【目次】
「僕の声って、大した特徴がないんです」福山さんが語る、自分自身の声
現在、Netflixで全世界独占配信中のアニメ『7SEEDS』に出演している声優の福山 潤さん。vol.1では作品の世界やキャラクターについて、そしてvol.2では共演キャストやアフレコ現場についてなど、『7SEEDS』にちなんだお話を伺ってきました。スペシャルインタビュー3回目となる今回は、福山さんご自身の「仕事観」をクローズアップ。声優という仕事について、またそれとは逆に仕事スイッチをOFFにした時間についてもたっぷり教えていただきました!
まずは、商売道具でもあるご自身の〝声〟について。これまでも今も、実にさまざまな役柄をこなしていらっしゃる福山さんですが、自分が考えるところの自分の声の強み、弱みってありますか?
「僕の声って、たいした特徴がないんです。だから強みで言えば〝いろんな役ができる〟。弱みで言えば〝声に力が欲しい役ではだいたい競り負ける〟ですね」
と、自分自身の声について〝特徴がない〟とバッサリ。
「さまざまなパターンの仕事をこなしていく上で、声が邪魔にならないんですよ。高音・低音を使い分けたり、声の質を変えてみたり。いろんな役がやりやすいタイプの声ではありますね。ただ、いろいろできるからこそ、尖った役を演じるとなったときが大変。たとえば、ものすごい悪役とか下卑た感じの役とか。自分の声の幅の中にある、一部の狭い部分だけを使って演じていかなければいけないのは苦労しますね。あとやっぱり、体格の壁を超えるのは難しいなってずっと思っています」
これから挑戦したいのは…ドギツイ悪役! 先輩たちのような〝熱く濃い演技〟を目指して
ご自身でもおっしゃる通り、本当にさまざまな役を演じてきている福山さん。今後、挑戦していきたい役などありますか?
「年齢なりの役柄ができるようになりたいな、と。声の成長や老けって、肉体のほかの部分に比べて遅いので、どうしてもまだまだ実年齢より若い役を演じることが多くて。とはいえ、自分に向いているのは〝そういう方向性〟の役。なので、そういった仕事を無にしようとは思わないですが…でも、年齢を重ねて経験を積んだ〝今の自分〟だからこそできる役どころを随時やっていきたい、という気持ちはこれからもずっと変わらないですね」
▲年齢を感じさせない福山さんですが…確かにアニメ『7SEEDS』で演じている嵐も高校2年生!
自身の成長に合わせて、演じる役どころも変化させていきたいと話す福山さん。そして、またそれとは違う視点からチャレンジしたい役柄があるそうで…
「プラスして、そろそろ〝ドギツイ悪役〟とかをやりたいなって。ちょこちょことやらせていただいてはいるんですが、視聴者から本っっ当に嫌われるような役をやりたい(笑)。その役がかっこよくなくても、三下でも!全然シュッとしてなくていいんです!とにかく見ている人がムカついて、そしてドラマが動く役をやりたいです」
もともと悪役志向が高い、と自己分析する福山さんですが、これまでの経験も踏まえて、より〝嫌な役〟に挑戦したくなっているのだとか。
「恋のライバルとか、ヒーローに対峙する役とか…。僕がヒーロー側の役を演じているときに、先輩たちがそういう役を熱く濃く演じてくださっていたんですね。そのおかげで、薄い僕でもなんとか作品が成り立っていた。だから今度は、自分が先輩たちのように熱くて濃い芝居をやりたいな、と。そういう役をちゃんと演じられる自分になりたいですね」
と真面目に語ってくださった後、続けて一言。
「それに本当に嫌な役って、見てて単純に楽しいじゃないですか(笑)」
▲「いや、もう本当の理由はそれなのでは⁉︎」と思わずにいられないほど、満面の笑みから飛び出た一言でした(笑)。ちょうどこんな感じ(↑)!
どんな現場でも、読むこと自体を〝楽しむ〟のが一番大切
仕事に対する真面目な姿勢の中で頻繁に見え隠れするのが、仕事をとことん〝楽しんでいる〟マインド。それは、福山さんが〝仕事をする上で一番大切にしていること〟に繋がっていました。
「声優は、もともと好きでやり始めて、やっていく中でなお好きになった仕事ですから。仕事をする上で大切にしているのは、昔からずっと変わらず一貫して〝自分が楽しむ〟ということ。台詞が多い少ないにかかわらず、読む行為自体を〝楽しむ〟ということがいちばんです。………いや、セリフは多い方が好きですね。たくさん喋りたいので!セリフが多いにこしたことはないです(笑)」
どんな現場でもどんなキャラクターでも、前向きに楽しみながら声を乗せている。福山さんの声がいつも生き生きと魅力的に聴こえる理由は、こんなところに隠されていたのかもしれません。とはいえ、難しい役どころのつくりこみなど、その裏側には多くの苦労があるのでは…?
