親の仕事は子どもを適切に保護して育てること
周りの親より子どもに対して手助けが多いのかも!? あれやこれやと世話を焼いてしまうから子どもの成長が遅いの!? 子育てをしていると、「自分は過保護なのでは」と感じる瞬間がやってくると思います。スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんに「過保護」について伺いました。
実は「過保護はアリ!」なんです
「親は子どもを適切に保護して育てることが仕事です。ですから、【保護】はとても大切なんです。でも【適切に】はとても難しい。子どもに必要な保護は刻々と変化するので、いつもベストな保護を与えるのは物理的に無理があります。また、子どもが必要とする保護の質量も日々変化していきます。
では、親の保護が〝足りない〟のと〝多い〟のとではどちらがいいか?というと、〝多い〟なんです。というのは、『親の保護が充分あり、もういらない』と思えば、子どもは自ら親元を離れる行動をとります。でも『足りない』と、いつまでも親元を離れることができません。子どもが自立しないケースは、親の保護が十分ではないということがとても多いです」
適切な「保護」とは?
「子どもの望みに応じて、スキンシップをする、一緒に過ごす、手伝うのもOKです。親が一緒にいてくれることが嬉しい、安心する間は子どもがそれを望んできますし、大いにやってあげて大丈夫です。親の“サービス”はどんなにパーフェクトでも、残念ながらいずれは〝鬱陶しい〟ものとなり、自然と離れていきます。その時まで親子の時間を密に過ごしてください。ただ、子どもに与えるのは愛情や時間、手間暇であり、物やお金ではありません。子どもが過剰に物やお金を欲しがるときは、愛情が足りていない可能性があるので、振り返りをしてみてください」
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らしく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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