マスク着用により増えた悩みといえば…
外出時にマスクをすることが当たり前となってから、早くも1年以上。マスクをする機会が増えたことで、肌荒れに悩まされている人も多いのではないでしょうか。今回はマスクによる肌荒れについて、この夏特に気をつけたいことを皮膚科医の先生に教えていただきました。
マスク摩擦が起きる意外な原因とは?
この1年間、多くのマスク摩擦の患者さんを診察されてきたという、皮膚科専門医のまのえいこ先生。マスクが擦れて肌トラブルが起きるのには、マスクのサイズが合っていないということも関係していると言います。
「靴も大きすぎると靴擦れが起きます。マスク摩擦がおきてトラブルが起きやすい方は、マスクのサイズが大き過ぎたり、フィットしていないことが考えられます。合わないマスクをしていると会話のたびにずれて肌表面に細かい摩擦が起きやすくなります。感染症対策の観点からも肌を守る観点からも、鼻にピタッとつけてマスクがズレないようにしましょう」(まの先生)
また、まの先生によると、ウレタンマスクのサイズが大きい場合は縦にずれてしまい、不織布マスクがフィットしていない場合は横方向にずれやすい傾向にあるそう。
実験でわかった!マスク摩擦はスキンケアで軽減
スキンケアを塗布した布と、無塗布の布をトルソーに置き、マスクを装着して30回軽く動かす実験をしたところ、スキンケアをした方は繊維の吸着が少なく、摩擦から守っていることがわかりました。
さらに、ザラザラしたコルク板を2枚用意し、一方はスキンケアを塗り、もう一方は何も塗らずにマスクを置いて板を傾ける実験を実施。すると、スキンケアを塗布した方はマスクがするすると落ちていきましたが、何も塗っていない方は摩擦を受けて傾き、落下速度も遅いことが実証されました。
このようにマスクの下にスキンケアをすることが、摩擦から肌を守る1つの方法になるよう。「肌の表面にほぼ1日マスクがある状態では、スキンケアをしておくことはマスク摩擦ケアとしても重要です」とまの先生は語ります。
スキンケア選びにも注意
そしてマスクによる肌荒れに悩んでいるなら、スキンケアの選び方も普段とは変えた方がいい場合があるそう。
「マスクの下でもスキンケアをしておくことは重要です。ただし1日室内でマスクをしている環境下の方は、マスクの下にUVは必要ありません。さらに油分の強いスキンケアをマスクの下で使い続けていると、湿度と摩擦でニキビや肌荒れの原因になります。マスクの下とそうでない場所でスキンケアを変えて、上手にマスク摩擦ケアをしてください」(まの先生)
▲ベアミネラル プライム タイム 30mL ¥4,400 (税込)
保湿効果に優れた植物エキスや、過剰な皮脂を吸着するミネラル成分を配合したメイクアップベース。肌なじみのよいジェルタイプで、肌の上でスムーズに広がります。
暑さが厳しいこの時期、マスク汗荒れに注意!
「GWを過ぎてから、マスクに触れる部分の皮膚がかゆい、赤くなるなどの症状を訴える人が増えています」と話すのは、よしき皮膚科クリニック銀座の院長・吉木伸子先生。顔の肌荒れがひどいからとマスクで隠していることで、さらに重症化してしまうケースもあるそうです。
「夏場、体をゴシゴシ洗ってしまい保湿をしないと、皮膚が傷んでバリア機能が低下します。そこに汗をかくと、汗に含まれる成分であるアンモニアや塩分などが刺激となり、かゆみが起きたり、チクチク、ピリピリといった痛みが生じたりする、汗による肌トラブル『汗あれ』を起こすことが多くあります。この状態が、マスクをすることによって顔で起きているのが『マスク汗あれ』です。
例年『汗あれ』は、首、腕やひざの内側、ウエスト部分などに起こりやすい肌トラブルですが、今年のようにマスクを着用すると、顔のマスクで覆われた部分にも『汗あれ』が起こりやすくなります。受診されるのは女性が多いのですが、お子さんや男性も注意が必要です」(吉木先生)
マスクの中は湿気が多いからうるおっている…は間違い!
マスクの中は湿気が多いため、肌がうるおっていると思いがち。しかし、これはあくまで蒸れているだけで、うるおっているわけではないのでご注意を。
「マスクをすることで、皮膚の角質層がふやけた状態になります。マスクを外したとき、角質層の水分が蒸発して皮膚が乾燥し、肌のバリア機能の低下につながります。その状態でまたマスクをすると、マスクの繊維や汗の成分が刺激になり、『マスク汗荒れ』が助長されるマスク汗荒れスパイラルに陥ります」(吉木先生)
吉木先生によると、マスク汗荒れの予防で大切なのは保湿をすること。続いて、マスク汗荒れを防ぐために大切な3つのポイントを教えていただきました。
マスク汗荒れ予防の3つのポイント
【POINT1】汗をこまめに拭く
吸収性のよいタオルやハンカチで、
【POINT2】ゴシゴシ洗わない
清潔な手で洗顔料をしっかり泡立てて顔を洗います。汗をかいて皮脂が気になるからとゴシゴシ顔を洗うと、必要なうるおい成分まで洗い落とし、バリア機能の低下につながるのでNG。手ではなく泡でやさしく洗うことが大切です。また、汗やほこりはお湯だけでも十分洗い流せます。洗顔ソープなどで洗い過ぎると、肌のバリア機能を低下させてしまうので注意してください。
【POINT3】保湿する
マスク汗荒れを予防するには、保湿が大切。保湿剤は、ベタつかずさらっとした使い心地のジェルタイプや、ローションタイプがおすすめです。
▲ユースキン 薬用あせもジェル (医薬部外品) 140mL ¥858、ポケット 薬用あせもジェル (医薬部外品) 30mL ¥418 (税込)
肌荒れを防ぐ抗炎症成分配合。しっかり保湿し皮膚のバリア機能をサポート。ベタつかないジェルでさらっとうるおい、摩擦による刺激からも肌を守ります。
今年の夏も相変わらずマスク着用が欠かせない日々が続きますが、性別や年代を問わず、マスクによる肌荒れが起きないようケアするのが大切とのこと。マスクをする機会が増えてから特に肌荒れが気になるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
トップ画像・アイキャッチ/Shutterstock.