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2023.01.21

「キャッシュ・フロー」とは?家計管理に活用し、将来を見据える方法【ファイナンシャルプランナー監修】

キャッシュ・フローとは「お金の流れ」のことを指します。ビジネスの場では、お金の動きを把握する際にこのキャッシュ・フローを用いるのですが、家計管理にも活用することができます。今回はその方法を解説します。

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キャッシュ・フローを家計管理に取り入れよう

キャッシュ・フローは、1年間に入ってくるお金(収入)と、出ていくお金(支出)のことを指す言葉です。企業ではキャッシュ・フローにより業績の状況を把握し、経営に活用していくのですが、家計管理にもキャッシュ・フローを取り入れることができます。

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見えないお金の流れをキャッシュ・フローで把握

キャッシュ・フローの概念は「収入支出=収支」です。

収入の方が多ければ黒字とみなし、お金の状態は良好ですが、支出が多くて収支がマイナスだとしたら、何らかの改善が必要ということになります。このキャッシュ・フローを基に、支出を抑える対策を検討したり、収入をどのようにしてアップするかを考えたりするわけですが、家計を管理するなら、今だけでなく将来的な家計の状況も考えたいところ。

そこで活用できるのが、キャッシュ・フローを基にした「キャッシュフロー表」です。ここからはキャッシュフロー表について解説していきましょう。

キャッシュフロー表とは

キャッシュフロー表とは、現在のキャッシュ・フローを基に、将来の家計状況を把握するためのツールです。家族のライフイベントや収支、貯蓄残高などを年ごとに記入し、現在から将来に渡るお金の流れを可視化して一覧にしたものを指します。

キャッシュフロー表を用いることで、以下のことが把握できます。

・どのようなタイミングでいくらくらいの支出が発生するのか
・10年後や20年後の貯蓄残高の推移
・夢や目標の実現が可能かどうか
・現在の家計における課題と改善点
・将来どのくらいのお金が必要になるか

キャッシュフロー表の作成により、自分がどのようなライフスタイルを望んでいるかが明確になり、将来を見据えた家計管理ができるようになります。また、お金の流れを可視化することで課題も見つけやすくなりますので、具体的な改善策を早い段階で検討することができるのもメリットでしょう。

キャッシュフロー表の作り方

キャッシュフロー表の作り方についても見てみましょう。

積み重ねられたコインと一軒家のオブジェ

キャッシュフロー表に記載する必要情報は次の通りです。
家族構成と年齢/ライフイベント/収入額/支出額/貯蓄残高 など

家族それぞれの年齢を記入

キャッシュフロー表には、家族全員の年齢を1年ごとに記入します。家族の名前で表記してもいいですが、「父」「母」「長子」のように続柄でもOK。年齢は、12月時の満年齢を記入しましょう。

ライフイベントを記入

家族の年齢が記入出来たら、次はライフイベントです。主に大きな支出が予想されることを書き出していきましょう。そうすることで、早い段階から支出に備えることができます。

ライフイベントには次のようなものがあります。

出産/子供の入学・卒業/子供の結婚/子供の出産/住宅購入時期/転居の時期/住宅リフォーム/自動車購入/旅行などの家族イベント など

一覧にすることで、大きな支出が重複しそうな時期がわかったり、貯蓄に向く時期が明確になったりします。それにより、家計の資金管理がしやすくなるのです。

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収入と支出、貯蓄額を記入

次に、収入欄を記入していきましょう。収入を得ている人の手取り額(総収入から税金や社会保険料を差し引いた金額)を記入します。昇給や昇進が見込まれる場合は、その金額を記しましょう。育休や介護休暇などの期間については、減額を想定して記入してください。また親をはじめとする家族からの資金援助の予定があれば、それも記入しておきましょう。

支出欄は、住居費や生活費、教育費などの項目ごとに変動を予想しながら記入していきましょう。一時的な支出については、ライフプランを参考にするといいですね。生活費は、年間支出額を記入します。家計簿から算出した金額を転記しましょう。家計簿をつけていない場合は、より楽に家計管理をするためにも、数か月家計簿をつけてから算出することをおすすめします。

貯蓄額については、その年の年末時点の残高合計額を記入します。2年目以降は、前年の貯蓄残高と、その年の年間支出を合算して数字を算出してください。投資信託など元本変動のリスクがある金融商品については、12月末時点で時価を確認し、あとから修正するようにしましょう。

1年分が完成したら、翌年度以降の分も記入していきます。

キャッシュフロー表で資金計画をチェック

キャッシュフロー表が完成したら、以下のことを確認してみましょう。

・重複するライフイベントの有無
・住宅や教育の費用は足りるか
・貯蓄がマイナスになることはないか

もしライフイベントが重複するなら、重複しないよう延期を検討するのも一つの方法。住宅や教育は大きなお金が動くため、親や親類から資金援助してもらうことを視野に入れ考えるのも。貯蓄がマイナスになりそうな時期があれば、前もって収入を増やす、生活費を抑えるなどして対策するようにしましょう。

キャッシュフロー表を簡単に作るには

キャッシュフロー表を個人で作成するとなると、大変な労力がかかると感じる人もいるかもしれません。その場合は、以下のようなツールを使うと簡単に作成できます。

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日本FP協会の便利ツールを使う

日本FP協会では、家計管理のためのさまざまな便利ツールを無料で提供しています。その中にキャッシュフロー表もありますので、ぜひチェックしてみてください。

日本FP協会:「便利ツールで家計をチェック」

金融庁のライフプランシミュレーションを試す

金融庁では、ライフプランシミュレーションとして、12の質問に答えるだけで将来の家計診断ができるツールを提供しています。日本FP協会の「ライフプラン診断」を参考に作成されていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

金融庁:ライフプランシミュレーション

キャッシュフロー表は定期的に見直しを

家計は景気や情勢、環境の影響を受けやすいため、その分、変動もしやすくなります。家計の状況が変わったら、キャッシュフロー表も見直すようにしましょう。そうすることで、想定外のことにも対応しやすくなります。定期的にキャッシュフローを見直しながら、家族で話し合って家計管理をするようにしましょう。

最後に

キャッシュ・フローとは「お金の流れ」のことを指しますが、これを家計管理に活用しているのがキャッシュフロー表です。個人作成が難しいと感じたら、日本FP協会や金融庁が提供するツールを使ってみましょう。自分と家族が安心して暮らしていけるよう、キャッシュフローは定期的に見直すことをおすすめします。

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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