【目次】
・「意味深長」の意味や読み方は?
・使い方を例文でチェック
・類語や言い換え表現は?
・「意味深長」の対義語は?
・英語表現とは?
・最後に
「意味深長」の意味や読み方は?
「意味」と「深長」、それぞれなら何となく意味が分かりそうですが、「意味深長」とふたつの単語が組み合わさると、どのような意味になるのでしょうか。
読み方と意味
「意味深長」は「いみしんちょう」と読みます。「深長」というのは、「趣深く、含みや蓄えがあること」を指します。したがって、「意味深長」とは、ある表現の示している内容が趣深く、含蓄があることです。また、「意味深長」にはもう一つ意味があり、「表面の意味のうらに別の意味が隠されていること」という意味もあります。
「深長」を「慎重」と勘違いして「慎重に物事を考えること」と間違って覚えている人も多いので注意が必要です。
語源は?
もともとの意味合いとしては、「表面的な意味だけではなく、行間に込められた意味まで深く読み取らせ味わわせるような、高尚な文章」という意味だったようです。
1200年頃、朱熹という中国の儒学者が書いた『論語序説』という書籍の中で、使われたのが「意味深長」という四字熟語の始まり。『論語序説』の中で、朱熹は「私は17、8歳の頃から論語を読んで、内容を理解しているつもりであったが、読み込めば読み込むほど、その意味深長さを実感することになった」と述べています。繰り返し読めば読むほど、初めて読んだ時よりその言葉の意味の奥深さに気がつくことが出来るということです。
使い方を例文でチェック
「意味深長」という言葉を使ったことがなくても、「意味深」という言葉を使った経験はありませんか? 実は、「意味深長」を短く略したものが「意味深」です。「表面の意味のうらに別な意味が隠されている」という2つ目の意味合いで、「意味深」という言葉が使われます。他には、どのような使い方が出来るでしょうか。
1:相手の言動に何か裏の意図を感じたとき
「彼女の笑顔が意味深長に感じられ、私は不安を覚えた」などというように使います。相手の言動とは裏腹に、どこかぎこちなく違和感を覚えたとき、私たちはそこに含まれた他の意図を考えます。行間を読み取る表現なので「意味深長だね」と相手に直接言うことはありません。
2:表面的な言動の裏に、さらに深い意味や趣が含まれているとき
「社長の判断は一見突拍子もないものに思われたが、今思えば意味深長な判断であった。これが後に会社を成長させることに繋がった」などと使うことが出来ます。
3:知れば知るほど、その深みや趣がわかってくることを表現するとき
「子どものころは難しかった小説も、今読み返すと意味深長であったことが分かった」という使い方が出来ます。「意味深長」は四字熟語ですが、形容詞的に用いる方法もあります。
類語や言い換え表現は?
多くは良い意味で使われるこの言葉。他にも似たような意味を持つ四字熟語があるので、ご紹介します。
1:微言大義
「微言大義」は「びげんだいぎ」と読みます。「微言」は、奥深い言葉や微妙な言葉という意味です。また「大義」は、根本にある深い道理の意なので、「微言大義」とは簡潔な言葉や微妙な言葉の中に、実は奥深い意味が含まれているということを指します。
2:意在言外
「意在言外」は「いざいげんがい」と読みます。「意在言外」とは、自分の考えを意図的に隠して、相手に推測させることです。また「言外」は文字通り、「言葉で言うことの外にあるもの」という意味なので、言葉の行間に自分の考えを込めることをいいます。
「意味深長」の対義語は?
「意味深長」の意味や類語が分かったところで、今度は逆の意味を持つ言葉についてご紹介します。意味深長の対義語としては、「単純明快」「軽率」などのように重要性が無いという意味や、裏表がなく、深く考える必要がないという意味を持つ言葉が挙げられますよ。
英語表現とは?
「意味深長」は四字熟語ですが、英語で表すと「思わせぶりな」や「意味深い」といった形容詞になります。では、どのように使えばよいのでしょうか? 例文を使ってご紹介します。
1:「She said that the meaning of expressive」
「彼女は意味深長なことを言った」という意味になります。「expressive」は「表現上の」や「表出的な」などを表す形容詞ですが、他にも「思わせぶりな」という意味も持ちます。「expressive words」で「意味深長な言葉」です。
2:「He give me a meaningful look」
これは「彼の態度は意味深長だ」という意味です。「meaningful」は「有意義な」、「意味のある」という意味の他に、「意味のある」から派生して「意味深い」という意味も持っています。
3:「That isn’t significant」
「significant」は「重要な」や「意味深い」、「意味深長な」という意味があります。「それは大したこと(意味深長なこと)ではない」という意味です。他の2つの例文と異なり、否定的な表現です。
最後に
いかがでしたか? 今でこそ「意味深長」は「意味深」として日常的にも使われていますが、実はとても歴史のある言葉でした。英語表現も「意味深長」は様々な単語で表現することが出来るので、興味がある方はぜひ調べてみてくださいね。
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