ししとうが辛い理由
ししとうを食べたとき、辛いししとうに当たってしまったことはありませんか? 基本的にししとうは辛くない食べ物とされていますが、中には辛いししとうも含まれていることがあるんです。その理由を探るためにも、まず、ししとうとは、どんな食べ物なのかを一緒に見ていきましょう。
ししとうは唐辛子の仲間
ナス科のトウガラシ属の果実である、ししとうの正式名称は「獅子唐辛子」。先端が獅子の頭に似ていることから、そう名付けられたといわれています。また、ししとうは唐辛子の一種で、別名「甘唐辛子」とも呼ばれているのです。
ししとうと唐辛子の原産は、中南米。その歴史や伝承ルートは共通していますが、これらには、辛いか・辛くないか、という違いがあります。ししとうはピーマンに近い品種です。そのため、本来は辛味は含みません。しかし、個体差があり、まれに辛いものもあるのです。
一方で唐辛子は、辛いししとうの品種です。強い辛味で知られている「パラペーニョ」や、ほとんど辛さを感じない「伏見唐辛子」など、さまざまな種類がありますよ。
カロテンやビタミンCが豊富
ししとうと唐辛子に含まれる栄養素は、ほとんど同じなんです。皮膚や粘膜を健やかに保つβ-カロテンや、免疫力や抗酸化作用を高めるビタミンが豊富に含まれています。ほかにも、食物繊維やマグネシウム、カルシウムなどを含有。
ただし唐辛子には、辛味成分が含まれます。この辛味成分はカプサイシンというもの。発汗作用があり、ほかの栄養素と一緒に摂取することで、美肌効果も期待できるのです。
参考:野菜類/ししとう/果実/生 – 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
辛くなるのは、栽培中のストレスが原因
ししとうが辛くなる原因は、ストレスから。例えば、高温の日が続いたり、土壌の水分量の急激に変化したり、また適切な肥料をやらないなど、栽培環境によるものがほとんど。
ストレスがかかった状態になると、ししとうに起こるのが「単為結果(種無し種)」です。種子を合成するはずだったエネルギーがストレスを受けることで、種子を合成するはずのエネルギーが、辛味成分であるカプサイシンを合成してしまいます。その結果、本来のししとうより種子が少なく、辛味が増してしまうのです。
反対に辛くないししとうを育てるには、ストレスをかからないようにするのが大切。適切な水分量を保ち、追肥も適切に行うことで辛味成分を含まないししとうに育てることができます。
辛いししとうの特徴は?
油断して食べたししとうが辛かったら、びっくりしますよね。子供の場合はししとうが嫌いになってしまうことも…。辛いししとうには見た目や香りに特徴があります。スーパーなどで辛くないものを選ぶために、辛いししとうの特徴、3つを紹介します。
実がいびつでヘタが丸い
曲がっている、縮れて細いなど形がいびつなししとうは、辛味成分を含んでいる可能が高いでしょう。辛いししとうは、ストレスを受けていることから、成長が鈍化し、形がいびつになってしいます。
反対に、辛くないししとうを選びたい場合は、スラリとまっすぐで見た目が美しいものを選ぶのがポイント。見た目が美しいししとうは辛味がないものが多いといわれています。
またヘタの形も辛いししとうを見分けるポイント。通常、ししとうのヘタは多角形です。しかし辛味があるものは丸い形をしているといわれます。