責任感がなく、周りに無関心
指示待ち人間は、周りの評価や昇進に疎い人が多いかもしれません。指示をされて動くのが自分の役割だと考えているため、責任を感じない分、無関心でいられます。指示されていないことは、誰かがやるものと思い込んでいるのです。
また、周囲が忙しくしていても、指示があるまで手伝おうとしません。部署のスタッフが残業していても、本人は我関せず。自分の仕事が終わればサッサと退社するケースもあります。
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指示待ち人間のデメリット
ここからは、指示待ち人間でいることのデメリットを紹介します。指示待ち人間でいることは、自分にとってプラスとはいえません。
経験値があがらず、スキルや能力が身につかない
指示待ち人間でいることの最大のデメリットといえるのが、経験値が上がらないことです。指示されないと動かないため、臨機応変に対応する術を身につけることができません。また、自分で考えて決断するということもできないまま過ごすことになるでしょう。
そうなると、スキルや能力も上がりません。人は失敗をして学び、成長するもの。指示待ちでいることは、その機会を自ら放棄することになるのです。
仕事に対する理解が進まない
指示待ち人間は、いつまで経っても仕事に対する理解が進みません。仕事は、自分から積極的に動いて質問することで、理解が進みます。理解ができないため、必要なときに適切な判断をすることもできないままです。
また、仕事を任せてもらえない状態が続くということも。気づけば、後輩に指示されるというケースもめずらしくないでしょう。
依存しやすいため、居場所を失うことも
状況や人に依存しやすいのも、指示待ち人間のデメリットです。指示してくれる人が異動になるなどすると、たちまち困難な状況に陥ります。上司や状況が変わると適応できなくなり、出勤がつらくなるでしょう。最悪の場合は、自分の居場所を失うかもしれません。
指示待ち人間が周りに与える影響
指示待ち人間になることで周りに与える影響を見ていきましょう。いくつかピックアップして紹介します。
生産性を下げてしまう
指示待ち人間がいると、他のスタッフがフォローしたり、その人の分まで仕事をしたりすることになりがちです。そのため、本来は必要のない時間や手間が発生することになり、生産性を下げることになるでしょう。
周囲とうまくやっていけない
上述したように、指示待ち人間のフォローやカバーをする必要が生じるため、他のスタッフの負担が増えてしまいます。それに対して、ストレスや不満を感じる人も出てくるでしょう。あるいは、同じくらいの給料なのに、なぜ偏りがあるのかと感じ、大きな怒りにつながるおそれがあります。
改善されないと、見切りをつけられ転職者が出ることも。指示待ち人間が周囲におよぼす影響は意外と大きいのです。
信頼されず、評価も下がる
指示待ち人間は、トラブルの元になりがち。周りからの信頼を得るのは難しいでしょう。改善策を講じないままだと、「なぜあんな人間を採用したのか」「なぜきちんと教育しないのか」と、上司や人事担当者に怒りが向くこともありそうです。
指示待ち人間から脱却する方法
指示待ち人間から脱却したいと思ったら、どうすればよいのでしょうか? 意識したいポイントを紹介します。
仕事の目的を考えてみる
「なぜ仕事をするのか」「なぜこのタスクをするのか」について、考えてみることからはじめましょう。自分なりに言語化し、書き出していくといいですね。目的が明確になれば、どう行動すべきかわかることも。次にすることを把握できると、自発的に動きたくなるでしょう。
よりよくする方法を考え、伝えてみる
指示されたことに取り組む際、言われた通りにやるだけでなく、よりよくする方法を考えてみましょう。思いついたことを書き出して、上司や先輩にシェアするといいですね。
たとえば「○○しようと思うのですが、いかがでしょうか?」「○○が終わったのですが、次は何をすればよいでしょうか?」と自分の意見や質問を伝えてみます。決断するのが不安なら、誰かと一緒に考えてみるのもいいでしょう。
自らよりよい状況をつくろうと動く姿勢を持ち、行動し続ければ、周りの印象は変わるはず。周りにうまく頼りながら、少しずつできることを増やしましょう。
向いている職業に転職する
自ら活発に動くのは自分に合わないと感じたら、ルールやマニュアルを遵守し、コツコツできる仕事に就くのもいいかもしれません。
・既存顧客への営業
・工場の作業員
・運送業者
・事務員
・公務員
・システムエンジニア(プログラマー、テスター)
上記の職業の共通点は、すべてではないですが概ねマニュアルに沿った仕事であること。指示や規則に沿って業務を進めるのが苦痛でないなら、そのような職種に適性があるのかもしれません。チャレンジしてみるのも一つです。
子育ても部下の育成もポイントは同じ
指示待ち人間にしたくないと考えるなら、子育てや部下の育成で次のことに注意するといいでしょう。いくつかポイントを紹介します。
指示を減らして、考えることを促す
子育てと部下育成に共通するのは、相手が自分で判断し、行動できるようにすること。その力を育てるには、指示を出す回数を減らし、相手が自ら考えるよう促さなければなりません。
具体的には、状況に応じて指示の回数を調整していきます。質問されてもすぐにヒントを与えず、「あなたはどう思う?」と相手の考えを聞くといいですね。この問いかけがあると、自分で考えざるをえません。その機会を徐々に増やせば、考える癖が身につくはずです。
先回りせず、任せてみる
部下や子どもの成長度合いに合わせて、仕事ややることを任せてみましょう。上司や親が先回りすると、相手の成長機会を奪うことになります。結果がよくなくても、「次はどうしたらよいか」を一緒に考えるといいですね。相手が失敗から学べるよう、サポートしてください。育むのは、依存心ではなく自立心。育てる側がそれを意識することが大切です。
相手の話に耳を傾け、過程や変化を褒める
部下や子どもの話を傾聴し、過程や変化を褒めるのもおすすめです。結果がどうであれ、努力の過程や、ちょっとした変化を褒めることを意識してください。行動や努力を評価されることで、次の行動への意欲が高まるでしょう。
また、フィードバックをうまく活用するのもおすすめです。改善のヒントを伝えながら、よりよくするにはどうすればいいか、一緒に考えるのもいいですね。
最後に
指示待ち人間について、特徴やデメリットなどを紹介しました。指示待ち人間になるのは、周りの接し方が影響しているという説も。育てる側の意識も大切だということがわかりますね。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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