とにかく時間が足りなくて。職住近接やテクノロジーの活用など、あの手この手で時短を実践しています
今月の母:下村祐貴子さん
フェイスブック ジャパン・ 広報統括・ダイバーシティリード・38歳
1週間が始まる月曜日は特にロケットスタートを意識します!
Facebookの日本法人で広報統括を担当する下村さんは、育ち盛りの男の子ふたりの母。多忙なスケジュールをやりくりするべく、独自の時短術を実践している。 「毎朝5時に起きて、家族が目を覚ますまでの1時間半でアメリカ本社からのメールをチェックします。出社後のメール返信はすきま時間にスマホにしゃべりかけて音声入力。これでメール時間が半減します。夕食は日曜日に平日の分をつくりおきするのですが、週2回来てもらうシルバーサポートさんに野菜を切ってパックしてもらうことで、2時間で調理が完了。大きな時短になっています」
保育園と会社は自宅から徒歩圏内。生み出した時間で、会社ではチームスタッフとのコミュニケーションやひとりブレスト時間を確保し、家では子供たちの宿題をしっかり見る。単なる効率化の時短ではないタイムマネジメントが、ワークとライフを充実させている。 そんな下村さんのキャリアの軸を築いたのは、前職の外資系消費財メーカーでの海外赴任経験。夫婦そろって辞令が出て育休中にシンガポールへ。下村さんはアジア全域のPR戦略を任されるが、初めての子育てに初めての赴任生活が重なり、当初は挫折の連続だった。
「住み込みのメイドさんを雇いましたが、熱を出した子供を家において出勤するのはつらかったです。プレゼン英語が拙いことも業務の大きな壁で。上手な同僚のプレゼンを録音して、自宅で何度もくり返し練習しました」 努力が実って1年でマネージャー職に昇進。赴任は夫の帰任辞令とともに5年で終了、家族で日本へ帰国する。美容のPRも10年目となり下村さんの頭に浮かんだのは“守りに入らず、チャレンジし続けたい”という思い。人と人とのつながりを助けるような仕事を求めて、現在の会社への転職に踏みきった。
「ダイバーシティや地方創生など、日本の社会課題への貢献活動の広報が今の業務です。その中のひとつに、Facebookの災害時に活用する機能の広報があるんです。私は神戸出身で、中学時代に阪神・淡路大震災を経験したのですが、ネットがない当時は水や食糧に関する情報伝達のすべがなく、ものすごく苦労した記憶があります。今ならテクノロジーを通してオンタイムで伝えられる。有事の際には、何か少しでも役立ちたいと思っています」 心にパワーをチャージしてくれるのは、週末のウエイトトレーニングの達成感と「吉本なんばグランド花月」での年始のお笑い鑑賞。 「年に一度、年明けに家族と難波に行って、吉本でガハハと笑ってスッキリして帰ってきます。子供たちにも、私が楽しそうな姿を見せることがいちばんかなと思ってるんです」
Profile
しもむら・ゆきこ/1980年、兵庫県生まれ。神戸大学発達科学部卒業後、外資系消費財メーカーに新卒入社。日本市場におけるヘアケアブランドのPRに従事する。25歳で結婚。29歳で長男出産。30歳で夫とともにシンガポールに赴任。住み込みメイドを雇い、アジア本社に広報として復職する。33歳で次男出産、35歳で帰国。36歳で現在の会社に転職して、広報統括を担当。プライベートの楽しみは週に一度のウェイトトレーニング。
Domani2018年10月号『女[独身]、妻[既婚子供なし]、母[子供あり]Catch! 働くいい女の「月曜13時』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/真板由起(NOSTY) ヘア&メーク/今関梨華(P-cott) 構成/谷畑まゆみ