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2023.01.19

今さら聞けない「利息」とは? 利息の基本知識から利子や金利との違い、仕組みについて

 

利息とは、お金の貸し借りをする際に、元金や期間に応じて発生するお金のことを指します。今回は、利息の基本知識や金利との違い、預金をすると利息がつく仕組みについて解説。ぜひ家計管理の参考にしてください。

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利息について知ろう

利息について、まずは基本的なことから見ていきましょう。

コインを運ぶ人、ノートパソコンを見ながらながら指示する人のイラスト

利息とは

銀行にお金を預けると、その元金や期間に応じてお金を上乗せして返してくれます。この上乗せされた分を利息といいます。また、お金を借りたら、借りた金額よりも上乗せしてお金を返済しますが、この上乗せされた分も利息といいます。

お金を預けたときと借りたとき、どちらでも使われる利息という言葉ですが、「利子」とも呼ばれます。一般的には、借りる側が借りた額に追加で支払うお金のことを「利子」、貸す側が貸した額に追加で受け取るお金のことを「利息」と使い分けされています。

利息(利子)は、金利や元金、貸借の期間によって変わる点に注意が必要です。

利息と金利と利回り、何が違う?

利息(利子)と金利、利回りは何が異なるのでしょうか。前述したように、利息には2つの意味がありますが、今回は金融機関にお金を預けたときに発生する利息について解説します。

金利は、「お金を借りた人が、貸し手に対して追加で支払うお金の割合」を指す言葉。お金の貸借により発生する利息の計算レートのことを指し、利率とも呼ばれます。一般的には、一年あたりの利率を「年利」と呼び「%」で表示されています。

利回りは金利と似ていますが、同じものではありません。利回りは、お金がどれだけ増えたのかを示すもので、投資金額に対する一定期間あたりの運用収益割合のことをいいます。利回りと表する際は、1年間の利回りを指すことがほとんどです。

具体的な例で解説

・利息と金利
100万円をある銀行の定期預金に1年間預けるとします。そのときの金利が0.3%でした。利息は「元金×金利×借入期間」で算出するため、この場合だと、100万円×0.3%×1年=3000円となり、この3000円が利息ということになります。

・利回り
ある銀行で1万円分の投資信託を購入し、4年後に1万2000円で売却したとします。この間の分配金が2000円だった場合、譲渡益(2000円)+分配金(2000円)=利益は4000円となります。

利回りは「利益全体÷保有年数÷購入額×100」で算出するため、4000円÷4年÷1万円×100=10%となり、このケースの利回りは10%ということになります。

参考:三菱UFJ銀行【知っ得用語】利息と利回り

預金するとなぜ利息がつく?

銀行にお金を預けたら利息が上乗せされますが、この仕組みについて紹介します。

パーセント、上向き矢印の立体的なイメージ

預貯金の利息計算とは

銀行は、顧客から預かったお金をそのままにしておくのではなく、融資(企業などにお金を貸すこと)や国債(国が発行する債券)などに預けて運用することで収益を得ています。得た運用収益の一部が、利息として顧客に支払われるというわけです。

金利の種類について

元金に対してどれくらいの利息がつくかは、金利の種類と利率によって異なります。金利の種類についても見ておきましょう。

・単利
元のお金に対してつけられる利子・利息のこと

・複利
得た利息を元金に加えて一定期間ごとに運用していく。金利が同じ場合、利回りは単利よりも高くなる。複利には、1か月複利、1年複利、半年複利などがある

・固定金利
預入時の金利が満期まで継続するもの。様々な預入期間がある。金利の変更がないので、預入の段階で利息がわかる

・変動金利
一定期間ごとに金利を見直すタイプのもの。金利は景気による影響を受けるので、景気が良くなれば上昇し、景気が悪くなれば金利は下がる。預入の段階で、利息がわかることはない

それぞれメリット・デメリットがありますが、これらは経済状況によって異なります。どの商品を選んだらよいかは、金融機関や専門家に相談するのがよいでしょう。

参考:一般社団法人 全国銀行協会 知ってナットク「複利の魅力」

利息は課税されない?

預貯金に預けて発生する利息に、税金はかからないのでしょうか。

スマートフォンでの支払いと節約。インターネットバンキングのイメージ

預貯金には源泉分離課税がかかる

預貯金で発生した利息には、源泉分離課税がかかります。しかし、銀行側が利息を支払う際にあらかじめ徴収していますので、そこで納税は完了しています。改めて税務署に申告する必要はありません。

預金の税率は定められており、内訳は以下の通りです。

<預貯金の源泉分離課税:内訳>
一律20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%)

※復興特別所得税:平成25年1月1日から平成49年(令和19年)12月31日まで、所得税額に2.1%が課税され徴収

利息はそのまま受け取れない

前述したように、受け取る利息は源泉分離課税の対象。したがって、利息から源泉徴収された分が実際に受け取る金額です。

たとえば利息が3000円だった場合、それに対して609円(3000円×20.315%)が課税されるため、実際に受け取る利息は2391円ということになります。

利息が非課税になる商品とは

利息が非課税になる商品もあります。

・財形住宅貯蓄
・財形年金貯蓄
・マル優
・特別マル優
・納税準備預金

いずれも一定の条件を満たすことで、非課税扱いになります。

マル優・特別マル優とは、障害者手帳の交付を受けている人や遺族年金受給者など、一定の条件を満たした人が利用できる制度です。預貯金の元本350万円までの利息が非課税扱いとなりますが、商品によってはマル優を利用できないものもあります。

参考:一般社団法人 全国銀行協会 障がい者や遺族年金受給者などの非課税貯蓄「マル優・特別マル優」 

ピンクの豚の貯金箱、その前に置かれるドル袋とコイン

今の日本は低金利で利息が少ない

低金利とは、金利が低い状況のことを指します。これはお金を預ける場合と借りる場合で影響が異なります。

お金を預ける場合

金融機関の商品にお金を預けて増やそうとしたときに低金利だった場合、利息として受け取れるお金は少額になります。例えば金利が0.0020%だった場合、100万円を1年間預けても、税引き後の利息は16円です。金利が低いと、利息を増やすのはかなり難しくなります。

お金を借りる場合

低金利であることが顧客のメリットになるのが、お金を借りる場合です。金利が低ければ、利息を低くおさえることができるため、借り手には有利と考えられます。

その代表的な商品が、住宅ローンです。住宅ローンの金利が年率1%違うと、同じ金額を借り入れていたとしても、毎月の返済額が1万円以上変わることがあります。たいていの場合、住宅ローンは10~30年間利用しますので、総返済額が数百万円近く異なることもめずらしくありません。

お金を預ける場合も、お金を借りる場合も、自己判断せずにまずは金融機関や専門家に相談し、家計管理や資産形成を有利に進めるようにしましょう。

最後に

お金の貸借や、お金を預け入れたときに上乗せされるのが利息です。利息は金利や元金、貸借の期間によって変わります。金利や利回りとの違いを知り、資産形成や家計管理に上手く活用してくださいね。

益田瑛己子

ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン

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