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LIFESTYLE 四字熟語

2024.10.30

「阿鼻叫喚」とは? 意味や読み方と使い方を解説

株価の暴落により投資家は阿鼻叫喚の状態だった

社会的な情勢により、企業が甚大な被害を被った場合にも「阿鼻叫喚」を使えば、事態の深刻さを伝えることができるでしょう。「阿鼻叫喚」は、個人的な問題よりも社会全体を揺るがす大きな出来事に適した表現です。

大会の最終戦でチームが負け、選手たちは阿鼻叫喚だった

「阿鼻叫喚」は、大切な試合や競技での敗北の瞬間に、選手たちが泣き叫び、悔しさを露わにする場面を描写する際にも使えます。それほど選手たちにとってはショックな出来事だったということですね。

電車が突然の故障で止まり、真夏の車内はエアコンも効かず、乗客たちは阿鼻叫喚の状態だった。

アクシデントにより、その場にいた人々が混乱している状態の時にも「阿鼻叫喚」が使われます。真夏の暑い中、冷房が効かない空間に閉じ込められるのは想像するだけで辛いですよね。

類語や言い換え表現とは?

続いて「阿鼻叫喚」の類語を紹介します。「阿鼻叫喚」は、なかなか日常会話で使う機会の少ない言葉なので、別の言葉を覚えておくと便利ですよ。主な類語や言い換え表現を3つピックアップしました。

「阿鼻叫喚」の類義語
  1. 地獄絵図
  2. 慟哭
  3. 泣き喚く

地獄絵図

「地獄絵図(じごくえず)」も、ひどい状況の際に使用される言葉ですね。詳しい意味は以下の通りです。

1 地獄で亡者が苦しむありさまを描いた絵。地獄絵。地獄変相。2 きわめてむごたらしい状況になること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

もともと「地獄絵図」は、地獄で苦しむ様子を表す絵や巻物を指す言葉ですが、のちに目も当てられないほどひどい状況を指すようになりました。「阿鼻叫喚」とよく似た恐ろしい響きを持つ言葉ですね。

・戦争で町は地獄絵図と化した。
・そこには想像を絶する地獄絵図が広がっていた。

慟哭

「慟哭」は、「どうこく」と読みます。意味は以下の通りです。

悲しみのあまり、声をあげて泣くこと。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「慟哭」は、しくしくと静かに泣いたり、嗚咽を漏らすというような泣き方ではなく、感情が極まって大声で激しく泣く様子を指します。小説や映画、歌の歌詞などで聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

・親しい友人の訃報を聞いて慟哭した。
・生涯孤独の身となり、ひとり慟哭した。

泣き喚く

「泣き喚く(わめく)」の意味は以下の通りです。

わめきながら泣く。泣き叫ぶ。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「阿鼻叫喚」は、事故や災害など大規模な被害に対して使われることが多い言葉です。そのため、知人間での喧嘩やトラブルで泣き叫んだ、というようなシーンで使うには、ややオーバーに感じられることも… 。場合によっては「泣き喚く」や「泣き叫ぶ」などに言い換えましょう。

・遊園地で迷子になった男の子は泣き喚いていた。
・恋人にフラれたショックで三日三晩泣き喚いた。

対義語は?

「阿鼻叫喚」と反対の意味を持つ言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?

「阿鼻叫喚」の対義語
  1. 平穏無事
  2. 泰然自若

平穏無事

「平穏無事(へいおんぶじ)」の意味を見ていきましょう。

[名・形動]穏やかで、何も変わったこともなく安らかであること。また、そのさま。「一家の―を祈る」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「平穏無事」は、何も問題や混乱が起きていない穏やかな状況を指します。災害や大混乱が起きる時に使われる「阿鼻叫喚」とは対極にある言葉で、安定した日常や平和な状況を描写する際に使われるのが特徴です。

・今年も家族全員が健康で、平穏無事に過ごすことができた。
・毎日が平穏無事に過ぎていくことが、何よりの幸せだと感じる。

くつろぐ人

(c) Adobe Stock

泰然自若

「泰然自若(たいぜんじじゃく)」の意味は、以下のとおりです。

[ト・タル][文][形動タリ]落ち着いていて物事に動じないさま。「―として騒がず」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

 「泰然自若」とは、どっしりと構えていて、落ち着いている様子を表します。混乱が起きて、泣き叫んでいる「阿鼻叫喚」とは正反対の状況を表す言葉といえるでしょう。

・彼女はまだ若いのに随分と泰然自若としているね。
・泰然自若をモットーに剣道に励みます。

英語表現とは?

「阿鼻叫喚」の英語表現は「地獄」という意味と、「泣き叫ぶ」という意味を分けて考えるとわかりやすいでしょう。「地獄」は、英語で“hell”といいます。“hell”を使った慣用句に“all hell breaks loose”があり、「(地獄のような)大混乱が起きる」という意味になります。

・All of a sudden, all hell broke loose inside the cruise ship.
(クルーズ船の中は突然、大混乱が起きた)

また、「泣き叫ぶ」ことを伝えたい場合は「悲鳴をあげる」という意味の“scream”が適切です。

・She screamed for help.
(彼女は助けを求めて悲鳴をあげた)

・He screamed in fright.
(彼は恐怖のあまり悲鳴をあげた)

最後に

「阿鼻叫喚」は、「阿鼻地獄」と「叫喚地獄」という2つの地獄から生まれた言葉だったとは驚きましたね。炎の中、泣き叫ぶ罪人たちの姿が目に浮かぶような独特の表現です。目も当てられないような恐ろしい光景を表現したいとき、「阿鼻叫喚」を使ってみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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