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「よそよそしい」の意味と漢字表記
「よそよそしい」とは、相手にそっけなく、冷淡な態度をとり親しみがない様子を指す言葉です。漢字表記や詳しい意味について解説します。
■漢字では「余所余所しい」
「よそよそしい」は、漢字で「余所余所しい」と書きます。「余所」とは、他の場所や、関係性が低い場所という意味です。
家庭内において、親が子どもに他の家庭と自分の家庭のルールは違うという意味で、「余所は余所、家(うち)は家」と言いますよね。
このように、「余所」は他の家庭を指す場合もあります。他にも、自分には関係がない、あるいは関心がないことを指すこともある言葉です。
■意味は他人行儀、親しみがない態度のこと
関係が薄い、あるいは関心がないことを表す「よそよそしい」は、人間関係で距離感があることを意味します。
つまり、親しい間柄なのに見知らぬ他人に接するような態度、距離感を感じさせるような態度をとられたときによそよそしいと言葉を使うのです。
その他にも、事務的な物言いやそっけない淡白な態度に対しても、よそよそしいという言葉を使います。
「よそよそしい」の3つの類義語
「よそよそしい」の類義語としては、「無愛想」、「そっけない」、「ぶっきらぼう」が挙げられます。それぞれの意味を詳しく見てみましょう。
1.「無愛想」
「無愛想」とは、愛想がないことを指す言葉です。愛想とは、人当たりのいい態度を意味するので、その愛想がないことを表す「無愛想」は、人当たりが悪い態度であることを意味しています。
2.「そっけない」
「そっけない」は漢字で「素っ気ない」と書きます。この「素っ気」とは、思いやりのことです。つまり、「そっけない」は、他人に対する思いやりや温かさが感じられない様、態度を指しています。気遣いを感じられない態度や行動に対して使われている言葉です。
3.「ぶっきらぼう」
「ぶっきらぼう」は、態度や話し方がそっけない様子を意味します。「ぶっきらぼう」は「打っ切り棒(ぶっきりぼう)」が転じてできた言葉で、その由来には2つの説があります。
ひとつは、ぶっ切った棒、つまりぶった切った木の棒は切り口が乱雑で、質素で愛想がなく見えるからというもの。もうひとつは、打っ切り棒とは水あめを伸ばして作った飴のことで、端から端まで味や形に変化がないことが素っ気ないからというものです。
「よそよそしい」の3つの対義語
「よそよそしい」の対義語としては「馴れ馴れしい」、「親しい」、「睦まじい」の3つが挙げられますが、ニュアンスが異なります。そのため、使用する場面も大きく異なる点に注意しましょう。
1.「馴れ馴れしい」
「馴れ馴れしい」とは、特に仲が良いわけでもないのに、遠慮のない物言いや態度で接する様子などを指して使います。
「馴れ馴れしい」は、相手が遠慮なくプライベートに踏み込んできたことに対して不快感を感じた際に使う言葉であるため、マイナスのイメージを持って使われることが多いです。
「あなた、ちょっと馴れ馴れしいよ」と言われた場合、相手から迷惑に思われている可能性が高いので、振る舞いを見直しましょう。
2.「親しい」
「親しい」は互いに打ち解けていて仲がよいことや、いつも接していてなじみ深いことに対して使われる言葉です。
「親」という漢字は入っていますが、使える相手は友人などで家族や夫婦には用いません。「親しい間柄」「親しい友人」のように、仲がよいことを表す言葉として使われます。
3.「睦まじい」
「睦まじい」は、仲がよく、親密であることを表す言葉です。特に夫婦や恋人同士など、男女間の愛情がこまやかであることを表わしており、「夫婦仲が睦まじい」「仲睦まじいカップルだ」などのように男女間の関係性を表現するときに使用されます。また、家族仲がよい場合にも「仲睦まじい家族」と表現します。
「よそよそしい」を使った例文を4つのパターン別にご紹介
「よそよそしい」の使い方を、4つのパターン別の例文に沿ってご紹介します。「よそよそしい」は基本的にネガティブな印象がありますが、状況によってはポジティブな意味として表現できます。例文を参考にして、「よそよそしい」の使い方をマスターしてください。
1. 相手やコミュニケーションが苦手な場合の例文
相手やコミュニケーションが苦手な場合に「よそよそしい」を使うのは、ネガティブな話をすることが多いです。以下に例文をご紹介します。
・あの人は人付き合いが苦手なのか、誰にでもよそよそしい態度を取って関わろうとしない。
・彼女は普段は愛想が良いが、苦手な人の前ではよそよそしくなる。
・「あなた、係長に対して素っ気ないけれど苦手なの?あんなにあからさまによそよそしい態度を取るのは、相手からの印象も悪くなるから気を付けた方がいいよ。」
2. 相手に誤解を受けている可能性がある場合の例文
相手に誤解を受けている可能性がある場合にも、「よそよそしい」を使います。
・昨晩彼は同僚と飲みに行ったようだが、今朝になって急によそよそしい態度を取るようになってしまった。
・隣のデスクのAさんが思い当たる節がないのに、急によそよそしくなった。
・昨日は会社の飲み会で遅くなってしまった。朝起きたら妻の様子がよそよそしいが、もしかしたら帰りに女性の同僚とタクシーに同乗してきたことが原因かもしれない。
3. 相手が警戒している場合の例文
相手が警戒をしている様子を表現する際にも、以下の例文ように「よそよそしい」を使うことができます。
・隣の部署の人がよそよそしげな様子で挨拶に来た。
・彼女は過去に何かあったのか、男性に対してだけよそよそしい態度を取る。
・隣の家に家族が引っ越してきたが、まだこの街になれていないのか、よそよそしい雰囲気だ。