子どもの集中力を引き上げるためにできること
ゲームやYouTube、遊びには親も驚くぐらいの集中力をみせる一方、宿題や勉強になると手遊びを始めたり、おしゃべりが止まらなかったりと、集中力の「し」の字も見当たらない…。どうして子どもは勉強となると集中力が続かないのでしょうか。スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんに「子どもの集中力」についてお聞きしました。
集中力を継続させたければ、「興味」と「時間」をコントロール
「子どもがのめり込んで集中している姿は親としては嬉しいもの。ですが、それが毎度ゲームやYouTubeなど遊びだけで、勉強やお手伝いになるとその姿はどこへやら。その差は実にシンプルで、【興味があるか】【楽しい・面白いか】【やりたくなるか】の違いにあります。また、子どもの集中していられる時間はさほど長くなく、15〜30分程度と言われています。この2点を親がうまくコントロールできれば、勉強にも集中できるはずです。
例えば、【興味・楽しさ・やりたい】を刺激するため、新しい勉強方法を提案してみたり、新しい文房具を揃えるなど目新しさで注意を引きます。【時間】は『30分やったら休憩』など時間を限定すると意気込む子どもが多いように感じます。集中できていないなと感じたら、これらを助け舟として差し出してみてください。
また、集中できなくて時間だけが過ぎると、親もイライラしますが、子どもにとっても『つまらない』『勉強嫌いだ』『できない自分はダメだ』とマイナスな感情になりがちです。集中して取り組めないようなら無理強いせず、思い切って切り上げる方がQOL(生活の質)と本人の自尊心にとって有益です」
集中力に良い影響を与えるものとは?
「子どもの集中力が高まるなら、親はどんなことでもしてあげたいと感じると思います。しかし集中力を劇的に上げる特効薬は存在しなく、〝生活リズムの管理〟に尽きるのです。朝決まった時間に起き、朝ごはんを食べ、夜更かしせずに決まった睡眠時間を確保するなど、毎日のルーティーンが整うからこそ集中できるという調査結果があるほどです。すごく地味な結果でがっかりしてしまうかもしれませんが、これを機に生活リズムの見直しも検討してみてください」
画像/(C)shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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