「4C」とは?使用シーンに応じた意味
「4C」とは、使用するシーンに応じてさまざまな意味を持つ言葉です。大きく分けると、以下のように使用シーンごとの意味があります。
・企業のマーケティング活動や仕事における4C
・印刷や色に関する4C
・教育における4C
・ダイヤモンドの4C
はじめに、使用シーンに応じた4Cが指す意味の違いについて、詳しくチェックしておきましょう。
■マーケティングや仕事における4Cとは?
マーケティングなどのビジネスシーンで用いられる場合の4Cとは、顧客が商品を選び購入するまでに影響の大きい4つの要素のことです。マーケティングの場合の4Cは、以下の4つの要素から頭文字のCを取っています。
・顧客価値(Customer Value)
・顧客のコスト(Cost)
・顧客にとっての利便性(Convenience)
・顧客とのコミュニケーション(Communication)
古典的でありながらも、マーケティングの考え方として今でも重要視されています。マーケティングに携わっている人は、この4Cを聞いたことがあるケースが多いでしょう。マーケティングにおける4Cの詳細は、また後述します。
■印刷や色に関する4Cとは?
印刷や色に関する4Cとは、印刷物で使用するインクの数を指す言葉です。つまり、4Cであれば4つの色のインクを使ってフルカラーで印刷します。また、1Cであれば1色のみのインクを使う印刷方法です。
印刷や色に関する4Cでは、4色のフルカラーとはシアン(C)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・ブラック(K)のことを指します。1Cの場合はCMYKインクのうちのどれか1種類を使って印刷することであるものの、企業によってはモノクロ印刷を指す場合もあるため、状況による意味の違いに注意が必要です。
■教育における4Cとは?
教育における4Cは、今後子どもたちが社会で活躍するために必要となる教育指針を指します。この場合の4Cとは、以下の4つの単語から頭文字を取った言葉です。
・コミュニケーション(Communication)……人との意思疎通
・コラボレーション(Collaboration)……協力しあうこと
・クリティカルシンキング(Critical Thinking)……あらゆる問題を自分の力で分析・解決できる
・クリエイティビティ(Creativity)……創造力を発揮する
アメリカの教育省やアップル、マイクロソフトなどによって提唱された教育指針であり、将来的に個としての価値を発揮できるようにする考え方です。
■ダイヤモンドの4Cとは?
4Cには、ダイヤモンドに対して使う言葉もあります。ダイヤモンドに関して用いる4Cとは、ダイヤモンドの品質や価値を決定する際に重要視される品質評価国際基準のことです。ダイヤモンドを選ぶ際に重要視される、以下の4つの要素を指しています。
・カラット(Carat)……重さ
・カット(Cut)……輝き
・カラー(Color)……色
・クラリティ(Clarity)……透明度
これらの要素は、世界中でダイヤモンドの基準として用いられています。ダイヤモンドに関する4Cの要素のなかでも見た目の違いがわかりやすい基準が、重さに関する「カラット(Carat)」の要素です。
なお、1.0ct(カラット)=0.200g、6.5mmだと定義されています。
マーケティングにおける4Cをさらに解説
使うシーンに応じて異なる4Cのうち、マーケティングにおいて用いられるケースについてさらに詳しく確認していきましょう。
マーケティングにおいて、顧客側の目線である4Cをしっかりと考えて分析する手法を「4C分析」と呼びます。この場合の4Cとは、先述のとおり顧客価値・顧客にとってのコスト・顧客にとっての利便性・顧客とのコミュニケーションの4つの要素からなる言葉です。
多様化するニーズに対応し、ビジネス成長を目指すためには、4Cは企業のマーケティング戦略の立案における重要な要素だといえます。それでは、マーケティングにおける4Cを解説します。
■マーケティングミックス(4Cと4P)とは
マーケティングミックスとは、購買行動につなげるためにマーケティングツールを組み合わせることを指します。マーケティングミックスのうち、代表例として認知度が高い組み合わせが4Cと4Pです。
4C分析では、顧客視点から商品・サービスの販売を考えます。一方で、4Pとは企業側の視点から考えた4つの要素のことです。4Pの4つの要素は、以下を指します。
・製品・サービス(Product)
・価格(Price)
・場所・流通チャネル(Place)
・広告・販売促進・プロモーション(Promotion)
4C分析のフレームワークができあがる前のマーケティングでは、企業視点である4Pの概念が主流でした。その後、顧客視点から考えられるように、あらためて4Pの概念をもとに再定義したのが4Cです。そのため、4Cの要素は4Pの要素とそれぞれ対応しているという特徴があります。
4Cと4Pとで対応しあっている要素は、以下のとおり。
・顧客価値(Customer Value)と製品・サービス(Product)
・顧客のコスト(Cost)と価格(Price)
・顧客の利便性(Convenience)と流通チャネル(Place)
・顧客とのコミュニケーション(Communication)と広告・販売促進(Promotion)
ただし、4Pから4Cへと戦略上で重視するポイントを移そうとしても、顧客からの視点ではなく企業視点での分析へと傾いてしまうケースがあります。顧客視点を考える際は、開発者や作成者の主観を反映しすぎないように注意しましょう。
■3C分析、5C分析との違い
似た言葉が使われている分析方法として、3C分析や5C分析もあります。3C分析とは、以下の3つの要素と、重要成功要因であるKSF(Key Success Factor)をもとに検討するマーケティング手法です。
・市場や顧客(Customer)
・競合(Competitor)
・自社(Company)
一方で、5C分析は、基本的に3C分析から派生したものだといわれています。5C分析は、3C分析の3つの要素に以下の2つの要素をプラスする考え方です。
・顧客の顧客(Customer’s Customer)
・顧客の競合(Customer’s Competitor)
また、3C分析の要素に以下の要素をプラスする場合もあります。
・社会背景(Context)
・協力者(Collaborator)
■4C分析の活用
4C分析は、以下のようにマーケティング活動に活用できます。
・既存の商品・サービスへの活用
・新しい商品・サービスに活用
・競合他社の分析への活用
4C分析は、顧客ニーズを見極めたり、その情報を活用して商品やサービスをより魅力的にしたりする場合に活用できます。たとえば長年取り扱う商品やサービスは、時間の経過や社会環境の変化によって、実際の顧客ニーズとかけ離れてしまうケースがあるものです。
4C分析で定期的に見直し、顧客ニーズとの乖離があれば改善することで、現在のターゲット層にフィットさせられるようになります。
4Cの意味を理解して正しく使おう
4Cとはマーケティングや印刷、教育、ダイヤモンドを指す場合など、使用シーンによって意味が大きく異なる言葉です。使用シーンに応じて異なるそれぞれの意味を理解して、どのような意味で使われているのかを理解できるようになりましょう。
マーケティングにおいて使われる4Cは、顧客側からの目線でしっかりと考えて分析する手法です。4P・3C分析・5C分析との違いなど、それぞれのマーケティングの概念との差を理解して、適切に使い分けられるようになりましょう。
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