自由奔放で身勝手すぎる義母にうんざり
42歳の麻里さん（仮名）は、離婚経験ありのバツイチ夫と3年前に再婚。麻里さん自身もバツイチで、夫にも麻里さんにも子どもはいません。子作りを視野に入れての再婚で自然に任せていたものの、恵まれなかったために「夫婦ふたりで楽しく過ごしていこう」と決め、穏やかな毎日を送っていました。
そんな麻里さんの悩みのタネは、義母。自由奔放な性格で身勝手な行動が多く、結婚当初から麻里さんを悩ませているそうです。
「義父が他界していて、義母はひとり暮らし。息子は夫のほかに次男もいますが、義弟は義母との折り合いが悪く、年に1度会うかどうかという感じなので、義母はなにかと私たち夫婦に干渉してきます。本当は私も、夫には義弟のように義母をシャットアウトしてほしいのですが、夫は長男だという責任感から、義母をないがしろにできないようです」
自由奔放で身勝手、と聞くとあっけらかんとしたタイプを思い浮かべがちですが、麻里さんの義母はどちらかというと陰湿なキャラクターで、内にこもるタイプが理由なのか友人も少なく、小さなことにもこだわりが強く、愚痴っぽいそう。普段はテレビを見て1日が終わり、たまに食材を買いにスーパーマーケットに行くような生活なのだとか…。
友人のいない義母のトラブル解決要員
「義母は人付き合いが下手な人なのかもしれませんが、友達が全然いないのも納得って感じで…。思いつきで行動をするから、いろんなところで失敗してくるし、それで困るとこっちに連絡をよこして後始末をさせようとするんです。
先日はテレビで見た化粧品を買ったとかで、買ってみたはいいものの気に入らなかったから返品したいのに、開封しているからダメと言われたからなんとかしろと私に連絡をしてきて。開封後は返品不可ってなっている製品なんだから仕方ないのに『他のメーカーでは、開封したものでも返品できた』と言って騒ぐんです。仕方ないので化粧品代を私が義母に払ってあげて解決したのですが、そんな感じでいちいちトラブルを我が家に持ち込むので、面倒くさくて…」
麻里さんにとって、いきなり降ってかかる義母トラブルは相当なストレスになっていて、その後始末をしている麻里さんを、夫が“見て見ぬふり”なのも気に入らないと言います。
「夫に何度か文句を言ったんですが、同居をしているわけじゃないから別にいいじゃんって言われてしまって。そういう問題じゃないと思うんですけどね。
トラブルそのものはいつも小さなことなんですけど、とにかく頻度が多い。毎月なにかしらのトラブルを持ち込まれているので、義母からの電話が鳴るとドキッとします。夫とはうまくやっていきたいけれど、将来的には義母との同居の話も出ているし、このまま夫と結婚生活を続けていくべきか考えてしまいますね。子どもに恵まれれば違ったかもしれませんが、ウチは子どもがいないので、これからずっと夫と一緒にいても、義母の世話をさせられるだけなんじゃないか…って気がしてしまうのです」
「夫との間に問題があるわけではないから今すぐの離婚は考えていないけれど、義母との同居話が現実味を帯びてきたら、真剣に離婚したくなる気がする」と話す麻里さん。“そのとき”が来ないように、今のうちから夫に毅然とした態度で義母に接してほしいと考えていますが、うまくいかないことに悩んでいます。
「義母を理由に離婚って、そんなに珍しい話じゃないですよね？ 夫と離婚をして恋人同士に戻れたら、それが一番いいのかなって思ってしまうんです。都合のいい話かもしれませんが、籍が入っていなければ、義母とは他人に戻れるじゃないですか。それなら私がもう義母の持ち込むトラブルに巻き込まれなくて済みそうだから…。これってずるいですか？ 離婚できるならすぐに離婚して、夫とは同棲カップルになりたいなって思ってしまいます」
法律的な家族関係は、ときに妻の立場を苦しめます。致命的な出来事があったわけではなくても、小さな問題がじわじわと蓄積され、大きなストレス源になっていることもあるでしょう。昨今は家族の形が多様化しているのも確か。麻里さんのようにまずは法的な夫婦関係を解消して、当人同士だけで完結する関係を模索したいと考えている40代女性も少なくないのかもしれません。
取材・文／並木まき
※個人が特定されないよう、エピソードには一部の脚色を加えています。
