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2023.03.16

贈与で発生する税金はいくらから? 贈与の仕組みや相続との違いを解説

贈与があった場合、税金はいくらからかかるのでしょうか。今回は贈与についての基本的な知識やいくらから税金がかかるのか、相続との違いなどについて解説します。また、教育資金の一括贈与についても知っておきましょう。

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贈与の基本知識

贈与は、日常生活にも関連してくることです。基本的なことを知っておきましょう。

グラフが描かれた紙の上にビルのミニチュアと計算機が置かれたイメージ画像

贈与って何?

贈与とは、無償で財産をもらったり、あげたりすることをいいます。贈与は次の双方が同意してはじめて成立するとされています。

・財産を無償であげる人:贈与者(ぞうよしゃ)
・財産を受け取る人:受贈者(じゅぞうしゃ)

贈与と相続、何が違う?

贈与と相続、ともに財産を無償であげるのは同じですが、法律上ではまったく異なる行為とみなされています。贈与と相続で大きく異なるのは、財産をあげるタイミングです。

贈与の場合、贈与者が生存中に贈与を行いますが、相続は「人が亡くなってから故人の財産を遺族に引き継ぐ」ことを指します。

贈与にかかる税金とは

贈与の際にかかる税金を「贈与税」といいます。ある一定額の贈与があると、課税対象となりますが、いくらから税金(贈与税)がかかるのでしょうか。

書類や付箋、スマートフォン、電卓やクレジットカードなど事務処理のイメージ画像

贈与には税金が発生する

贈与に対して税金がかかるのは、個人からの贈与で財産をもらった場合です。
贈与の税金の課税方法は、次の2つです。

・暦年課税
・相続時精算課税

受贈者は、贈与者ごとに課税方法を選ぶことができますが、相続時精算課税については、一定の要件を満たす必要があります。

この2つの課税方法を順に説明していきます。

暦年課税(れきねんかぜい)

贈与税が課税されるのは、その年の1年間(1月1日から12月31日まで)に一人の人が贈与された財産の合計額から、基礎控除額(110万円)を差し引いた残額です。1年間に贈与された財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからず、贈与税の申告も必要ないとされています。

なお、婚姻期間が20年以上になる夫婦間で、不動産(居住用)などの贈与があった場合は、要件を満たす場合に限り、贈与税の基礎控除額(110万円)以外に、配偶者控除が受けられます。配偶者控除の最高額は2000万円とされています。

相続時精算課税(そうぞくじせいさんかぜい)

一定の要件に該当する場合は、相続時精算課税を選ぶことができます。

相続時精算課税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産価格の合計額から特別控除額(2500万円)を控除した上で残った金額に対して贈与税が課税されるというものです。この制度を利用することで、贈与者が亡くなったときに、贈与税ではなく相続税で精算をすることができます。

一度この相続時精算制度を選ぶと、そのあと同じ贈与者から贈与があったとしても、課税方法を暦年課税に変更することはできません。

対象となる人など】
1:贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の方(父母や祖父母など)
2:受贈者は贈与を受けた年の1月1日において18歳(令和4年3月31日以前の贈与については20歳)以上で、かつ、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人または孫

相続時精算課税を選択する場合、贈与税の期限内申告書の提出が必要になります。それ以外にも、受贈者や贈与者の戸籍謄本または抄本などの書類を添付しなければなりません。

また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合は、その金額を2500万円から控除して残った金額が、その年の特別控除限度額になります。

手続き方法や必要書類については、事前に税務署に確認するようにしましょう。

贈与税の申告の仕方や納税について

贈与税の申告ができるのは以下の期間です。

贈与を受けた年の翌年の2月1日~3月15日

贈与税の納付金額が10万円を超えた場合で、納期限までに納付するのが難しいときは、延納制度を利用できることがあります。5年以内の年賦で納付困難な金額を納めるというものですが、これには利子税が発生し、担保の提供も必要になります。

贈与税の納付が難しいときは、まず管轄の税務署に相談してみましょう。

出典:国税庁 財産をもらったとき

贈与しても税金がかからない財産とは

すべての贈与に税金がかかるわけではありません。税金がかからない贈与についても知っておきましょう。

3世帯の家族のイラスト

贈与税がかからない財産とは

贈与をしても税金がかからない財産で代表的なものは以下の財産です。

・法人からの贈与(贈与税はかからないが、所得税がかかる)
・夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常の日常生活に必要と認められる費用
・個人から受ける香典や花輪代、年末年始の贈答、お祝い事や見舞いなどの金品で、社会通念上相当と認められるものなど

 

なお、詳細は以下の国税庁ホームページから確認できます。

出典:国税庁ホームページ 贈与税がかからない場合

教育資金の一括贈与について

教育資金一括贈与とは、両親や祖父母などの直系尊属である贈与者が、30歳未満の子供や孫など直系卑属の受贈者に対して、最大1500万円(習い事費用などは最大500万円)を一括で贈与した場合、贈与税を非課税にするという特例です。

ベビーカーのミニチュアと電卓が置かれたイメージ画像

つまり、教育資金として、上記金額を一括で前渡ししても、それに対しての税金はかかりませんよ、というもので、正式な名称を「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」といいます。

暦年課税が年間110万円であることを踏まえると、これは大きな非課税枠といえるでしょう。また、この特例が適用されるのは2023年3月31日までとされていましたが、期間が3年延長されることになりました。

この制度を利用するには

この制度を利用したいと思ったら、金融機関(銀行や信託銀行など)と「教育資金管理契約」を結び、子供や孫の名義で専用の教育資金口座を開設しなければなりません。ここに預けた資金のみが、この制度の適用となります。祖父母が孫に現金で教育資金を渡したとしても、この制度は適用されませんので、注意しましょう。

また、子供や孫がこの口座からお金を使うときは、親権者などが教育資金の領収書を金融機関に提出する必要があります。この点は事前によく確認することをおすすめします。

受贈者が30歳になったら、この教育資金管理契約は終了になり、残額に対して贈与税がかかります。例外として、受贈者が通学していたり、教育訓練(教育訓練給付金支給対象に限る)を受けていたりする場合は、申請により最長40歳まで延長することが可能です。

なお、契約期間中に贈与者が亡くなった場合、残額はすべて相続財産として扱われます。ただし、取得したのがいつかで扱いが異なりますので、金融機関などで事前に確認しておきましょう。

参考:三井住友銀行「普通預金(教育資金贈与非課税口)」のご利用に係る留意点 

最後に

贈与を受けるとその金額に対して税金が発生します。ただし、暦年課税の場合は年間110万円までなら非課税になりますので、贈与をする際は、財産をあげる人ともらう人でしっかりと話し合いをし、必要に応じて専門家もしくは税務署に相談するようにしましょう。

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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