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WORK 四字熟語

2025.12.10

羊頭狗肉の意味とは?基本的な使い方や関連語・英語表現を紹介

「羊頭狗肉」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? どのような意味があるのか、言葉の概要や由来について解説します。また、同じような意味を持つ関連語・類語や反対の意味を持つ言葉なども確認しましょう。四字熟語の意味や使い方を覚えておくと、会話の幅も広がるはずです。

「羊頭狗肉」とは

羊頭狗肉という言葉は、ニュースやコラムなどでも使われることがあります。漢字の並びだけ見てもいまひとつ意味が分からないかもしれませんが、どのような意味があるのでしょうか? まずは基本的な意味と由来を確認しましょう。

肉屋のイラスト
(c)AdobeStock

外側と中身が違うことのたとえ

羊頭狗肉を辞書で引くと「羊頭を掲げて狗肉を売る」の略であると記載されています。羊頭は羊の頭を指し、狗肉は犬の肉を意味する言葉です。

辞書では、転じて外見と内容が違うことや見せかけが立派でありながら中身が伴っていない様子を意味するとも書かれています。

羊頭を掲げて狗肉を売る
《「無門関」六則から》羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売る。外見と内容が違うこと、見せかけが立派でも実質がそれに伴わないことのたとえ。羊頭狗肉。
引用:小学館 デジタル大辞泉

もともとの言葉のニュアンスから、実際は犬の肉であるにもかかわらず、羊の肉であるかのように偽っているイメージがあり、単に外側と中身が違うというよりも悪い印象を与えやすい言葉です。

「羊頭狗肉」の使い方と例文

羊頭狗肉は文章で使うことが多いですが、外側と中身が違っているということを暗に示す慣用句としてビジネスや日常でも使用できます。おもな使い方と例文を見ていきましょう。

対岸で話す男女
(c)Adobe Stock
「羊頭狗肉」の使い方と例文
  1. ビジネスでの使用例
  2. 日常シーンでの使用例

ビジネスでの使用例

羊頭狗肉という言葉をビジネスシーンの会話で使うことはそれほどないかもしれませんが、状況によっては「見せかけだけで中身が伴わない商売」「詐欺的なビジネスの提案」などを言い表す慣用句として使うこともできます。

【例文】
・以前からA社は怪しいと思っていましたが、やはり羊頭狗肉の商売をしていたようです
・あまりにも都合の良い提案なので、羊頭狗肉ではないかと疑っています

ビジネスシーンで羊頭狗肉を使う場合「羊と偽るような形で犬の肉を売る」というたとえ話の悪質なイメージから、直接相手に「羊頭狗肉ではないか」と伝える場合には注意が必要です。

日常シーンでの使用例

日常シーンでも、羊頭狗肉という言葉は使われています。ニュースなどで見かけることもあるかもしれません。どのような使い方をするのか、例文を見てみましょう。

【例文】
・カタログでは素晴らしい写真だったのに届いた商品があまりにも粗悪だったので、これは羊頭狗肉ではないかと思った
・あの政策は羊頭狗肉ではないかと多くの人が言っている

外側と中身が違い、悪質な印象を受ける場合には日常の会話でも羊頭狗肉という言葉が使えます。商品の状態や政策の内容など、幅広い場面で活用できるでしょう。

「羊頭狗肉」の関連語・類語

羊頭狗肉と似た意味を持つ関連語や類語は複数あります。日常会話で使う場合、別の言葉に言い換えた方が伝わりやすいケースもあるため、関連語・類語の意味や使い方も把握しておきましょう。

男性と影
(c) Adobe Stock

「羊頭狗肉」と同義の「牛頭を掛けて馬肉を売る」

「牛首(または牛頭)を掲げて馬肉を売る」は、羊頭狗肉とほぼ同じ意味を持つ言葉です。看板には牛の首が掲げられているのに、実際には馬肉を売っているという状況を指し、外側と中身が一致していないことを意味します。

