②「198円」の表記に隠された2つの思惑
2つ目は、スーパーマーケットや飲食店などでよく見る、「198円」や「299円」などの表記に隠された背景について考えていきましょう。
飲食店にしろ、雑貨屋などにしろ、お店にはそれぞれの商品の値段を示す「値札」が存在します。その値札に書かれている値段は、499円、3980円というような、キリの良い値段にギリギリ数円、数十円届かないものが多いと思いませんか。
「この理由はなぜなのでしょう?」と聞かれた時、「そのほうが、値段が安く感じられるから」と答える人が多いと思います。
これは正解の1つです。確かに、200円と2円しか値段が変わらないとしても、198円と表記することで「100円台の品物である」という印象をお客様側に与えることができます。2万円よりも「1万9800円!」と言ったほうが安く感じるという人もいるはずです。
商品を購入するかどうかを考えるうえで、その値段が安いと思うか、高いかと思うか、という指標はとても大きな影響があります。相手によい印象を与え、より多くの品物を購入してもらえるように店側は値札表記を工夫しているのでしょう。
【目次】
「ポイントカード」のカラクリ
しかし、実はもう1つ意味が隠されています。これは「少し考えすぎでは?」と思う人もいるかもしれませんが、僕は大事な視点だと思っています。それは、最近多くのお店が導入している「ポイントカード」です。
小売店やスーパーマーケットなどのポイントカードは、「100円で1ポイント付与」「200円で1ポイント付与」という形態のものが多いです。そして基本的に、150円であっても180円であっても、「100円で1ポイント」なら1ポイントのみ、「200円で1ポイント」であればポイントがもらえない、というシステムになっています。つまり、「198円」であっても、100円分しかポイントがつかないということなのです。
これに対して、みなさんは「そんなの大したことじゃなくない?」と思う人も多いでしょうが、毎日のように買い物をする人にとっては、1回1ポイントの差は、何カ月、何年も経つと大きな差になります。
ここまで考えてみると、「198円」という表記の見え方がまた変わってくるのではないでしょうか。さまざまな思惑が重なり合い、値段が決められているということです。こうした値段に対する感度が高いと、中学の代数や高校数学のデータの分析などの分野がより違った見え方をしてくるようになります。