注文住宅とは
家を建てるなら、自由に間取りや設備を選べる注文住宅が理想だと思う人もいるでしょう。そうなると、注文住宅の費用相場が気になるところ。どのくらいの費用がかかるのか、事前に知っておくと計画も進めやすくなります。
実は、注文住宅にはさまざまなタイプのものがあります。まずはどのような注文住宅があるのか、チェックしましょう。
注文住宅にはセミオーダータイプもある
注文住宅の中には、あらかじめ決められたパターンの中から、設備や間取りを自分たちで選ぶ「セミオーダータイプ」もあります。全ての注文住宅がすべてを1から選べるわけではありませんので、その点は注意しましょう。
注文住宅をどこまで自分たちで決められるかは、依頼する建築会社により異なります。ハウスメーカーや工務店に依頼するとセミオーダータイプが多くなりますが、設計事務所に依頼する場合は、1から自由に決められるケースが多いようです。
注文住宅に土地はついている?
注文住宅には、土地付きのものと、土地を自分で用意するものとがあります。
土地付き注文住宅の場合は、施工期間や建築会社が決められている土地を購入しますので、建築会社を自分で選ぶことはできません。一方の土地なし注文住宅は、別途自分で土地を用意した後に、住宅の建築依頼をします。
この場合、土地付きと土地なしでは費用は大きく異なることを念頭に置いておきましょう。
建売住宅との違い
建売住宅とは、土地とセットになっている竣工済みの新築一戸建てを指します。この場合はすでに家が完成していることも多く、まだ家が完成していない場合でも、仕様や設計の変更はできないことがほとんどです。
注文住宅の費用、相場について
注文住宅を建てる場合の費用相場を、チェックしていきましょう。
注文住宅の費用、地域別の相場は
住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」によると、地域別の注文住宅費用相場は次の通りです。
<土地付き注文住宅の相場>
全国平均:4,455万円
首都圏:5,133万円
近畿圏:4,658万円
東海圏:4,379万円
その他の地域:3,980万円
<土地なし注文住宅の相場>
全国平均:3,572万円
首都圏:3,899万円
近畿圏:3,778万円
東海圏:3,650万円
その他の地域:3,372万円
いずれの注文住宅も、全国平均の相場に比べて、首都圏や近畿圏の相場は高めになります。費用相場を参考にしながら、土地や住宅探しをしていきましょう。
出典:住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」
注文住宅、かかる費用の内訳は?
注文住宅にかかる費用はどのような内訳になるのかもチェックしておきましょう。注文住宅の内訳は、土地と建物、諸費用で構成されています。
土地代
既に土地がある人以外は、土地を購入しなければなりません。土地費用は立地や面積、形状などにより異なります。土地付き・土地なしに関わらず、土地はお金がかかりますので、土地選びは慎重に行いましょう。
土地代を抑えたい場合は、エリアや面積、形状などから見直しをしていきます。自分が何を優先させたいか、譲歩できるのは何かを考えながら、現地に足を運んで確かめましょう。
建物代
建て物を建築するためにかかる費用のことで、本体の工事費以外に付帯工事費も含みます。
本体工事費
仮設工事・基礎工事・木工事・内外装工事・設備工事など。土地代を除いた注文住宅費用の7割を占有。
付帯工事
地盤調査費、地盤改良費、電気設備工事費、ガス管や水道管の引き込み工事、外構工事など。
建物代を抑えたい場合は、部屋数や窓数を減らしたり、延べ床面積の縮小を検討したりするとよいでしょう。また、床暖房などのオプションについては、メンテナンス費用も視野に入れて設置を検討してください。
諸費用
諸費用とは、住宅取得にかかる次の費用のことをいいます。
印紙代、登録免許税、不動産取得税、固定資産税・都市計画税、仲介手数料、司法書士報酬、火災保険や地震保険、団体信用生命保険にかかる費用など。
保険については、保険会社やプランにより保険料が変わりますので、複数の保険会社で見積もりを出し、比較検討するとよいですね。また、司法書士報酬は、依頼する司法書士により料金が変わります。
注文住宅を購入する際にしておきたいこととは
注文住宅を購入する前に、次のことについて話し合っておきましょう。
注文住宅のイメージを明確にし、優先順位をつける
まずはどんな注文住宅を建てたいか、どのような生活をしたいかのイメージを家族と共有しながら考えていきます。間取りや部屋数だけでなく、住む環境や大切にしたいことなどを具体的に検討を。住宅関連雑誌や実際に建築された家などを見ながらだと、スムーズに話ができるかもしれません。
注文住宅のイメージづくりで明確にしておきたい項目は次の4つです。
1:住環境
暮らしていきたい地域、立地条件などを話しましょう。通勤や通学時間を視野に入れ、駅までかかる時間なども考慮したいところです。
2:建物
間取りや部屋数、インテリアのイメージなどを話しましょう。リビングや水場はどこに設けるか、ベランダはどうするかなども家族間でイメージを共有するといいですね。各自のこだわりたい部分もこのときに話しておきましょう。
3:将来のこと
家は長期に渡り、暮らしを支えてくれるものです。築年数が古くなったときのことも考えておきましょう。家族構成に変化があったときにどうするか、リフォームや建て替えのこともイメージするとよいですね。
注文住宅の相場を見ながら、堅実な資金計画を
建てたい注文住宅のイメージができたら、資金計画についてもしっかりと話し合ってください。住宅ローンを利用する場合、返済は長期に渡ります。また、ローンの返済以外にも固定資産税や引っ越し費用などが発生しますので、堅実な資金計画が必要です。
また、引っ越し後に家電や家具をどうするか、家族がいれば教育費や老後費用についても視野に入れる必要があります。注文住宅の費用相場を参考に土地や建物を選びましょう。
資金計画を立てる場合は、自己資金をどれくらい出せるか、身内からどれくらい援助してもらえそうかについて具体的な金額を出し、注文住宅の購入金額を決めていきます。このとき、手元の貯金がゼロになるのは可能な限り避けましょう。緊急事態が生じた際に備えることができなくなるからです。
資金計画ができ上がったら、本当に無理のない内容かどうかをしっかりと確認してください。
最後に
注文住宅の全国平均相場は、土地付きの場合で4,455万円、土地なしの場合で3,572万円です。全国平均相場よりも高めなのが、首都圏や近畿圏。注文住宅にはセミオーダータイプのものもあり、その場合は設備や間取りを決められたパターンの中から選ぶことができます。住宅は、長きに渡り住む人を支えてくれるものです。費用面も含めて家族としっかり話し合い、納得のいくものにしましょう。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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