので入れすぎには注意しましょう。
時間に余裕があるなら、野菜くずや余ったベーコン・ハーブ・スパイスなどを鍋で煮て、自作ブイヨンを作るのも一つの手です。手間はかかりますが、本格的に料理をしたという満足感も得られますよ。
まとめ

ブイヨンとコンソメは、似ているようで別のものです。ブイヨンは肉と野菜をスパイスやハーブで煮出した洋風のだし汁、コンソメはブイヨンをさらに濃くして塩で味を整えたスープという違いがあります。
ブイヨンは、塩味やうま味の濃さに気を付ければコンソメでも代用が可能です。ブイヨンが必要だけど手元にない、というときはコンソメを使いましょう。コンソメもなかった場合は、鶏がらスープの素を使う方法もあります。
キッチンにブイヨンが見当たらないときも、コンソメや鶏がらスープの素を使ったり、自作ブイヨンを作るなどの工夫で料理が楽しめます。今夜のおいしい一皿をあきらめたくないなら、ブイヨンとコンソメの違いを知った上で、ぜひ代用アイデアを活かしてみてください。
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Domani編集部
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