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LIFESTYLEいつだって自分に"意識高い系"

2018.07.14

創業約160年の歴史。浴衣のお供に奈良団扇はいかが?【奈良団扇vol.1】

持っているだけで浴衣姿をこなれた雰囲気にさせてくれる奈良団扇。美しいデザインの中に愛らしさも感じる奈良団扇は、奈良県指定の伝統的工芸品なんです。そんな奈良で出会った奈良団扇を全2回に分けてお届け。1回目の本日は、日本で唯一作っている池田含香堂の六代目・匡志さんにその魅力をトコトン語っていただきました。

Text:
高橋 聖子
Tags:

日本で一軒しか作っていない貴重な伝統的工芸品

突然ですが、工芸品ってどんなイメージですか?ついつい工芸品って聞くと、渋くて落ち着いた色合いの物をイメージしがちですが、奈良団扇は鮮やかな色合いと華やかな透かし彫りの特徴をあわせもった奈良県指定伝統的工芸品です。そして奈良団扇を作っているお店は現在、日本で一軒のみ!その貴重なお店の名は、創業約160年の歴史をもつ池田含香堂さん。店内に入ってみると壁をはじめ、棚の上には数多くの団扇や扇子が陳列されています。その中でもやはり目を惹くのが、5色の色合いと透かし彫りのデザインでできた奈良団扇。お値段もお手頃なものから、透かし彫りの手の込んだものは5万円と高価なものまで幅広く置いてあります。


▲お店は、奈良市の三条通に面しています。


▲いろんなデザインの奈良団扇がキラリと存在感を放っている店内の中心ブース。

そもそも団扇って扇ぐもの?

「日本に初めて団扇という文化が入ってきたのが、今から1300年ほど前の奈良時代になると言われていますが、その頃は中国から魔除けとして伝わってきました。その後、春日大社の神職である禰宜(ねぎ)が作った禰宜団扇が奈良団扇の始まりとされています。」丈夫で長持ちする禰宜団扇は、一般庶民が使うことはなく位の高い人が使うものだったそうで、悪い邪をうち払う儀式や祭礼で使われていたんだとか。扇ぐものとして一般的に広まったのは、江戸時代終わり頃。

その中でも、奈良団扇は江戸時代が始まるころには確立されていて、扇ぐ団扇として日本でもっとも歴史が長いんだとか。「この奈良団扇は江戸時代の中頃に一度途絶えたんですが、うちの二代目栄三郎が復活させて今に至るんです。色は草木染で茶色にした色と赤、黄、白、水色の計5色。また基本のデザインは2つあり、1つは鹿と奈良の風景、もう1つが正倉院の宝物の文様とどちらも奈良にゆかりのあるデザインが特徴ですが、現在は全く奈良にゆかりがないデザインも作っているんです」と色々教えてくださったのは池田含香道の六代目・池田匡志さん。しかも匡志さんは平成生まれの若き職人さん!


▲こちらが、池田含香堂を継ぐ六代目の池田匡志さん

美しいだけではない、奈良団扇の実用性

「実は、奈良団扇についてもっと知ってほしいのが色や見た目だけではなく、実用性がかなり高いところなんです!よく皆さん勘違いされやすいんですが、本来の団扇って面ではなく、しなりを使って少しの力でより多くの風を起こすものなんですね。プラスチックの団扇は素材も技術(しなり)もないので、重くてかたい。比較して言うなら、プラスチックは10の力で10の風。祭りで配られる竹の団扇は骨が太くて骨数が少ないので、10の力で20の風。そして奈良団扇は、10の力で30の風がくるほど実用性が高いんです。また他と比べて骨数が倍以上あるので、しなりも強くなります。そして骨の細さはプラスチックの半分以下しかないので、しなりも柔らかく風の量と軽さはまったく違うんですよ。どうぞ試してみてください」

そう言われ手渡された奈良団扇を持ってみると、確かに軽い!軽いけど、本当に風の強さなんて他と違うんだろうか?まして、透かし彫りの透けている部分から風がぬけるのでは?と半信半疑で軽く扇いでみると先ほどお話されていた『面ではなく、しなりを使って少しの力でより多くの風を起こす』という言葉が蘇えってきたほど、違いは歴然でした。


▲奈良団扇のよさを知ってほしいという熱き想いが伝わってきます。

毎年、真夏の通勤で会社についた途端、メイクがこれ以上崩れないよう必死に顔を扇いでたあの(プラスチック)団扇はなんだったのかと思ってしまったほど…。

こんなに実用性も兼ね備えているうえに見た目も華やかでどこか愛らしい奈良団扇は、アラフォー世代の浴衣姿を小粋に仕上げてくれることも間違いないですね。

次回は、変わらない技術で継承してきた奈良団扇の繊細な手しごと内容をお届けします!

取材協力:池田含香堂
住所:奈良県奈良市角振町16(三条通り)
電話番号: 0742‐22‐3690
営業時間:9:00~19:00
定休日:無休(※9月~3月は月曜日)
池田含香堂 公式サイト

ライター

高橋聖子

1981年北海道生まれ。ドラマの衣裳コーディネーターやアパレルPRを経て、36歳にしてフリーに転職。現在は、駆け出しライターとカフェ店員のダブルワークに奮闘中。趣味は、日本の古き良き町並みや文化に触れること・カフェ巡り・国内ぶらり旅。

 


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