イタリア旅の目的、それはソロメオ村へ行くこと
今回のイタリアバカンス。夫のヘアカットももちろんだがもう一つ、大事な行事がある。三年前、雑誌で読んで興味を持ち訪問以来、 大ファンになってしまったソロメオ村へ。再びの訪問。
ウンブリア地方の、まるで中世から時間が止まってしまった様な、 ソロメオ村。ここには、ブルネロクチネリ社の本社がある。最近は日本でもあのカジュアルな中にもエレガンスが漂う着心地の良さそうなラインナップは人気ですよね。ソロメオ村は、クチネリ氏の奥様の出身地。家族をこよなく愛するクチネリ氏。 本社をソロメオ村に移転してから30年以上かけて、 村の発展と修復に取り組んでいるそうです。
世界中で販売されているクチネリブランドの全ての商品が、 ここソロメオ村で製造されています。多くの村人達が、 何かしらの形でこのブランドビジネスに携わっているそう。
修復活動は、村の建物のリノベーション( 道理で村の街並みが美しい訳だ。絵本の世界の様)劇場の建設( 夏には毎週末コンサートが開催されとても人気。チケットは即完売)その他、図書館、ソロメオ職人学校( 2015年東日本大震災のときには、 被災地から若者11人が二週間の研修に招かれている)等々、 その支援は多岐に渡っています。
幹線道路から、ソロメオ村への一本道を行く。本当に、木々や草花、民家も美しく、おとぎの国の様。
丘の上のブティックに到着。「 今シーズンのものを取り扱っているのでアウトレットではないけど 、 麓の工場から運んでくるだけなんだからわざわざここまで来てくれたお客様には少しサービスしたい」 との考えからミラノやローマのブティックでの定価よりお値引きされている。
アウトレットと勘違いして来店した、観光客が価格が高い!と、 文句を言っていたが、クチネリの誠意を感じて欲しいなぁ、と、 少し残念に思う。
初めて訪れた3年前、ちょうどお昼時に到着。「腹が減っては軍は出来ぬ」私たち夫婦、店員さんに「 この近くでランチできるところはどこですか?」と聞いてみると「あ!それなら是非うちのカフェテリアへどうぞ! あの下に見える本社の中にあるわ、守衛には連絡しておくからね」 と。
なんだか少々意味不明であったものの言われるままに麓の本社へ移動。確かに守衛のお兄さんはニコニコと手を振って敷地内へ誘導してくれる。ちょうど昼時とあってあちこちの建物からぞろぞろとスッタフが1つの建物に吸いこまれている、私たちも後に続く。
そこは大テーブルがいくつも続くかなり素敵なカジュアルイタリアンレストラン。スタッフはどんどん勝手に空いている席に座っていく。 テーブルの合間を忙しそうに大皿一杯のパスタを持った白いエプロン姿のスタッフが私たちを見てニッコリし、ここに座れと。座るやいなやその大皿パスタをテーブルに置き、「 サラダバーはあっちよ!」と…。なんだか圧倒されてぼーっとしていると今度は肉料理がどっさり乗った皿が運ばれて来た。
周りを見るとどうやらこのテーブルの上の大皿から勝手に好きなだ けとって食べるらしい。 おまけにサラダバー周辺にはグリルした野菜、フライ、チーズ、 果物、デザートとてんこ盛りだ。何を食べていいかわからない! けど全部食べてみたい〜〜、早速2人でばくばくと食べ始める。 もちろんテーブルにはワインも乗っているが、、、まだ昼だし、 買い物もしていないので遠慮しといた。
すごく沢山食べたけどそこはイタリアン家庭料理、 何たってお野菜中心、しかもこの大自然の中、 「なんだか体にいいもの食べた〜!幸せ〜」となったがそんな余韻に浸っている場合ではない。
「お支払いは??」しかし、 どこをみてもレジと思しきものはない。スタッフも食券ですら出している様子はない。夫が拙いイタリア語で先ほどのエプロン姿のスッタフに聞くと「? ??そんなものはいりません」
え〜!!本当〜!? ソロメオ村は本物のおとぎの国だった。
追伸:今年もスタッフカフェテリアでランチをご馳走になったのは言うまでもありません!
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キング亜紀
キング・アキ 1967年、東京生まれ。日系化粧品会社にて、6年間のN.Y.駐在期間を含む、海外営業担当として、約10年間勤務。その後、夫の仕事の都合で、イギリスへ移住。3年半のイギリス生活を経て、2017年からイタリア・ミラノへ移住。現在はミラノを拠点に、N.Y.、東京の3カ所を点々とする生活。