まずは子どもの「好き」を大切に
まず大前提に、小さな頃はいろいろな体験をさせることが大切です。子どもが「やりたい!」と思ったことは、もし親的に向いてないなと感じても、させてあげることを優先に考えましょう。子どもの〝やりたい・好き〟という気持ちを否定しないでくださいね。もちろん、親が向いてないと感じたものは、結果がついてこなかったり、途中で投げ出したりしてしまうことも多いと思います。だからと言って、最初から阻止してしまうと、チャレンジする気持ちや好奇心が育たなくなってしまうので、注意が必要です。
得意を見つけるコツとは?
特に教えた覚えはないのに、上手にできることってありますよね。まさしくこれが【得意】と言えるのではないでしょうか。それが勉強やスポーツなど、親が期待していたものと違ったとしても、センスがあるものはそのまま継続させるのがベストです。
一方で、別に上手ではないけれど、本人が飽きずにやっていることもあると思います。事によっては「くだらないなぁ」「それって将来役に立つかしら」なんて思ってしまうかもしれません。しかし、【夢中になる=集中している】という素晴らしい時間なのです。そして、それは【得意の種】と言えるかもしれません。飽きずに継続することで、自分の世界を持つようになります。自分の世界ができると、自力で考える・工夫する・発見するなど思考力の糧となります。得意になるかは未知数ですが、今の時代に必要な思考力が得られるのであれば、時間の許す限りやらせてあげてください。
最後に…
子どもの得意って、本人の自信になるし、もしかしたらその道に進むかも!と思うと親も期待してしまうものです。しかし、過度な期待は禁物です。時に子どもを傷つけてしまうかもしれません。子どもは得意がいつか「自分は一番にはなれないんだ・もっとすごい人がたくさんいるんだ」と気づく時がきます。親は「でもその努力は一生の財産になる」と考えがちですが、自分の存在価値がなくなった!と感じるほどショックを受ける子どもが少なくないのです。さらに、応援をしてくれた親に対して罪悪感を覚える子も出てきます。得意な道を育てるということは、そういうリスクもあることを、少なくとも大人は自覚しておくべきかなと思います。
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らしく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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