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2019.07.13

自由気ままな生活が、三十路半ばにして激変!【うちのダディは脳梗塞12】

10代をカリスマモデルとして駆け抜け、20代でデザイナーに転身した佐藤えつこさん。順調にキャリアを重ねていた35歳のとき、父親が脳梗塞で倒れ、華やかだった人生が一変しました。アラフォーにして介護歴は4年。だれにでも起こりうる、けして他人事ではない人生の悲喜こもごも。今回は、在宅介護をスタートした当初のリアルな日々を語ります。

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私、実家に帰ります

前回のお話▶︎目を見開いて、震え出した父にパニック!

退院後は、いよいよ在宅での介護が始まります。

10代からモデルとして働き、15年以上実家を出て都内で暮らしていた私。実家に戻ると決めたものの、35歳まで自由気ままに暮らしてきたわけで、本音を言えば、「あ~、また実家か〜」という思いもありましたね。

一方、母は本当に私が戻ってくるとは思っていなかったようで、「お父さんが帰宅しても、ひとりで面倒見きれるかなぁ…」とすっかり弱気。しかも、別々に暮らす会社員の兄は、毎日朝から夜遅くまで働いていたので、実家には月に数回帰ってこれるかどうか。

ここは愛するダディのため、自分が仕切らねば!!…との思いで、私がメインでダディの介護を、母が料理や掃除、洗濯といった家事を担当するという分担にしました。

さてさて。気合いを入れて始まった介護生活。実際どんなもんかと思っていましたが…。

ひと言で表すならば、、、超絶ハード!!!

とにかく何もかもが初めてなので、毎回とまどってしまうんですね。おむつの替え方ひとつとっても、回復病棟で教えてもらってはいるけれど、講習では簡単に見えてもいざ実践となると苦戦してしまって。

ごはんを食べさせるのもひと苦労。愛犬クリイのエサを食べようとしたり、醤油もカビ〇ラーも飲もうとしてしまう。もはや予測不能。意味がわからない動きが多すぎて、キケンで目が離せません。

そして何より言葉が通じないことは、大きなハードルでした。最初のころは、ダディが何かを求めるたびにひとつひとつに真正面から向き合って、「こういうこと? こういうこと?」と確認してみるんだけど、どうやらどれも違う。だんだんダディもイライラ怒り始めて。

夜は夜で寝たかと思えば、10分、15分おきに何度も起きて呼ばれる。夜中もそれが続くのでほとんど眠れず、最初の10日間くらいは、ずーっと頭痛がしていましたね。

ガチガチになってきた体にじわじわ限界を感じつつ、当初はまったく休むことができず。ダディと母をふたりきりには、とてもできなかったからです。大の大人を抱えてトイレや車いすに移動させる作業は、70歳オーバーの母には本当に大変なこと。私がやらなきゃなと、外出もなかなかできなくなりました。

想像のはるか上をいく親の介護。はてさて、どうやって今日まで生き抜いたのか。仕事は? プライベートは? ストレスのはけ口は? そんな私の日常を、次回からは綴ろうと思います。

イラスト/佐藤えつこ 構成/佐藤久美子

前回のお話▶︎目を見開いて、震え出した父にパニック!

これまでのお話▶︎だれにでも起こりうる介護のリアルって?元モデルの介護奮闘記【うちのダディは脳梗塞】

佐藤えつこ

佐藤えつこ

1978年生まれ。14歳で、小学館『プチセブン』専属モデルに。「えっこ」のニックネームで多くのティーン読者から熱く支持される。20歳で『プチセブン』卒業後、『CanCam』モデルの傍らデザイン学校に通い、27歳でアクセサリー&小物ブランド「Clasky」を立ち上げ。現在もデザイナーとして活躍中。Twitterアカウントは@Kaigo_Diary

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