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LIFESTYLE 飲み物

2021.04.02

今、飲みたい1本は、タスマニアの太古の自然を宿したワイン

 

オーストラリアのタスマニアは、島の約20%が世界自然遺産。その悠然とした太古の自然のなか育まれた食物やワインは、高く評価されています。その代表格であるジョセフ・クローミーの微発泡ワインを飲んでみませんか。

Text:
鳥海 美奈子
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世界でもっとも汚染の少ない地のワイン

清冽な青を湛える無数の湖、荒々しい山の雄姿、どこまでも深い原生林、そこに息づく固有の野生動物たち。太古の自然の姿をいまに残す、オーストラリアのタスマニア島。ここは世界でもっとも環境汚染の少ない地のひとつといわれます。


▲ タスマニアは北海道よりやや小さい面積の島。澄み切った空と空気のなかで育つぶどう。

なにしろ島全体の約20%が世界自然遺産「タスマニア原生地域」であり、さらには国連により汚染ゼロポイントにも指定されているのです。その澄み切った水と空気のなか育つタスマニアの食物は、オーストラリアのなかでもとりわけ価値が高くハイブランドとして知られています。

タスマニアの魅力を広めるために始めたワイン造り

ワインも、そんなひとつ。そのタスマニア産ワインの価値を世に知らしめたのが、ジョセフ・クロ―ミーです。いま、90歳を超える年齢に達したジョセフ・クロ―ミーは、チェコスロバキア (当時) 出身。米ソが冷戦時代に突入した頃、まだ10代後半だった彼はソ連 (当時) の迫害から逃れようと、ふたりの友人と国外へ脱出しました。最も遠い地球の裏側に行こうと考えて、目指したのがオーストラリアだったといいます。

けれど、その逃亡のさなかに友人ふたりは命を落とし、彼がオーストラリアのタスマニアに辿り着いたとき、持っていたのはわずか1ドルの現金とTシャツ1枚のみ。その後、実家と同じ肉屋を開業し、不動産業やホテル業にもビジネスを広げて、大成功を収めました。

その彼が、タスマニアの美質をより世界に知らしめたいと、取り組んだのがワイン造りだったのです。


▲ タスマニア出身でぶどう栽培と醸造の責任者ジェレミーさん(左)とオーナーのジョセフ・クロ―ミーさん(右)。

微発泡で少し濁ったピンク色、味わいはジューシィ

そのワインは、世界の有名ソムリエたちに高く評価されています。さらに今年新たにリリースしたのが、「Petillant ペティアン」。ペティアンとは微発泡のワインで、気取りなく飲めるといま、世界中で大流行しているのです。

ペティアンはワインがまだ発酵している最中に瓶詰めし、その後は瓶のなかでさらに発酵を進める「メトード・アンセストラル」という昔ながらの手法で造られます。ジョセフ・クロ―ミーのワインは、そんなペティアンの魅力をあますことなく伝える1本。


▲ ピノ・ノワール100%のペティアン・ロゼ。よく冷やし、空ける前はしばらく瓶を立てておいて、澱を沈めてから飲むのがポイント。

野生酵母で発酵、添加物はいっさいなし、ノンフィルター、そして酸化防止剤無添加。グラスに注ぐと、やや濁りのあるピンク色。熟したリンゴやアプリコット、プラムの香りが漂い、飲めばやはりプラムを皮ごとかじったような果実由来の甘みと酸味が感じられて、とてもジューシー。まるでスポーツドリンクのように、ぐんぐんとカラダに浸透していきます。味わいには旨みと複雑性もあって、とても完成度の高い1本です。

まだお花見を楽しめる地域なら、ぜひ桜の下で。春から初夏のピクニックやバーベキューでも活躍してくれますし、もちろん家飲みでも、このペティアンとなら心地いいゆるりとしたひとときを共有できます。

大自然の息吹をカラダに取り入れる

ジョセフ・クロ―ミーは、つねにこう語ります。「タスマニアの大自然の恩恵を、自分たちは享受させてもらっているのだ」、と。その感謝の想いでワインにも向きあっているから、自然環境もできるだけ侵さないよう努めます。電力の8割は太陽光を使い、二酸化炭素の排出量もタスマニアでもっとも少ないワイナリーなのです。


▲ 野鳥保護という観点も大切にしているため、ワイナリーの敷地に小さな池も造っている。

このペティアンを飲むときは、同じくタスマニア産の食材を調達してもいいですね。たとえば高級品として知られる、レザーウッドの蜂蜜。大自然の国定公園のなかに生息する低木樹レザーウッドは、蜜が安定して採れるのは樹齢100年頃から。その長い、長い歳月に想いを馳せると、思わずため息がもれます。

「食べる香水」のたとえそのままに芳香に満ちていて、とろりと濃度高く、芳醇。ミネラルやビタミンも豊富で美肌効果や整腸効果、抗菌作用にもすぐれるというから、私たち女性たちにはうれしい限り。

そしてタスマニア産・粒マスタードもシェフ御用達で知られる逸品です。プチプチした食感が楽しく、旨みと一種の清涼感があるので、薬味感覚で使いたい。わさび代わりに肉料理やお刺身のアクセントにしたり。バゲットにのせてそのまま食べても美味。


▲ (画像左) レザーウッドハニー タスマニア クレードルマウンテン産 ¥1,200、(画像右) タスマニアマスタード スパイシーマスタード ¥1,300

タスマニアの悠然とした、太古の自然のエネルギーを宿すワインや食材を体内に取り込んで、明日への活力をたっぷりと養いましょう。

● Josef Chromy ジョセフ・クローミー『ペティアン2019』¥3,800 (税別)
問 ヴァイアンドカンパニー 06・6841・3553
ワイン、蜂蜜、粒マスタードともに輸入元直販サイトより購入可能

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ライター

鳥海 美奈子

共著にガン終末期の夫婦の形を描いた『去り逝くひとへの最期の手紙』(集英社)。2004年からフランス・ブルゴーニュ地方やパリに滞在、ワイン記事を執筆。著書にフランス料理とワインのマリアージュを題材にした『フランス郷土料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)がある。雑誌『サライ』(小学館)のWEBで「日本ワイン生産者の肖像」連載中。ワインホームパーティも大好き。

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