「心機一転」とは気持ちを新しくするという意味の言葉
「心機一転」とは、気持ちを新しく切り替えることを意味する言葉です。新しいことを始めるときや、何か好ましくないことが続いたとき、あるいは何かに取り組むことがマンネリ気味になったときなど、気持ちを切り替えたいと考える機会は少なくありません。「心機一転」という言葉を使って、そのときの気持ちや状況を表現してみましょう。
【心機一転】しんきいってん
何かをきっかけにして、気持ちがすっかり変わること。「―して仕事に励む」
「心気一転」と書くのは誤り。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
気持ちが良いほうに変化するときに用いる
気持ちを切り替えるときは、いつでも「心機一転」という言葉で表現できるのではありません。「心機一転」は、気持ちがポジティブな方向に切り替わるときに用いる言葉です。
嫌な出来事ばかりが続いて落ち込んでいたけれども、気持ちを明るくするように努力したなどのケースで使います。反対にあまり好ましくない方向に気分が変わるときには、「気持ちが落ち込んだ」「気が滅入る」などの別の表現を使うようにしましょう。
「心機一転」の使い方を例文でご紹介
「心機一転」は、そのままの形でも使うこともできます。例えば次のように表現できるでしょう。
・【心機一転】、新しい土地で頑張っていこうと決意した。
・【心機一転】、今までの私とは決別し、強い女性になろうと誓った。
しかし、「心機一転」に動詞や名詞などをつけて、慣用的に使うこともできます。よく使われる5つの表現を例文と共に見ていきましょう。
心機一転する
「心機一転」に「する」をつけることで、動詞として使うこともできます。いくつか例文をご紹介するので、使い方をつかんでいきましょう。
・毎日仕事が夜遅くまで続いて、いったい何のために生きているんだろうと考えていた。このままでは病気になりそうだ。何か【心機一転する】機会が必要だ。
・来月、一緒に旅行に行きませんか? 温泉でも入って、【心機一転する】のはどうでしょうか。
・【心機一転する】のは簡単そうで難しい。新しい学年になって、今度こそ明るいキャラクターで印象づけたいと思うが、やはりどうしてもネガティブないつもの私になってしまう。
心機一転頑張る
「心機一転」に「頑張る」という動詞をつなげることで、今までとはまったく違った気持ちで物事に取り組みたいという意思を表現できます。いくつか例文を見ていきましょう。
・大学進学のために、一人暮らしを始めた。今までの怠惰な性格は脱ぎ捨てて、【心機一転頑張りたい】。
・人事異動で、北海道の営業所に配属された。行ったことがない土地で、【心機一転頑張ろう】と思う。
・新しいプロジェクトが始まった。今回初めてチームリーダーに任命され、緊張している。今までの指示待ち行動は止めて、【心機一転頑張りたい】と考えている。
心機一転して
「気持ちを新たにして」という意味を、「心機一転して」と表現できます。いくつか例文を見ていきましょう。
・こんな気持ちで仕事を続けていても、何もうまくいかないし、負の連鎖が続くと思う。【心機一転して】、今までの気持ちと切り離すことが必要だ。
・40代になったので【心機一転して】、これからは何でも積極的にチャレンジしたい。
・還暦になってからビジネスを立ち上げた田中さんは、毎日生き生きと過ごしている。【心機一転して】いることが傍目にもよくわかる。