「う〜ん…あんまり苦労をしたことがない、というのが正しいところでしょうか。もちろん肉体的に喉が壊れてしまったりすることもありますし、それは当然ながらキツイんですが、でもどんな仕事をしていても付いて回るような要素ですからね。たとえ役づくりで苦労があったとしても、それもひっくるめて楽しむようにしています。演じている最中は大変でも、終わってみればやっておいてよかったなと思うことばかりです」
冷蔵庫バンザイ! 福山さんの〝おうち時間〟に迫ります
仕事も思いっきり楽しんでしまう福山さんですが、ONとOFFではどんな変化がありますか? もしくは変わらない…?
「仕事スイッチが入っているときは、とにかくテンションが高いです。それは普段からあまり変わらないかもしれませんけど(笑)。でも、スイッチがOFFになったときは、本っ当に何もしないです。本っっ当に何もせずにグズグズしてます、ダラダラしてます。テレビを付けっぱなしにして、ただテレビをみながらスマホをいじってニュースをみて、ひたすら漫画ばっかり読んで…。生産性のあることは何もしていないですね(笑)」
と、OFF時間は〝自宅でダラダラ派〟だという福山さん。ONとOFFが切り替わる瞬間について聞いてみると…
「パジャマかな。部屋着=パジャマですけど、家に帰ってパジャマに着替えたらOFFの気分になりますね」
ここで気になってしまったのが、いつもオシャレな福山さんのパジャマ事情!一体どんなパジャマを愛用されているんでしょう?
「冬ならニットのスエットの上下とか。夏はTシャツに短パンです。短パンじゃなくて下着のときもあるくらい、夏場はちゃんとした部屋着は着ないですね。リネンの部屋着も持ってはいるんですが、着た試しがなくて(笑)。ラクなのがいちばんです」
そうそう、おうち時間といえば…! この春、冷蔵庫を(ようやく)自宅に導入したともっぱら噂の福山さん。福山さんに冷蔵庫の話を切り出したところ…「そうなんですよ! やばいんですよ!」とテンションがぐぐっとUP。
▲タピオカミルクティー片手に原宿をぶらり…なんて休日のひとコマをイメージしたカット。
「冷蔵庫を買うと、家に食料があるじゃないですか!いやぁ〜、これは太りますよね。だって白飯がおいしくなるじゃないですか!たくさん食べちゃいますよ」
と、冷蔵庫がやってきたことで、自宅での快適さがかなり増した様子ですが、「飲み物とかね、いろいろ充実してきますしね」という福山さんの一言を聞き、その場にいた全員がこう思いました……「むしろ今まではどうしていたんですか!?」(笑)。
「食べる分だけ飲む分だけその都度買って…だったので冷蔵庫がなくてもよかったんですよ。だから過度に食べるということがなかったんですけど、今は扉を開ければそこにありますからね(笑)。買いだめもしますし、自分で食事も作りますし…あ、といっても、そんな大仰なものは作らないですよ!一回作ったらラクしたいので、何日も持つようなカレーとかシチューとか、そういう汁物をつくることがほとんど。おかげで自堕落な生活を送っております(笑)」
いえいえ、これだけ多忙な中でちゃんと自炊をされているのすごいことです!と、パジャマから冷蔵庫までおうち時間のアレコレを教えていただいたのでした。
次回のインタビューで深掘りするのは、これまた気になる福山さんの〝オシャレ事情〟について。7月20日(土)更新予定です。次回もぜひご覧ください!
■NETFLIXオリジナルアニメシリーズ『7SEEDS』
2019年6月28日よりNetflixにて全世界独占配信
公式サイトhttp://7seeds.jp/
公式Twitter @7SEEDS_anime
声優
福山 潤
ふくやま・じゅん/11月26日生まれ。1997年『月刊Asuka』のラジオCMナレーションにてデビュー。2000年『無敵王トライゼノン』神威章役にてアニメ初主演。その後は、『コードギアス 反逆のルルーシュ』ルルーシュ役、『暗殺教室』殺せんせー役、『おそ松さん』松野一松役など数多くの話題作に出演。2018年に立花慎之介氏とともにBLACK SHIP株式会社を立ち上げ、同社所属。CEOとしての一面も持つほか、近年は音楽活動も本格的に展開。2019年4月24日に発売した最新シングル『dis-communicate』は初のアニメタイアップシングルに。
■衣装協力
・White Mountaineering
・オプティカルテーラー クレイドル 青山店
その他/スタイリスト私物
撮影/須藤敬一 スタイリスト/浅井直樹(Vigroo) ヘア&メーク/福田まい(addmix B.G) 取材/旧井菜月・福本絵理香(本誌)
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