「脱スーツ・デー」のおかげで職場のコミュニケーションが活発に!
―――前回は、実際のみなさんの「脱スーツ・デー」での着こなしについてお伺いしました。それでは今度は、「脱スーツ・デー」が導入されて、どんなメリットを感じているか、お伺いできますか?
今村宜子さん(39歳/以下、今村) 職場の雰囲気が明るくなりましたね。女性から男性の服装をどうこういうの言うのって、まだぎりぎりセクハラにはなってないので(笑)、「かっこいいよね」、とか、逆に「あれってどうなんだろう」みたいに、女性社員同士、わいわいと話しています(笑)
久田尚子さん(44歳/以下、久田) 私の部署では、「今日のイチオシコーデ」ってタイトルで、金曜日には社内のイントラネット上に社員の着こなしSNAPが上がるんですよ。おしゃれな社員の方の服装が載っていて、それを見るのも楽しみです。
今村 私は「脱スーツ・デー」はヒールをやめてフラットシューズにしているんです。ヒール靴を履かなくてもいいと思うと、歩くのが楽になりますね。駅から遠くて敬遠していたお店に行ってみようかなとか、ひと駅くらいなら歩いて帰ろうかな、とか。おかげで金曜日は活動の幅が広がったと思います。
久田 あと、服装がカジュアルだと、金曜日の終業後にそのまま旅行に行けるのが、便利だって意見もあります。
寺内香織さん(43歳/以下、寺内) 確かにそれはいいですね! 一度帰って着替えなくていい!
カジュアルな装いで、会社の風通しもよくなった!
―――気持ち的な面での変化は、何かありましたか?
今村 難しい会議や打ち合わせをわざと金曜日に設定することもあります。金曜日のほうが気持ちが明るいから、そこに設定しよう、と。着こなしがカジュアルな分、気持ちもカジュアルになって、心がやわらかく話ができるんですよ。
寺内 そうですよね。会議とか、打ち合わせに挑む気持ちが楽になりますよね。
今村 上司もみんなニットにデニムとかだし…。スーツなどの堅い着こなしで臨むより、雑談も多くなる気がします。雰囲気が朗らかですよね。「脱スーツ・デー」、週2回にしてもいいんじゃないかな(笑)。そのほうが社内の風通しがもっとよくなるかも。
寺内 仕事に関しての発想も柔軟になりますよね。そういわれたら、IT企業の人たちは、人前に立つときだって、Tシャツとデニムでリラックスしている。本当に、着るものと気持ちって直結しているなって実感します。
今村 木曜日までで疲れているから、金曜日が来ると、ほっとしますよね。いつも「ラスト一日、しんどいな」って思ってたのが楽になりました。
久田 私自身、「楽しみ」っていう気持ちが強いです。金曜日何着ていこう?って考えることが増えましたし、いつもなら会社にはNGかな?って思っていたものを着ていける機会が増えてうれしいですね。
今村 ワードローブへのメリットはすごくありますね。土日の服の出番が増えて、服の無駄がなくなったと思います。これまで会社用の服を選ぶときって、「浮かないか」「仕事に支障が出ないか」など、ちょっとネガティブな側面が強かったのが、好きな服を気持ちよく買えるようになったかな。
久田 会社でのおしゃれの幅は、広がったと思います。
仕事服が変わって実感する、「働き方」と時代の変化!
寺内 すこし、「脱スーツ・デー」の話から離れるんですが、私が新入社員のころって、女性でも、商社マンはスーツありき!みたいな固定観念があったんですよ。ジャケットとボトムはそろっていなくちゃいけないって。女性もそういう服装じゃないと、男性社員の間で認められないっていう、強迫観念みたいなものもあったかもしれませんね。それがいまは女性社員の数も増えてきて、働き方も自由になってきて。今の若い人って、そういう時代だからこそ、とっても柔軟だと思うんです。だから、今回の「脱スーツ・デー」ができても、若い世代にはそれほどインパクトがなかったんじゃないのかな。普段からスーツにはこだわってなくて、自由な服装で働いていますよね。
今村 私たちの世代は、それでもいちばんきちんとするシーンにはまだスーツを選ぶけれど、今の若い人は、そういうときでもあまりスーツを着ていない気がしますね。
寺内 ロッカーにジャケットひとつ置いておいて、来客があればパッと羽織って対応する、みたいな。そういう姿を見て、「ああ、働きやすい時代、新しい時代になったんだな」って気づかされることが多いです。
今村 そう思うと「脱・スーツデー」は、特に私たちみたいなアラフォー世代以上にとって、意識改革のきっかけになったんじゃないかと思います。
―――なるほど。それでは次回は「脱・スーツデー」の着こなしについての具体的な悩みもお伺いしたいと思います。
次回に続く
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