いつも強くて正しいママじゃないとダメですか…?
【親はいつでも子どものお手本】【子どもは親の真似をする】【親には責任がある】などなど、子育てをする親はいつも強く、正しくあれという風潮にさらされがち。でも親だって体調がすぐれなかったり、落ち込むことがあったりします。そんな弱った自分を子どもに見せていいのでしょうか。スクールカウンセラーとしても活動している、臨床心理士・吉田美智子さんに「親の弱音」についてお話を伺いました。
親の弱さを見せるのはOK!でも…
「結論から先に言うと、〝親の弱さを見せるのはOK〟です。しかし〝子どもに弱音を吐くのはNG〟です。なぜ弱音を吐くのがNGかというと…
・いつも話を聞いてくれる子だと、親は弱音を吐くことを習慣化してしまう危険があります。子どもって、親が困っていると助けてあげようと思うものです。しかし、この構造は依存関係の危険性があるため望ましくありません。
・親の弱音で不安になってしまう子どももいます。(もちろん年齢や性格にもよります)
弱音を吐くことで、親が子どもに頼りっきりになってしまう、子どもが必要以上に心配をする事態は避けたいですよね」
親の弱さを見せることは、意外にも子どもの教育につながる!?
「親は神様じゃありません。だからいつも強く正しくいることができなくても当たり前です。親が間違えたり、落ち込む姿を子どもに見せることで得られるメリットもあります。
・親の姿を見て〝間違えても大丈夫〟〝落ち込んでも大丈夫〟と、失敗を恐れない子=自己肯定感を育むチャンスになる
・間違えや失敗をしてしまったら、どう立ち直るかのプロセスを見せることができる(例えば、両親に相談する姿や、リカバリーするため一生懸命働く姿など)
もっと身近で言えば、体調も悪い上に、仕事で疲れ過ぎて夕飯やお風呂の準備ができないとします。ご飯はお惣菜を買い、お風呂もシャワーで終わらせたとしても、次の日元気を取り戻し、おいしい朝食が作れたり、笑顔が取り戻せたならOK! 子どもは親のリカバリー方を見て、自然と学んでいきます。
親だからといって完璧主義にならず、時には弱い部分を素直に見せてみてくださいね。無理は禁物ですよ」
取材・文/福島孝代
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