【例文】
・あの店は外側だけきれいにしているが、中に入ると掃除が行き届いておらず、まるで牛頭を掛けて馬肉を売るようだ

由来となったのは、中国の書物「晏子春秋」です。話の中では「王の言っている内容と実際に行っていることが真逆である」ということのたとえとして使われており、見かけが立派でも内容が伴わないことに加えて、言っていることとやっていることが違うときにも使えます。

見かけ倒しを意味する「羊質虎皮」

羊質虎皮(ようしつこひ)は、中身が羊であるにもかかわらず虎の皮を被っている状態をたとえた言葉です。見かけは虎のように立派なのに、実態が羊では中身が伴っていないという意味です。

【例文】
・外見はとても強そうに見えたが、実際は羊質虎皮だった
・課長は部下に対しては強気だが、社長を前にすると羊質虎皮の人物に見える

羊頭狗肉と同じような場面で使えますが、羊であるとうそをついて犬の肉を売っているというようなイメージの言葉ではないため「強そうな人が実際は弱かった」「強い振りをしていた」というような使い方をすると伝わりやすいでしょう。

中身が伴わない状態の「看板倒れ」

看板倒れは、店などの看板が立派すぎるあまりに実情が伴っていないことをたとえた言葉です。つまり、見かけは立派そうに見えるのに、実際はそうでもない物や状態を表します。

【例文】
・あのアイスクリーム店は海外で大人気だと聞いて行ってみたが、実際はそうでもなく看板倒れのように思う
・彼は壮大な計画を立てていたが、看板倒れに終わった

羊頭狗肉と看板倒れは同じ場面で使える言葉ですが、羊頭狗肉のたとえ話は意図的に別の物を売っている印象があります。対して、看板倒れは意図の有無とは無関係に実情が伴っていないイメージといえるでしょう。

「羊頭狗肉」の反対語と英語表現

羊頭狗肉の反対語や英語表現も覚えておくと便利です。外側と中身が一致しているときに使える慣用句や、似た英語表現を紹介します。

スマホでネットサーフィンしている人のイラスト
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「羊頭狗肉」の反対語と英語表現
  1. 看板に偽りなし
  2. 羊頭狗肉に似た英語表現

看板に偽りなし

羊頭狗肉と反対の意味を持つ言葉としては「看板に偽りなし」が挙げられます。言葉の通り、看板に掲げた商品と同じ物を売っている様子や、看板に書かれた通りの品質を保っている状態です。

【例文】
・あのドーナツ店のドーナツは宣伝通りにとてもおいしく、看板に偽りなしだ
・ホームページの企業理念と同じく、店が清潔に保たれており看板に偽りなしだと思った

「看板に偽りなし」は商品の状態だけでなく普段の言動と実情が一致している様子にも使える言葉ですが、人物の発言と行動が一致している様子を意味する言葉には「言行一致」も挙げられます。

羊頭狗肉に似た英語表現

羊頭狗肉は、中国から伝わった慣用句です。直訳すると「Hang a sheep’s head and sell dog meat.」のようになりますが、英語では完全に同じ意味の慣用句はありません。しかし「外側と中身が違う」という意味の慣用表現は英語にもあります。

たとえば「cry wine and sell vinegar(ワインを叫びながら酢を売る)」は、ワインのように見せかけて実際は酢を売っている様子を意味する慣用表現です。外側と中身が違うという意味を込めた表現として知られます。

まとめ

  1. 羊頭狗肉は、外側と中身が違うことを意味する慣用句である

  2. 似た言葉には羊質虎皮・看板倒れなどがある

  3. 反対の意味を持つ言葉は「看板に偽りなし」

羊頭狗肉は、門の外に羊の頭を掲げておきながら実際には犬の肉を売っている様子を表す言葉です。類語も多く、場面に合わせた使い分けができるでしょう。ビジネスや日常会話など幅広く使える表現のため、覚えておくと便利です。

メイン・アイキャッチ画像:(c)AdobeStock

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Domani編集部

Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。
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