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2022.01.18

「呉越同舟」ってどういう意味? 由来、使い方を例文でわかりやすく解説

皆さんは古代中国に由来する「呉越同舟」という四字熟語を知っていますか? 今回は「呉越同舟」の読み方から意味、由来、使い方を例文を混じえて分かりやすく解説していきます!

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「呉越同舟」の読み方や意味とは?

まずは、「呉越同舟」の読み方や意味、由来となった出来事など、基本的なことから学んでいきましょう。

■読み⽅と意味

「呉越同舟」は、古代中国に由来した言葉。日本でも比較的知られている故事成語(故事をもとにしてできた言葉)で、「ごえつどうしゅう」と読みます。「呉越同舟」の意味は、仲の悪い者同士が、同じ目的のために協力しあうという意味で、人同士だけではなく、企業同士や国家同士にも使える言葉です。

「呉越同舟」の「呉越」は、紀元前に中国にあった「呉」と「越」という国の名前です。中国の歴史が好きな人は、「呉越同舟」という言葉を、身近に感じるのではないでしょうか。

■語源・由来

呉越同舟
「呉越同舟」は、なぜ、仲の悪い者同士が同じ目的のために協力しあうという意味を持つのでしょうか。その理由は、中国の春秋戦国時代(春秋時代、戦国時代)にさかのぼります。春秋戦国時代というのは、秦(しん)の始皇帝が中国を統一する少し前の時代。日本では縄文時代から弥生時代にあたります。

「呉越同舟」は、軍事理論書として有名な、『孫子(そんし)』という兵法書の中に見られる話です。その内容は、「敵同士であっても、乗り合わせた舟が嵐に合い、同じ危機に直面すれば、協力することになる」というものです。このことから、「敵対する者同士でも、利害や乗り越えないといけない危機が一致すれば、互いに協力しあうものだ」という意味で使われるようになりました。以下では、この内容をもう少し詳しく、書き下し文を交えて解説します。

■書き下し文

まずは、故事成語「呉越同舟」の語源となった箇所の書き下し文と、それに対応する現代語訳を見ていきましょう。「漢文なんて読んだことはない」と思われるかもしれませんが、実は中学校で習っているはず。英語とは違って、日本語と中国語には「漢字」という共通の文字があります。習った記憶は薄れていても、漢字の意味をたどれば、なんとなく意味がわかるものです。

敢問、兵可使如率然乎(あえて問う、兵は率然のごとくならしむべきか)
現代語訳:あえて問おう、軍隊を率然(常山の蛇)のように動かせることができるか

曰、可(曰く、可なり)
現代語訳:(言うことには)可能だ

夫呉人與越人相惡也 當其同舟而濟、遇風、其相救也、如左右手(それ呉人と越人と相悪むも、その舟を同じくして済り風に遇うに当たりては、その相救うや左右の手のごとし)
現代語訳:そもそも呉の人と越の人は、お互いに憎み合っているが、同じ舟に乗り合わせて大風が吹いたなら、そこでお互いに左右の手のように連携をとり、助け合うであろう

使い⽅を例⽂でチェック

難しい解説が続きましたが、次ではイメージしやすいように、「呉越同舟」を使った例文で確認していきましょう。

1:選挙を戦うための「呉越同舟」

呉越同舟
政治理念が違う政党が、普段は互いの政策の批判や指摘などばかりをしている様子に、うんざりしている有権者も多いかもしれません。しかし、ひとたび選挙となれば、大きな敵(例えば与党)と戦わないといけないので、互いに協力し合うということは、度々見られる現象です。成功するかどうかは別として、このような状況は「呉越同舟」と言えます。

2:苦境に立たされる業界においては、「呉越同舟」で協力しなくてはならない

業界そのもののピンチの中では、同業同士でいがみ合ったり、足の引っ張り合いをすることは命取り。このような場合には、「呉越同舟」で乗り越えなくてはなりません。業界そのものが衰退や消滅してしまえば、元も子もないからです。

3:普段は仲が悪い部長同士も、悪だくみする時だけは、「呉越同舟」で協力しあう

これは、普段は対立している2人も、良からぬことを計画する時だけは、協力しあう状態を表しています。時代劇でよく聞かれる「おぬしも悪よのう…」というセリフが聞こえてきそうな状況です。

「呉越同舟」の類語や⾔い換え表現は?

「呉越同舟」の類語や言い換え表現、よく似た四字熟語についても、チェックしておきましょう。

1:楚越同舟

呉越同舟
越同舟」は、「呉越同舟」の「呉」が「」に置き換わった言葉です。楚も国の名前で、呉と同じように越の国と仲が悪かったことから、「楚越同舟」は「呉越同舟」と同じ意味として使われます。

2:同舟相救う

「同舟相救う」は、「どうしゅうあいすくう」と読み、同じ舟に乗り合わせた者同士は互いに助け合うという意味です。

3:昨日の敵は今日の友

昨日までは敵同士だったのに、事情が一変して今日は味方になっているという意味の言葉です。人の心、人間関係が移ろいやすいものであることを言い表しています。

英語表現は?

「呉越同舟」の英語表現にはどのようなものがあるのでしょうか。「Woes unite enemies」、「Woes unite foes」は、「災いは敵同士を団結させる」という訳となり、「呉越同舟」と同じ意味です。この「woes」は「woe」の複数形で、災難を意味します。また、「enemies」、「foes」は敵という意味で、それぞれ「enemy」、「foe」の複数形です。

中国語表現は?

「呉越同舟」は、もともと中国の『孫子』に由来がある故事成語です。では、中国ではこの「呉越同舟」は、どのように表現されるのでしょうか。

「呉越同舟」は、中国では「吴越同舟」と書きます。日本で「呉越同舟」は、仲の悪い者同士が協力するという意味の他、仲の悪い者同士が居合わせるという意味も。ですが、中国の「吴越同舟」には、仲の悪い者同士が協力するという意味はありますが、仲の悪い者同士が居合わせるという意味はありません。両者には、このような違いがあります。

発音についても少し触れておきましょう。中国語には4つの声調(高くて平らな第1声、上がり調子の第2声、低くおさえる第3声、下がり調子の第4声)があり、この「吴越同舟」を中国語の発音pinyin(ピンイン)を使って表すと、「Wú Yuè tóng zhōu」となります。

まとめ

大きな目的のためには、敵同士であっても、手を携えて困難に立ち向かう「呉越同舟」。社会に出れば、たとえ不本意でも、このような状況に遭遇することがあるかもしれません。厳しい社会では、大人の事情と割り切って、協力して乗り越えることも必要です。

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