「不測の事態」の基礎知識
「不測の事態」の読み方は〈ふそくのじたい〉で、「思いがけない事態」「予測できない物事の状態」を指して使う言葉です。不測の事態は、日常生活だけではなくビジネスシーンでも使われています。
はじめに、不測の事態という表現の詳しい意味や使い方・例文、言い換え・類語表現について、それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
■不測の事態の意味とは?
【ふ‐そく<不測>】
予測できないこと。思いがけないこと。「―の事態」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
不測の事態とは、思いがけないものごとの状態のことです。予想もしていないようなことが起こったときに使います。
「測」は「推し測る」を意味していて、そこに打ち消しの「不」がついているため、「不測」とは「思いがけないこと」を指します。さらに、「事態」とは「ものごとの状態」を指す言葉であり、あわせることで「思いがけないものごとの状態」を意味しているのです。
不測の事態は、思いがけない良いできごとには使いません。良い意味ではなく、「思いがけないアクシデントがあったとき」など、悪い意味の言葉として使います。
■不測の事態の使い方・例文
不測の事態の使い方は、なんらかのアクシデントが起こってから使う場合と、アクシデントが起こる前に注意をうながしたくて使う場合の2つです。事前に使う場合の意図は、思いがけないアクシデントはなくならないものの、予想できない状態に備える対応方法を考えておけるよう、できる限りの注意喚起をするために使います。話し言葉としても書き言葉としても使う言葉です。
不測の事態を使った例文は、以下のとおりです。
・不測の事態が生じても対応できるように、マニュアルを制作しておきましょう。
・不測の事態が起こってしまいました。システムの一部が停止し、復旧に時間がかかっています。
■不測の事態の言い換え・類語表現
不測の事態は、思いがけなかったトラブルなどを意図する言葉です。不測の事態の言い換えができる類語表現は、以下などがあります。
・想定外の事態
・未曾有の出来事
また、「非常事態」「由々しき事態」「憂慮すべき事態」「予期せぬ出来事」なども、不測の事態の類語表現です。ただし、表現によっては不測の事態と違って「ネガティブなできごと」という意味のない言葉もあります。言い換えをする際は、ニュアンスの違いにも気をつけて使いましょう。
それでは、類語表現についてさらに詳しい意味を解説します。
想定外の事態
「想定外の事態」は、事前に予想できなかったものごとの状態という意味です。そのため、不測の事態と似たような意味であるといえます。
ただし、不測の事態よりも少々カジュアルな言い方です。カジュアルさを出したくない場合には不測の事態を使い、同僚と話すときなどカジュアルさを出しても良い場合には想定外の事態を使うなど、使うシーンにあわせると良いでしょう。
未曾有の出来事
「未曾有の出来事」とは、「前例のない出来事」を指す言葉です。また、「青天の霹靂(へきれき)」も同じような意味があります。ただしこれらの言葉には、不測の事態とは違って「ネガティブなできごとが起こる」という意味がありません。
考えていなかったことが起こった場合に、「突拍子もない出来事」という言い方もできます。驚きや混乱を表す言葉であるものの、こちらも「ネガティブなできごと」を指す意味がないこと、さらに目上の人にはあまり使わない言葉であることに注意が必要です。
不測の事態に備える方法や対処法
続いて、不測の事態に備えておく方法や、不測の事態に陥ってしまった場合の対処法をチェックしておきましょう。
不測の事態に備える方法は、以下のとおりです。
・さまざまなトラブルを想定しておく
・不測の事態を想定したプランを制作する
・日頃の信頼関係を築いておく
また、不測の事態に陥ってしまった場合には、以下のように対処します。
・まずは落ち着くこと
・どのような状態か、関係者と情報を共有する
それぞれ確認しておきましょう。