Q:転職のとき、やりがいと給料、どっちを取る?
答える人/新井千晶(キャリアコンサルタント)
A:やりがいを重視しつつ、給料アップの基準を明確に
私はズバリ「やりがい」です。「好きこそものの上手なれ」と言いますが、やりがいがあれば、頑張りがきいて実績も出せる。その結果、給料がアップする可能性だって十分にあります。
ある会社の社長が「若い頃、ファンド会社にいたときにはものすごくお金がよかったけど、でもなんだか満たされなかった。どんなにお金がよくても、自分が一生懸命になれるものでないと続かない。今の会社は年収はあまり高くないけれど社会貢献しているって自信があるから頑張れる!」と話していました。どんなにお金がよくても心は満たされないんだなと、そのとき思ったのです。
ただ、エージェントの私から3つアドバイスをさせていただくと、
1、業界全体的に、成長性やその会社の業績などはしっかりとチェックしてください。もともと収益性の低い業界、シュリンクしていく業界は、長続きしない可能性があります。
2、直近の年収が重要。転職をする際、「直近の年収」と「次の会社の給与テーブル」
そのふたつで、給与が決まってきます。次の会社を受けるときにも影響してきますので、ある程度納得できる金額かどうか、しっかりと考えてください。
もちろん、企業側の方で、「どうしても欲しい、この人は!なかなかいない人材」と思われれば、交渉力が強いので金額も跳ね上がっていきます。エージェントも交渉してくれるはずです。
3、内定をもらったときに、その会社の評価制度や給与テーブルを聞いてみてください。どの企業も「パフォーマンスしだいなので、年収は必ず上がるということではありません」と言うでしょう。そのうえで、だいたいどれくらいになってくるのか。リーダークラス、マネージャークラス、部長クラス、などだいたいの金額がわかっていると、自分の目標も立てやすいでしょう。
つまり、基準となるものをしっかり理解しておくこと。それが不明確だと、「どんなに頑張っても収が上がらない! やってらんない!」という不満につながります。くれぐれも、気をつけてください。
キャリアコンサルタント
新井千晶(あらい ちあき)
エンワールド・ジャパン株式会社シニアコンサルタント。人材業界で約15年。現在はミドル・シニア層の転職相談やヘッドハンティングをしている。グロービス経営大学院経営学修士(MBA)。プライベートでは30代後半で結婚し、1歳の子どもを育てるワーキングマザー。
●ご相談ごとは、domani2@shogakukan.co.jp までメールでどうぞ! 件名に「働くアラフォー質問箱」と書いてお送りください。すべてのご相談にお答えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。