【お悩み】子どもに中学受験をさせるか、迷っています
長女が小学校3年生になり、地元の公立中学に進ませるか、私立の中学を受験させるか、そろそろ決断しなければ…と思っています。私も夫も高校まで公立だったので正直、ピンとこないところもあるのですが、ご近所の様子を見ていると4年生から塾に通うのはあたりまえ。大学の附属中学に入れて青春時代をのびのびと過ごすのもいいのかな…? と心が揺れています。
(44歳・子ども8歳/女、5歳/男)
【Dr.アグネス・チャン】”いい学校”に行かせる意味はなんだろう?
受験することの意義は何なのか、考えてみましょう。いわゆる“いい学校”はブランド力があるから魅力的な先生が集まるでしょうし、先生も勉強熱心でよりよい教育をしている。学費や寄付による資金も潤沢で、設備も立派。全体的な環境がより整っているでしょうし、そこを目ざして頑張るのはよいと思います。
ただし、入試はあくまでもただの試験。その学校に自分が合っているのかをはかるカギでしかないのです。受験に落ちても、そのカギが合わなかっただけの話。「自分が悪い、自分はダメな人間だ」などと思わせてはいけません。勉強ができるからえらいわけじゃない、いい人間になることのほうがえらいのです。違う学校に進学して仮に環境はそこまで整っていなかったとしても家庭でいくらでも補えます。
「“いい学校”に入ること」自体が目的ではないですよね?学校は子供の夢を叶えるためのプロセスです。モデルになりたいなら自分の体をしっかり管理して美しく見せるための知識や技術を磨く、学校の先生になりたいなら子どもたちに触れたりよりわかりやすく解説する練習をする。それぞれの目標に沿って子供のために何ができるか、考えてみてください。
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撮影/田中麻以 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
アグネス・チャン著
定価:1,400円(税抜)
発売元:小学館
教えてくれたのは…
アグネス・チャン
歌手・エッセイスト・教育学博士/ 1955年、香港生まれ。1970年代より日本で歌手として活躍し、上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年、アメリカのスタンフォード大学教育学部博士課程に留学し、1994年に教育学博士号を取得。長男、次男、三男も母校スタンフォード大学に合格して話題となる。現在、ユニセフ・アジア親善大使、日本対がん協会ほほえみ大使など芸能活動のみならず幅広く活躍。2018年春の叙勲で旭日小授章を受章。2019年4月出版の著書『未知に勝つ子育て:AI時代への準備』(小学館)には、AI時代の家庭教育のヒントが満載!