エコノミークラスは長いキャビンを行ったり来たりの連続
機体により180~320人ほどの乗客を収容することのできるエコノミークラスでは、お手拭き、ヘッドセット、入国書類、ドリンク、食事、スナックなど、搭乗した瞬間から多くのものを配ります。
アメリカやヨーロッパなどのロングホールフライトになると、食事のサービスが終わったあとでもドリンクとスナックをもち、20〜30分毎に喉が乾いている人はいないかお腹が空いている人はいないかとキャビンをパトロール。お客さんと目が合えば、「ジュースはいかがですか?」「ミックスナッツはいかがですか?」とお声がけします。
(c) shutterstock.com
米果 (ミイグオ) と美國 (メイグオ) 、似ているけれど間違えると…
この日、ロサンゼルス便のエコノミークラスに乗務していた同期のKM。(彼女がこれまでにやらかしてきたしくじりの数々はこの記事の最後に↓)
食事のサービスと免税品販売を終え、後ほど配る用にドリンクとミックスナッツの準備をしていると、先輩からの指示が飛んできました。
台湾人の先輩:「好〜 我們去發米果跟飲料喔」(ミックスナッツとドリンク、そろそろ配りましょうか)
KMは先ほどカゴにきれいに陳列したミックスナッツを抱えキャビンへ繰り出すと、それに気づいたお客さんが早速話しかけてきました。
台湾人の乗客:「小姐 那是什麼?」(それ、なんですか?)
KM:「這是美國 需要嗎?」(これはアメリカです。いかがですか?)
すぐにKMが台湾人ではないことに気づいたお客さんはニコッとしてフォロー、「Very similar indeed!」
そう、ミックスナッツは中国語で米果 (ミイグオ)、アメリカは美國 (メイグオ)、発音が非常によく似ているのです。
ミックスナッツ=米果 (Mǐguǒ)
アメリカ=美國 (Měiguó)
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「私アメリカ線でミックスナッツ配るのトラウマだわ…。」
そんなKMですが、現在は台湾人クルーからの信頼も非常に厚く、日本人クルーの中でいちばん上の位にまで上り詰め、日々後輩の教育に精を出しています。
【続】
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美容ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。