ロックダウンから1ヶ月以上経ったニューヨーク
ニューヨークは、3月22日に緊急対策の自宅待機令(Stay-at-home order)が発令され、ロックダウンになってから1ヶ月以上が経ちました。この1ヶ月間、私のまわりでも、友人に陽性反応が出たり、ご近所の方が亡くなられたり、またルームメイトに新型コロナウイルスの症状が出たりと、COVID-19は遠い場所で起こっているできごとではなく、常に身近なものでした。16,500人以上(4月26日時点)と世界ワーストの死者数を出しているニューヨーク州ですが、最近はやっと、” Flat” や ”Down”, “Slow” というワードが聞こえてくるようになり、最悪な時期からは少しずつ抜け出している感があります。
新しく生まれた結婚の形
この季節、いつものニューヨークならウエディングを挙げるカップルが最も多いんです。でもロックダウン後は、市役所事務局が閉鎖され、結婚許可証の発行も中止。
夫婦が一緒に過ごす時間が増えたためか、今の日本と同じように「コロナ離婚」が増え、「結婚率低下 / 離婚率上昇」という新型コロナウィルスによる望ましくない副産物が生じる事態になっています。
このような状況を憂慮したのか、ニューヨーク州のクオモ知事は、新しい行政命令として、「オンラインで式を挙げ、結婚許可証を受諾できる」ことを許可しました。もちろんリモートなら家族や友達が結婚式に参加することもできるので、パンデミックが原因で結婚を延期せざるを得なかったカップルたちの間で大人気になっています!在宅勤務ならぬ、在宅結婚式とでも言うのでしょうか。ちなみに、私の知り合いでもこちらを利用して、先日式を挙げたカップルがいますが、とても幸せそうでした♡
▲リモートウエディングの許可を伝えるクオモ知事のTwitter
「ニューノーマル」の世界へ
最悪な時期は抜け出したと言われているけれど、いまだに1日約500人の方々が亡くなられているニューヨーク。クオモ知事は「いま気を許してソーシャルディスタンスを守らなくなると、状況はまたすぐに悪化する」と警告し、また「新型コロナウィルスとの戦いは、短距離走ではなく長距離走。私たちは元には戻れない。『ニューノーマル』の世界へ前進する」と話しています。
リモートウエディング然り、働き方、教育、医療など、私たちのライフスタイルや価値観が今まさに大きく変わる渦の中にいるように感じています。これまでの常識がものすごいスピードで新しいものへ進化し、その変化に対して柔軟性をもつことが求められています。そして何より大事なのは、そのなかで私たちが自分にとって本当に大切なものは何なのか?を見極めることですよね。
そういえば、9年前の東日本大震災のときも、同じようなことを感じていたなーと思い出しました。あのとき、友人のなかには、結婚を選んだ長年の同棲カップルもいれば、離婚を選択した人もいたり、また東京から地方へ移住してライフスタイルをすっかり変えた人もいたなーと。毎日午後7時に、窓の外から聞こえてくる拍手や声援、口笛などを聞きながら、そんなことを考えている今日このごろです。
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白子真由美
大学卒業後、東京にて、ファッションブランドのPR・コミュニケーションに従事。2016年からニューヨークへ渡米。MBAを取得後、現地日系企業に勤務しマーケティングを担当。
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