感慨多端
「感慨多端」は「かんがいたたん」と読みます。意味は、「心に深く感じることが多いこと」。「多端」とは、「複雑で多岐にわたっていること」という意味の言葉。これに「感慨」を合わせた四字熟語です。「感慨無量」は、「感慨がはかり知れないほど大きいこと」という意味のため、ほとんど同じ言葉といえるでしょう。
例文:新卒から大切に育ててきた部下が昇進することになり、感慨多端だ
万感の思い
「万感の思い」は、「ばんかんのおもい」と読みます。意味は、「さまざまな気持ちが心に広がるようす」。卒業式や結婚式などの感動する場面や、長年の苦労が実を結んだときなどに、よく使われる言葉です。
例文:楽しいことも苦しいこともあった学校を、本日無事に卒業することができて万感の思いです
感慨深い
「感慨深い」は、「より深くしみじみと感じること」という意味の言葉。「心に深く感じ、しみじみとした気持ちになること」という意味の「感慨」を強めた表現といえるでしょう。「感慨無量」の類語として一番シンプルで使いやすい言葉です。
例文:小さかった姪っ子がもう高校生になるとは、感慨深いものがある
対義語にはどのようなものがある?
「感慨無量」は、「心に深く感じ、しみじみとした気持ちになること」という意味ですので、反対の意味は「感動しないこと」「あっさりしていること」などが挙げられます。対義語をいくつか見ていきましょう。
無感動
「無感動(むかんどう)」は、文字通り「感動しないこと」。つまり「心を動かされないこと」という意味です。「感慨無量」は、物事に対しとても感動している状態ですので、対義語といえるでしょう。
冷淡
「冷淡(れいたん)」は、「熱意のないようす」を意味する言葉。関心や興味が薄く、やや冷たい印象を与える人に対しても使われる表現です。
淡白
「淡白(たんぱく)」は、「物事にこだわらず、さっぱりしているようす」という意味。人や仕事、お金などに対して執着がなく、そっけない態度をとる人のことをさす場合もあります。
英語表現とは?
「感慨無量」を英語で言いたい場合には、どのような表現をすればよいのでしょうか。一緒に英語表現を見ていきましょう。
be deeply moved
「感慨無量」の英語表現として、まず挙げられるのは「be deeply moved」です。「move」は、それだけだと「感動させる」という意味になりますが、「be moved」という受動態にすることで、「感動させられた=感動した」という意味になります。これに、「深く」という意味の「deeply」を合わせて、「深く感動した(=感慨無量)」という意味になるのです。
例文:I was deeply moved by this novel.(私はこの小説に深く感動した)
be filled with deep emotion
「be filled with〜」で「〜でいっぱいになる」という意味で、「deep emotion」は「感慨」という意味です。この2つの表現を合わせて、「感動で胸がいっぱいになる」という意味になります。フォーマルな印象を与える表現のため、ビジネスなどのかしこまった場面では、こちらを使うほうがおすすめです。
例文:I was filled with deep emotion when I heard his speech.(彼のスピーチを聞いたとき、感動で胸がいっぱいになった)
最後に
「深く感動して、しみじみすること」をあらわす「感慨無量」。同じ言葉である「感無量」のほうがよく聞く表現ですが、もとの言葉である「感慨無量」を使うようにすると、“語彙力のある人”として、まわりからも一目置かれるかもしれません。
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