まさかそうなるとは・・・NY州ニューロシェル地区、封鎖
クラスター感染が発生しているという判断で、感染者が爆発的に増えているNY州ニューロシェル地区が、半径1.6km内封鎖の措置になりました。
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判断が下されれば有無を言わさないアメリカ。封鎖された地区がマンハッタンから1時間ぐらいの通勤圏内とあって、シティの住民たちの間では、今まで「もしかしたら」だったNY市封鎖が、急に「何時そうなってもおかしくない」という現実味を帯びてきたのです。
スーパーマーケットには、着々と「籠城」の準備を整えるニューヨーカーたちの姿が。ニューロッシェルの封鎖のめどが2週間と発表されたことが、皆の準備の目安になり、闇雲な買い占めは少し収まったように見えます。腹をくくることができた感じ。
さて次なる問題は我がオフィスのスタッフをどうするか?
私は会社を経営しているので、現状への対応と従業員のケアを同時に考えなければなりません。でも大企業ならいざ知らず、数人のスタッフを抱えるだけの、うちのような小企業には、このような不測の事態に対応する危機管理のガイドラインなどあろうはずもなく……。かといって、スタッフを危険にさらすことは絶対にしたくない!
同規模の会社を営む友人数人と密に連絡を取って、状況や対応を報告しあう日々。とりあえず、学校を含めた公的機関が普通に運営されている間は営業を続けよう。と、いう意見が多いけれど……。
「自宅作業に備えて持ち出し用のラップトップPCを増やさないといけないけど、どの量販店でも売り切れ!」「おそらく花粉症でくしゃみは出るけど発熱はない社員の出社をどうする?!」「5月の西海岸出張のプランは続行すべき?」などなど、オーナーたちは皆、日々の対応に追われている様子。
そして、このウイルス騒ぎは、いろいろな形で大小問わず様々なビジネスに経営的な打撃を与えはじめています。コロナウィルスという見えない存在に対して、人々のぶつけようのないストレスやうっ憤が溜まりはじめているのが現状。
企業の中にはすでに在宅作業に切り替えたり、時差通勤を奨励しているところも多く、朝の地下鉄はガラガラ。いつになく清掃も行き届いて、在NY歴20年にして、はじめて地下鉄を快適に感じます。皮肉なものですね。
今週に入って、普段は予約の取れない人気レストランにも空席が目立ちはじめました。観光客の減少で苦戦を強いられているブロードウエイの劇場街の一部は、ついに余ったチケットを50ドルで販売することを発表するなど苦肉の策をひねり出さなければならない窮状に陥っています。コロナウィルスは、人々の予想を超えた威力で、ニューヨークの街に襲い掛かっているのです。
高久純子
ファッション雑誌編集者を経て渡米。NYをベースにファッション、ライフスタイルビジネスのコンサルティングを手掛ける。12歳の男の子のママでもある。
Instagram:http://@junko901nyc