疲労が発生するメカニズム
疲労は心身に負荷がかかり、下記のような反応が起きることで引き起こされるといわれています。
・副交感神経の働きの低下
・酸化ストレスが増える
・修復エネルギーの不足
・炎症性サイトカインの発生
副交感神経とは、リラックスしているときに優位に働きます。体の活動性を下げ、次の活動に向けて回復を促す存在です。しかし、睡眠不足やストレスなどによって自律神経のバランスが乱れると、副交感神経の働きが低下し、疲労の回復が遅れてしまいます。
酸化ストレスは、激しい運動などにより体内で発生する活性酸素によって生まれるものです。酸化ストレスによって細胞がダメージを受け、疲労が起きるとされています。さらに、ダメージを受けた細胞が修復を試みる際、修復エネルギーが足りないと疲労が広がっていきます。
さらにストレスを感じると体内に炎症性サイトカインが発生し、精神的・肉体的な疲労が起こります。サイトカインとは、主に免疫細胞から分泌される低分子のタンパク質です。
疲労の原因はストレスや睡眠不足など
疲労の原因としては、ストレスや睡眠不足が挙げられます。ストレスには長時間の労働やトレーニングといった身体的要因によるもの、人間関係の悩みや環境の変化などによる精神的要因によって引き起こされるものなどがあります。
そのほか、睡眠・栄養不足による貧血も疲労の原因の1つです。深い睡眠は疲労回復物質を分泌しますが、寝不足や浅い眠りが続くとこれが分泌されず、疲れが取れずに蓄積していく可能性があります。
▼あわせて読みたい
効果的な疲労の解消法
既にお伝えしたとおり、睡眠不足は疲労に直結します。そのため、できるだけ質の良い睡眠をとるように心がけましょう。質の良い睡眠をとるためには適度な運動や入浴を習慣づける、寝る直前の飲食は避けることなどが効果的です。
また、栄養バランスのとれた食事を3食よく噛んで食べること、オンとオフのメリハリがある規則正しい生活も重要です。それでもだるさや倦怠感が解消しない場合はかかりつけのクリニックに相談してみることもおすすめです。
▼あわせて読みたい
【質問】最近、「疲労困憊」した出来事がありましたか?
最近、まさに「疲労困憊」するような出来事があったか、女性約100人にリサーチしてみました。
・ある…27.5%
・ない…72.5%
※アンケートは30~49歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名。
「ある」と答えた人は27.5%でした。どんな出来事が理由だったのか、みなさんのコメントも見ていきましょう。
疲労困憊の【体験談】
・仕事で遅くなり、その後自宅のエアコンが壊れ、謎に旦那に激怒され、疲れ果てた(30代・愛知県)
・職場の紛争に巻き込まれて主犯格に仕立て上げられた(30代・静岡県)
・子供が風邪を引き、看病のすえ、自分に移った段階で子供が回復したとき(40代・大阪府)
・身内の借金が判明。解決に向けて兄弟や親戚などたくさんの身内と連絡を取り合い、しなくても良い経験をしたこと(40代・東京都)
・暑い中頑張って買いに行った扇風機がすぐに壊れて、重いのを我慢してまた店舗に持ち込んだ(40代・兵庫県)
「疲労困憊」への理解を深め、元気に過ごそう
「疲労困憊」とは、単なる一時的な疲れではなく、心身ともにひどく疲れ果てることをあらわす言葉です。
大人になり、社会人になると疲れない日はないといっても過言ではありません。ですが、「疲労困憊」という言葉をよくある疲れに使うのは適切ではないことを覚えておく必要があります。
質の良い睡眠やバランスのとれた食事、規則正しい生活を心がけ、「疲労困憊」とは無縁に元気に過ごしましょう。
写真・イラスト/(C)Shutterstock.com
メイン・アイキャッチ画像/(C)Adobe Stock
(引用すべて小学館『デジタル大辞泉』より)
▼あわせて読みたい