「罵詈雑言」とはきたない言葉で、悪口を並べ立ててののしること
「罵詈雑言」とは「きたない言葉で、悪口を並べ立ててののしること」という意味があります。読み方は「ばりぞうごん」です。辞書では以下のように解説されています。
【罵詈雑言】
口を極めた悪口。
「罵詈」は罵る意味があり「雑言」は、悪口や言いがかりという意味があります。そのため「罵詈雑言」は、ただ悪口を言う意味ではありません。口からでまかせの汚い言葉で罵るという意味合いが込められています。
基本的には悪口を並べ立てる対象がいますが、現在ではネットでの陰口を第三者が見て「罵詈雑言」と表現することもあります。
由来は『史記』の魏豹伝から
「罵詈雑言」の由来は『史記』の魏豹伝からとされています。この章で、劉邦(りゅうほう)が魏豹(ぎひょう)に対して配下になるように説得をします。しかし魏豹は「劉邦は諸侯や群臣をまるで奴隷を罵るように詈り、少しも上下の礼節を感じられない」と断わりました。
このやり取りがきっかけで「罵詈」が生まれたとされています。その後「雑言」も加わり、「罵詈雑言」という言葉が完成しました。
「罵詈雑言」の使い方と例文
「罵詈雑言」は、意味に合ってさえいれば場所問わず使える言葉です。しかし本来「罵詈雑言」が飛び交うシーンは好ましいものではありません。悪口を言い合うのではなく、相手が改善できるようにアドバイスをしたほうが懸命です。
以下のような言い回しが続くことが多いです。
・〜を吐く
・〜を浴びせる
・〜を並べる
・〜の嵐
例文も紹介するので、参考にしてみてください。
例文
・彼に罵詈雑言を吐かれて、戦意喪失の状態になった。
・罵詈雑言を浴びせるようなシチュエーションを作ってはならない。
・彼女が書いた私信には、多くの罵詈雑言が並べられていた。
・周りのことを考えない彼の行動に、罵詈雑言の嵐だった。
「罵詈雑言」の類義語3つ
ここからは「罵詈雑言」の類義語を3つ解説します。類義語と言っても、言葉によって多少ニュアンスの違いがあります。それぞれどういった違いがあるのかを見ていきましょう。
悪口雑言(あっこうぞうごん)
「罵詈雑言」の1つ目の類義語は、口汚く悪口を言うという意味の「悪口雑言」です。読み方は「あっこうぞうごん」です。辞書では以下のように解説されています。
【悪口雑言】
さんざん悪口を言うこと。いろいろののしること。また、その言葉。
「悪口雑言」は、「罵詈雑言」と文字の並びが似ています。「悪口」の方が「罵詈」よりも「口汚いさま」が若干柔らかなニュアンスになります。
例文
・悪口雑言の限り言ってしまった。
・彼女は上司の悪口雑言に耐えていてとても辛そうだ。
罵倒(ばとう)
2つ目の類義語は、ひどく罵る意味がある「罵倒」です。読み方は「ばとう」といいます。辞書では以下のように解説されています。
【罵倒】
激しい言葉でののしること。
「罵詈雑言」は、連続して悪口を言い続ける場面で使われることが多いです。しかし「罵倒」は、1回ひどいことを言うときでも当てはまります。連続性があるかないかで使い分けるといいでしょう。
例文
・「バカでのろまだな!」と罵倒された。