そのヒールの歩き方、合っていますか?
「ヒールを履きたいけれど、足が疲れてしまう」「ヒールだとうまく歩けない」と悩んでいませんか? 美脚効果のあるヒールですが、姿勢や歩き方が悪いと、足や体のトラブルにつながることがあります。実は、ヒールを履きこなすのはなかなか難しく、正しい歩き方の習得が必要なんです。
今回はヒールの歩き方について調べてみました。後半ではウォーキングの専門家におうかがいしたヒールで歩くときの注意点を紹介します。まずは、ヒールで歩く際に意識したいことを見ていきましょう。
前傾姿勢で歩くと、体に負担がかかる
靴の特性上、ヒールを履くと常に「つま先立ち」をしている状態になります。この状態で歩くと、つま先に重心がかかり続けるため、体はバランスを取ろうとして、前傾姿勢になってしまうのです。
前傾姿勢は、腰が引けて膝が曲がり、背中に負荷がかかります。その姿勢を続けると骨盤自体に歪みが生じ、腰痛を引き起こしたり、膝に負担がかかって転びやすくなったりします。特に、体幹が弱っている人や筋肉量が少ない人は、前傾姿勢になりやすいでしょう。前傾姿勢で歩くのは、体に負担がかかるということを意識したいですね。
足に痛みがあると歩き方が不自然になる
ヒールの形が足に合わないと、つまさきが痛くなったり、靴擦れができたりしますよね。痛みをこらえながら歩くと、無意識に痛む箇所をかばってしまい、歩き方が不自然になりがちです。不自然な歩き方は、体のバランスを乱してしまいます。
また、つまさきが痛くなると、ヒールの中の足指は曲がりがちです。その状態を続けると、足にトラブルが起こることもあります。
ヒールでの歩き方が下手な人の特徴
ヒールの歩き方が下手な人の特徴を、ポスチャーウォーキング協会認定ポスチャースタイリスト(R)であり、日本ウォーキング学会会員の古谷維久子(ふるや・いくこ)さんにお聞きしました。あてはまるところがないか、セルフチェックしてみてください。
フラフラしながら歩く
フラフラしながら危なっかしい足取りで歩く人は、ヒールでの歩き方が下手。転んでしまうのではないかと周りをヒヤヒヤさせているかもしれません。また、モタモタしてまっすぐ歩けないのも、危険です。安定性を欠くヒールを履き、安定しない歩き方をすると、体全体がフラフラしてしまいます。
ガニ股になる
ヒールで歩いているのに、ガニ股になっている女性はけっこう多いです。ヒールは高ければ高いほど安定感に欠けるので、気がつかないうちに、バランスのとりやすいガニ股になっていたということは少なくありません。また、膝が開いたガニ股歩きは、美しさからかけはなれてしまいます。せっかくオシャレをしてヒールを履いても、ガニ股で歩くとすべてが台無しになるでしょう。
膝が曲がっている
膝を曲げながらヒールで歩く人も多いですね。膝を曲げると、ひょこひょこ歩いているように見えてしまいます。ヒールに履かれてしまっているような歩き方は、だらしない印象を与えるだけでなく、膝に負担がかかり、体にもよくありません。
まずは自分に合うヒールを選ぼう
正しいヒールの歩き方をマスターしても、自分に合わないヒールを履いていたら状態はよくなりません。ヒールを履いて、足に痛みが出るのも避けたいですね。ここからは自分に合うヒールの選び方を紹介します。ヒールを選ぶ際は、次のことを意識してください。
つま先・かかと・足の幅をチェック
ヒールを選ぶときは、必ず試着し、つまさき・かかと・足の幅をチェックします。
・つま先
かかとをヒールの後ろにピッタリとつけた状態で、つま先に空きができるかどうかを確認します。つま先に5〜10㎜程度の余裕があり、足指を軽く動かせたらOK。トゥが尖っているタイプのヒールなら、15㎜ほどの余裕があるといいですね。つま先にまったく余裕のないヒールは、足を痛める可能性大。避けるほうが無難です。
・かかと
次に、かかとのフィット感をチェックします。ヒールで歩いたとき、かかとがパカパカ抜ける靴はNG。履いた瞬間は楽だと感じても、履き続けると足の前方に負担をかけたり、靴擦れを起こしやすいです。また、くるぶしにヒールの縁が当たらないかも確認しましょう。これも靴擦れの原因になります。ヒールを試着したら、必ず歩いて履き心地を確かめてください。
・足の幅
幅がきつくないか、ゆるすぎないかも確認します。幅がきつくてサイズアップをする場合は、かかとが抜けないかも確認しましょう。かかとがゆるいなら、靴の幅を広げるなど調整するほうがいいかもしれません。幅がゆるい場合は、インソールで調整できる可能性がありますので、シューフィッターなどに相談しましょう。
なお、試着の際は、ヒールを履くときに使う予定のストッキングやタイツ、靴下などを身につけ、履き心地を確かめます。ストッキングと靴下では、履き心地がかなり変わりますよ。