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2023.08.21

「育児休暇」は延長できる?「育児休業」との違いから「育休」の延長手続きまで【専門家監修】

 

「育児休暇」ってそもそもどういうものなのでしょうか?また“延長”は可能なの?今回は「育児休暇」が「育児休業」とどう違うのか、延長するにはどんな条件や手続きが必要なのかを合わせて確認していきましょう。

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「育児休暇」とは?

よく「育休」と略して呼ばれていますが、「育休」という場合は一般的に「育児休業」の事を指します。ですから「育休」=「育児休暇」ではないので注意してください。「育児休暇」と「育児休業」の違いを整理しながらみていきましょう。

育児休暇 延長

■「育児休暇」の意味

「育児休暇」とは、育児と仕事の両立支援制度として各企業が設けているものです。期間について明確な定めはありませんが、基本的に子供が小学校に入学する前まで取得可能としている場合が多いです。「育児休暇」については、申請のタイミングや申請書類、延長や給与に関する規定が各会社によって異なります。ですから、取得を考えている方は、ご自身の会社の制度について、まずは確認してみてください。

■「育児休業」との違い

では「育児休暇」と「育児休業」の違いは何でしょうか? 主な違いは期間と法律の適用があるかないかの2つです。

期間

「育児休暇」の取得期間は各企業が定めるもので、一般に子供が小学校入学前まで利用できる制度です。「育児休業」の取得期間は子どもが1歳になるまでが原則で、条件を満たせば最長2歳まで延長が可能です。

法律の適用

「育児休暇」は企業の制度で、法律の適用がありません。育児・介護休業法では「育児目的休暇制度」として設けられていますが、あくまで企業の努力義務です。

一方で「育児休業」は国の定めた制度で、法律の適用があります。育児・介護休業法で定められた労働者の権利であり、会社の規定のあるなしに関わらず、取得できる休業です。

この違いを理解しておくと「育休」と一口に言っても企業の制度なのか国の制度なのかがわかるので、情報の整理もしやすくなりますよ。

「育児休暇」はどうしたら取得できる?

「育児休暇」は企業ごとに制度内容が違うので、取得方法などの詳細はお勤め先の会社に確認しましょう。ここでは国が支援してくれる「育児休業」の取得や延長についてみていきます。

育児休暇 延長

■「育児休業」とは?

「育児休業」は、原則子どもが1歳になるまで取得できる法的に認められたお休みです。これまで「育児休業」が取得できるのは、正社員か一定の条件を満たす有期雇用契約の方だけでした。しかし、2022年4月からは条件が緩和され、有期雇用契約の方でも子どもが1歳6か月になるまでに契約終了にならない場合は、「育児休業」を取得できるようになりました。

さらに2022年10月からは、「育児休業」を分割して取得することも可能になりました。詳細は勤務先の人事担当者などに確認してくださいね。

■「育児休業」の延長はできる?

条件はありますが、「育児休業」の延長はできます。条件によって1歳2か月、1歳6か月、2歳まで延長が可能です。また「育児休業」と同様に育児休業給付金や社会保険料の免除も延長が可能です(※要申請)。

「育児休業」が延長される条件とは?

「育児休業」の延長期間は大きく3つあり、それぞれ条件が異なります。共通する条件として挙げられるのは、「育児休業」終了後に復職見込みがあることです。1歳2か月、1歳6か月、2歳までの延長条件について、それぞれ見ていきましょう。

育児休暇 延長

■1歳2か月までの延長条件(パパ・ママ育休プラス)

・パパママ両方が「育児休業」を取得する場合
・子どもが1歳になる前までにパパあるいはママのどちらかが「育児休業」を取得している場合
・申請者本人の「育児休業」開始予定日が子どもの1歳になる前まで
・パパママ同じ日を「育児休業」開始予定日にはできない

■1歳6か月までの延長条件

・子どもが1歳になる前日に申請本人か配偶者が「育児休業」中
・子どもが保育所に入れないなど、1歳を過ぎても休業が必要と認められた場合

■2歳までの延長条件

・子どもが1歳6か月になる前日に申請本人か配偶者が「育児休業」中
・子どもが保育所に入れないなど、1歳6か月を過ぎても休業が必要と認められた場合

ここで一つ注意したいのは、子どもが1歳になった時に2歳までの延長申請はできない点です。「育児休業」延長の目的は、あくまでも延長しないと子どもを育てられない状況をサポートするためのもの。したがって、認められる理由がないと延長ができないのです。

■「育児休業」の延長が必要と認められる主な理由

細かな規定などがあるので勤務先に確認は必要ですが、「育児休業」の延長が必要と認めてもらえる主な理由は下記になります。

・保育所などの申し込みをしているけど見つからない
・配偶者の死亡、病気やケガ、離婚による別居などで子供を養育することが困難な場合
・子どもがケガや病気で2週間以上の期間、お世話を必要とする場合
・新たな妊娠により6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産予定、または産後8週間経っていない

「育児休業」を延長するための手続きとは?

「育児休業」を延長するためにはどのような手続きが必要でしょうか? 詳しく見ていきましょう。

育児休暇 延長

■「育児休業」延長の申請先

「育児休業」延長を希望する場合はご自身の勤務先に連絡をして、手続きを進めましょう。ハローワークなどへの申請は基本的に勤務先が対応してくれます。この時「育児休業」延長だけでなく、育児休業給付金の延長申請もお忘れなく!

■申請期限

・1歳6か月まで延長する場合:1歳の誕生日の2週間前まで
・2歳まで延長する場合:1歳6か月の誕生日の2週間前まで

■申請に必要な書類は?

基本的に勤務先が準備してくれますが、もし準備できない場合は厚生労働省のサイトからダウンロードできます。

参考:育児休業申出書(厚生労働省) 

その他、必要書類も延長する理由によって異なるので、勤務先に何が必要かをしっかり確認して、準備しましょう。

参考:育児・介護休業法について(厚生労働省)

最後に

「育児休暇」、「育児休業」ともに、育児と仕事の両立を支援してくれる制度です。制度そのもののことや手続きなどでわからないことだったり、不安がある時には、一人で悩まず人事担当者などに聞くといいでしょう。制度をうまく活用しながら、安心して子育てをしたいですね。

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監修

社会保険労務士 小田啓子(おだ・けいこ)

大学卒業後、外食チェーン本部総務部および建設コンサルタント企業の管理部を経て、2022年に「小田社会保険労務士事務所」を開業。現在人事・労務コンサルタントとして企業のサポートをする傍ら、「年金とライフプランの相談」や「ハラスメント研修」などを実施し、 「働く人を支援する社労士」として活動中。趣味は美術鑑賞。
ライター所属:京都メディアライン

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