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【目次】
システムキッチンとは?
システムキッチンというと「外国製のキッチン」というイメージが昔はありましたが、実は和製英語。英語では「built-in kitchen」と言い、日本語でキッチンは「台所」や「流し台」といった言葉で表現されます。
一般的に一枚板の天板(ワークトップ)ですべての設備や収納庫が組み合わさったものをシステムキッチンと呼ぶようになりました。反対に、天板が一枚につながっていないキッチンのことを「セクショナル(セパレート)キッチン」と呼びます。馴染みのある呼び方は「流し台」です。
システムキッチンは天板が一枚板で隙間がないため、収納庫と収納庫の間に水が侵入したり、小さな食材や埃やゴミなどが入り込んだりすることがありません。そのため、掃除も簡単で衛生的です。加えて、天板や収納庫の材質が従来の流し台と呼ばれたキッチンに比べると耐久性も上がっています。
さらに、キッチンとしての「機能性」と「デザイン性」の高さも大きな特徴。作業台の下にオーブンレンジや食器洗浄機を設置できたり、シンクに内蔵型の浄水器を設置することもできます。また、ガスコンロをIHクッキングヒーターに変更したりと使い勝手に合わせて機能を選択することが可能です。
インテリアに合わせた色やデザインで統一することもできるので、オープンなキッチンでも違和感なくコーディネートすることができます。使い勝手や雰囲気の良いキッチン空間だと調理作業も楽しく快適にこなせるでしょう。
ただし、既に備え付けのシステムキッチンの場合は、コンロの種類や食器洗浄機あり・なしといった選択肢しかなかったり、賃貸用の物件などでは、次の入居者のためにコンロだけ新しく取り換えたりすることもあるため、コンロを最初から設置していないケースもあるようです。
ミニシステムキッチンとは?
「ミニシステムキッチン」には、明確な定義はありませんが、賃貸アパートやワンルームマンションなどに設置されているコンパクトで最小限の機能のキッチンのことを呼ぶことが多いです。
システムキッチンのサイズはどれくらい?
システムキッチンのサイズは、一般的には「奥行60~65cm/間口(横幅)180~300cm」です。これより小さいサイズの場合「間口(横幅)90~180cm」となり「ミニシステムキッチン」または「コンパクトキッチン」と呼ばれます。特に賃貸物件で単身者用の場合、コンロ・シンクが付いて間口900サイズ(90cm)、1200サイズ(120cm)、1500サイズ(150cm)が一般的です。
3人以上の家族構成の方や効率よく快適に調理作業を行いたい方は、最低でも間口180cm以上、標準的には240~255cmをおすすめします。シンク・コンロ・作業台それぞれのスペースをきちんと確保できますし、そのスペースに余裕があるため、内蔵型の浄水器やビルトイン型や据え置き型の食器洗浄機を設置することもできるからです。
システムキッチンの価格は、どれくらいかかる?
システムキッチンの価格は、まずキッチンの形によって変わってきます。I型、L型、対面式、ペニンシュラ型、アイランド型と様々ですが、I型キッチンが最も費用を安く抑えられます。間口サイズにもよりますが、収納庫の数が少なめであったり、ワークトップ(天板)が直線で現場で接続する必要もないため、工事費なども抑えられます。
反面、L型キッチンや対面式などになると、収納庫の数が多めであったり、ワークトップ(天板)を現場で接続してL字にするなど工事時間も増えるため工事費も高くなりがちです。また、機能的にも充実したい場合は、オプションとして選べるものも多くあります。
例えば、ビルトイン食器洗浄機を付けたり、ガスコンロをIHクッキングヒーターに変更したりするとその分価格アップすることに。一般的な相場としては、70~100万円ぐらい(工事費込み)ですが、高級グレードのキッチンだと200万円以上かかるといった費用感です。
新築一戸建やマンションの場合、一般的に標準仕様としては70万円あたりのものが設定されていたりします。一方リフォームなどの場合、キッチン本体に予算を取って高級グレードのものを選ぶ方もいます。
システムキッチンにリフォームした場合、費用はどれくらいかかる?
システムキッチンの交換のみの場合、本体+工事費で70~100万円前後が相場。水栓をレバータイプにしたり、収納庫を開き扉から引き出しタイプにするだけでも使い勝手はよくなるので、予算内で機能を選ぶ時にはチェックしてみてください。
キッチン周りを含めリフォームしたい場合、システムキッチン本体の価格以外に交換に伴う費用がかかってきます。例えば、キッチンのある部屋がLDKでつながっている場合などは、壁のクロスや床の張り替えもどのあたりまで行うかによって費用も変わってくるのです。
また、キッチンの設置場所を変える場合は、水道・ガス・換気扇の位置なども変わるため、その工事費用も別途発生することになります。大まかな目安として、それぞれ20〜30万円程度費用がかかると見ておくとよいでしょう。
さらに、デザインや使い勝手にもこだわりたい場合は、キッチンの形を対面式にしたり、部屋の内装とのコーディネートを考えたりすることで、LDK全体のリフォームも必要になってきます。その場合は内容にもよりますが、150〜300万円前後費用がかかるので、きちんとした業者を選び、見積り内容など事前に確認を行うようにしましょう。
システムキッチンとカウンターキッチンの違いは?
システムキッチンは、冒頭で紹介したようにキッチン全体のことを表します。その中の種類として「カウンターキッチン」と呼ばれるものがあります。これは対面式のキッチンで、キッチンのダイニング側にカウンターが設置されているものです。そのカウンターで料理の配膳・受け渡しや椅子を置いて軽食を取ったりすることができるため、使い勝手が良く人気があります。
最後に
システムキッチンという言葉が広まってきたのは80年代後半からで、今ではキッチンといえばシステムキッチンのことを表すように。今回は、改めてその意味とサイズや価格、リフォーム費用について紹介しました。
自宅のキッチンがシステムキッチンかどうか一度確認してみたり、メーカーのショールームなどで最新のシステムキッチンを見学してみてはいかがでしょうか。
監修
藤井円工(ふじい・かずのり)
某大手電機メーカーにてシステムキッチンの商品企画開発に20年従事。
趣味は流行りの“ソロキャンプ”。最近では『商品企画が上手い人 提案が通らない人』と題した電子書籍を出版2021年ビジネスプロジェクト管理部門1位獲得。
2級建築士有資格。
ライター所属:京都メディアライン
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