マイホームを購入するとき頭金は必要?
マイホーム購入を考えはじめると、気になるのが頭金や住宅ローンのこと。マイホームを購入するには頭金が必要といわれますが、どのくらいの金額を目安にすればよいのかをみていきましょう。また、それ以外にかかる費用も解説します。
マイホームの頭金は20%以内が目安
マイホームを購入する際の頭金は、一般的に購入価格の2割程度が目安といわれています。住宅ローンを組む際、借り入れ金額は購入価格などの8割程度というケースが多いため、残りの2割が頭金として準備する金額になります。
たとえば、5000万円のマイホームを購入するのであれば、1000万円を頭金として納め、残りの4000万円は住宅ローンを活用するというイメージです。
マイホームを購入するときにかかる他の費用は
マイホームを購入するとき、物件を購入する以外に以下の費用が必要になります。
・事務手数料(融資手数料)
・ローン契約における印紙税
・住宅ローン保証料
・登記費用
住宅ローンを利用する際、金融機関が定めた事務手数料が必要になります。事務手数料は金融機関により異なり、定額のところもあれば、借入金額の何%と定めているところもあります。
諸費用の総額は金融機関や住宅ローン契約内容により異なります。ネット銀行はローン保証料がかからないところもありますので、諸費用の比較もする方がよいでしょう。
ただし、住宅ローンを選ぶときは、諸費用だけでなく金利や契約後にかかる手数料などを含めて検討するようにしてください。
参考:三菱UFJ銀行|住宅ローンの諸費用の目安はいくら?どんな節約方法があるのかも解説します
マイホームを頭金ゼロで購入できる?
頭金を用意せず、頭金ゼロでマイホームを購入するケースもあります。頭金を用意するかどうかは個人の判断になりますが、大きなお金が必要になることですから、メリットやデメリットを知ったうえで選ぶことをおすすめします。
頭金を用意するメリットは
ここからは頭金を用意するメリットについて解説します。
▷住宅ローンの借入額を減らせる
頭金を払うということは、それだけ住宅ローンの借入額を減らせるということです。毎月の返済額を減らせたり、生活環境や家族構成による変化が生じても、対応しやすい返済プランにしたりすることができます。
▷マイホームの総支払額が減る
頭金を払うことで、マイホームの総支払額も減らすことができます。住宅ローンの借入額が減らせるということは、借入額や借入期間も削減できるということ。特に利息は、借入期間が長ければ長いほど高くなる仕組みですから、大幅な節約につながるでしょう。
また、住宅ローンの種類によっては、頭金を入れることで金利引き下げの優遇措置を受けられることがあります。通常よりも低い金利で借入ができるため、結果、マイホームにかかる費用の節約になるということです。
▷家計管理の習慣が根付く
頭金を用意するとなると、しっかりと家計管理をして頭金を捻出していくことになります。毎月一定額をコツコツ貯めていくことで、貯金の習慣が自然と身につくでしょう。
貯金の習慣が根付くと、他の費用の貯金もできるようになり、結果、教育資金や老後費用も無理なく貯めることにつながるかもしれません。
頭金を用意するデメリットは
頭金を用意するデメリットもあります。デメリットも必ず押さえておきましょう。
▷頭金を貯めるには時間がかかる
頭金をしっかりと貯めるには、相応の時間がかかることが多いでしょう。そうなると、その間にいろいろなことが変わってしまうリスクがあります。住宅ローンの金利水準があがる、定年退職までにローンが終わらない場合がある、希望する物件が売れてしまう、もしくは価格が上がってしまうというものです。
特に住宅ローンの金利水準は、上昇する可能性が高くなっています。最近になり、各金融機関が住宅ローン固定金利の引き上げを発表しました。これまでのような超低金利での住宅ローン利用は難しくなるかもしれません。
▷預貯金がなくなってしまう
頭金を準備することで、預貯金が減ってしまうというリスクもあります。そうなると、教育費や老後資金、生活防衛資金にシワ寄せがいくことになり、不測の事態に備えられないということも出てくるでしょう。特に預貯金が少ない場合は、注意が必要です。
頭金ゼロではマイホームを購入できない可能性も
住宅ローンを申込むと、返済プランや年収、年齢などを考慮し、借入可能額が決まります。もし購入したいマイホームが借入可能金額よりも高い場合は、その分の頭金が必要になるでしょう。
また、頭金がゼロの場合、住宅ローンの金利が高くなってしまうというケースも。金利が高くなるとその分利息が増えるため、結果返済総額も高くなってしまいます。そうなると、住宅ローンの審査に通らない可能性も出てくるため、結果的にマイホーム購入が難しくなってしまいます。
参考:三菱UFJ銀行|住宅ローンの頭金はいくら必要なのか?金額の目安と注意点もまとめて解説
マイホームの頭金を決めるときのポイントとは
マイホームの頭金を用意するかどうかや、用意する場合の金額を決めるとき、以下のポイントを意識するようにしましょう。
マイホーム以外の急な出費があっても問題ないかどうか
マイホームの頭金を預貯金で用意する場合、不測の事態に備えられるかどうかを見極めるようにしましょう。たとえば、何らかの理由で働けないことが生じても、ある程度生活できるだけの預貯金は残しておく方が無難です。また、マイホームを購入するにあたり、追加で発生する費用に対応できるかどうかもシミュレーションしておくといいですね。
一方で、頭金ゼロでマイホームを購入する場合は、毎月の返済額にも注意を払いましょう。共働きの場合であれば、何らかの事情で片働きになったり、正社員からアルバイトやパートタイマーになったりしても返済できるかどうかもチェックしてください。
マイホームの頭金を含め、完済できるプランに
住宅ローンを組むと、大きなお金を長期にわたって返済していくことになります。頭金を用意するかどうかも含め、無理のない返済プランになっているかどうか、定年退職までに完済できるかどうかをしっかりと考えなければなりません。
それには、何度もシミュレーションをして、複数の返済プランを比較検討するのがよいでしょう。自分の望むライフプランや今後かかってくる教育費用や老後費用なども視野に入れ、返済プランを選ぶようにしてください。
最後に
マイホーム購入の際、頭金を用意するかどうかは慎重に決める必要があります。頭金を用意するメリットとデメリットを把握したうえで、返済プランを検討し、適正な金額の頭金を準備しましょう。頭金ゼロの場合、マイホーム購入が難しくなるケースもあります。マイホーム購入は大きなお金が動きますので、検討を重ねてしっかりと資金計画をしてきましょう。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
あわせて読みたい