BASFジャパン株式会社 コーポレート・アフェアーズ本部 エクスターナル・コミュニケーションズ マネージャー
馬込綾子さん(42歳)
まごめ・あやこ/1975年生まれ、長崎県出身。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、現在の会社に新卒入社。3つの部署を経て、26歳で現部署に異動、社内報制作などに従事する。28歳で結婚。30歳で出産。36歳で管理職に。現在は報道対応を中心に社外広報を担当。
素敵管理職のサンクス志向は随所に
「社員の方を紹介する際に、丁寧な言葉で尊重されている様子が印象的でした。取材中も静かにあたたかく見守ってくださり、とてもやりやすかったです。メールも返信のテンポがよく、文面にもお人柄を感じました」(本企画及び「女妻母」担当ライター)
「ご縁をつないだり、笑顔を見るのが好きなんです」
みんなが喜ぶ瞬間が、次の活動へのエネルギーに
昨年、本誌12月号の連載取材で、広報としてアテンドをしてくれた馬込さん。ドイツに本社をおく欧州最大の化学メーカーに勤務して今年で20年。仕事のメールで大切にしていることを聞いてみると、少し意外な答えが。 「記者の方には夜でも即レスしますが、それ以外は、緊急でない限り寝かせるようにしています。返信すれば、先方は内容確認のためにメールを開くでしょう。その作業でお相手の時間を邪魔したくないため、夜間のメールは極力下書きフォルダにためておきます」 人とつきあううえで大切にしているのは、相手といい関係を築くこと。
「出会った人とは面白い企画ができたり、一緒に楽しめる可能性があることを、常に意識しています。最近うれしかったのは、ある記者の方との出会いをきっかけに、うちの経営陣が幅広い層に読まれる媒体に大きく露出できたこと。記事が社員の喜びや会社への誇りにつながったと思えた瞬間が、何よりもうれしく感じられました」 そんな馬込さんが悩んだのは、30代後半で子育てに一段落ついて、自分の仕事人生を振り返ったときのこと。 「同期が海外赴任を経て出世していく中、私は子育てを理由に安易な道を選んだのではないか。高い目標をたてて積み重ねていれば、未来はもっと違っていたかもしれないと、否定的になってしまったんです。
でも社内コーチングを受けて考えを整理するうちに、それは違うとわかりました。私はこだわりをもって地道に何かをつくり上げることが好きで、だから社内報制作や親睦会の運営を楽しみながら継続してきたのだと。無我夢中の30代でしたが、ちゃんと好きなことをしてきたんですね。大切なのは、自分が好きな方向に行けたかどうか。そう思うとふわっと楽になりました。今までの自分を受け入れつつ、これからどんな愉しいことをしようか、わくわくしています」
同僚とのコミュニケーション
写真上/社内で同世代が集まる親睦会を主宰! 写真上の右下/飲み会のおつりは千代紙で包んで渡す。写真上の左下/感謝の気持ちは気軽なプチギフトで。「社内の同世代が集まる『昭和50年±αの会』を主宰したり、働くママの会『MomCom』を仲間と運営しています。人は共通点があれば親しくなり、そんな仲間がいる職場はもっと心地よいのではないかと。みんなの盛り上がる様子を見て大満足しています」
素敵管理職のリフレッシュ方法
写真右/特技はジャグリングで人を楽しませること! 写真左/週末は夫とふたりでランニング。「大学時代はピーター・フランクルさんが立ち上げたジャグリングサークルに所属。写真は当時の思い出の1枚です。基本的に、人の笑顔を見るのが好きなんです。地域のお祭りやパーティなどにジャグラーとして呼ばれたときには、非常に燃えました(笑)」
馬込綾子さんのサンクスルールとは
仕事メールのマイルール
・ 急ぎでなければ、夜書いたメールはひと晩寝かせて朝返す
・ 長文メールにはサムネールや見出しをつけて、概要をまとめる
・〝 ありがとう〟の気持ちを必ず入れる
電話対応のマイルール
・ 顔が見えないぶん、丁寧に
・ 英語では特に、誤解されにくい言葉を使う
人とつきあううえで、大切にしていること
・ だれかの〝うれしい〞や〝楽しい〞につながるアクション
Domani2018年3月号『「サクセス志向」→「サンクス志向」でうまくいく』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/フカヤマノリユキ イラスト/齋藤よしこ 構成/谷畑まゆみ