「CS」が持つさまざまな意味とは
CSには複数の意味があり、どんな場面で使われているかによって意味を判断する必要がある言葉です。主な意味は以下のとおりです。
・ビジネスで使われる「顧客満足」と「顧客の成功体験を約束する組織」
・野球における「クライマックスシリーズ」
・テレビにおける「衛星放送」
さらに、CSにはそのほかの意味もあります。それぞれチェックしていきましょう。
■IT企業などに代表される仕事上のCSは2種類ある
ビジネスシーンで多く使われているCSの意味は、一般的に以下の2つです。
1.顧客満足
2.顧客の成功体験を約束する組織
なお、この2種類のうち「顧客満足」のほうが意味として使われることが多いようです。「顧客の成功体験を約束する組織」という意味は特にIT企業などで使われています。これら2つの意味を詳しくチェックしましょう。
1.顧客満足
ビジネスシーンで多く使われるCSの1つ目の意味は「顧客満足」です。CRMというマネジメント手法において、顧客満足の度合いはとても重要視されています。CRMとは顧客中心のビジネスで利益をアップさせる取り組みのことです。
以前は、生産者側の売りたいものを売るという考え方が主流でしたが、近年では顧客満足の重要性が周知され消費者目線でのものづくりの考え方が普及しました。
2.顧客の成功体験を約束する組織
ビジネスシーンで多く使われるCSの2つ目の意味は「顧客の成功体験を約束する組織やチーム」です。特にIT関連の企業でこの意味が使われています。クラウド型のサービスが増えたことなどで、ITに関連するサービスの収益の上げ方には大きな変化がありました。
初期費用も月額も安くしてたくさんの契約を取ることで利益を確保するようなIT関連ビジネスでは、従来のセールスだけではなく継続利用の促進が重要視されています。この場合のCSとは、早めの段階で顧客に利用価値を感じてもらい、契約を継続し続けてもらうために作られたチームのことです。
■野球におけるCSとは「クライマックスシリーズ」
野球におけるCSの意味は「クライマックスシリーズ」です。
プロ野球ではセ・リーグとパ・リーグそれぞれのシーズンが終わると、両リーグを代表する1チームずつで日本一を競う日本シリーズがおこなわれます。クライマックスシリーズとは、その日本シリーズに両リーグから出場する球団を決める目的で実施されるゲームのことです。
基本的に、クライマックスシリーズに出場できるのは各リーグのシーズン上位3チームと定められています。
■テレビにおけるCSとは「衛星放送」
テレビに関して使われるCSは、「衛星放送」のことです。
テレビ放送には地上波放送とBS放送、CS放送の3つがあります。このうち、CS放送は通信衛星を使用している放送のことを指します。なお、BS放送は放送衛星を使用したものです。
CS放送は有料ですが、たくさんのチャンネルが見られるようになるメリットがあります。
■CSのそのほかの意味とは
CSは英語の頭文字を取って略した場合にも使われるため、上述のほかにもさまざまな意味がある言葉です。例えばコンビニエンスストアやコミュニティスクール、サイバーセキュリティー、コンテナ船、化学物質過敏症、キャッシュフロー計算書などがあります。
このように、使うシーンも込められた意味もバラバラです。会話をしている相手がどの意味として使っているのかは、どんな場面で使われたかや前後の文脈などで判断しましょう。
CS・顧客満足の向上の取り組み方・流れ
ビジネスで重要視されているCS・顧客満足度を向上させるための取り組み方・流れをご紹介します。その流れとは、以下のとおりです。
1.まずは現時点での顧客満足度を調査する
2.基本業務を忠実におこなう
3.CSに対する共通認識を作り共有する
4.企業価値を向上させる
5.施策後の満足度を確認してさらに改善する
それぞれチェックしていきましょう。
1.まずは現時点での顧客満足度を調査する
CS・顧客満足の向上に向けておこなう1つ目の取り組み・流れは、現時点での顧客満足度を調査することです。CS・顧客満足が向上したかどうか確認するためには、まずは現状を知る必要があります。
顧客満足度の数値を何度も確認することで、今までよりも顧客が満足しているのか把握しやすくなるため、こまめな現状の把握は重要です。
2.基本業務を忠実におこなう
CS・顧客満足の向上に向けておこなう2つ目の取り組み・流れは、基本業務を忠実におこなうことです。
今までよりも満足度を向上させようとして新しい施策をおこなうのはよいですが、それでいつもの基本業務がおろそかになってしまっては逆効果になりかねません。新しい施策に取り組んでいたとしても、顧客への基本的な対応はしっかりとしましょう。
3.CSに対する共通認識を作り共有する
CS・顧客満足の向上のための3つ目の取り組み・流れは、CSに対する共通認識を作り共有することです。
顧客満足度を向上させようとしてスタッフ個々の判断で顧客に寄り添おうとするのはよいことのように感じますが、CSの観点からは逆効果になる場合があります。あるスタッフが対応してくれた内容をほかのスタッフに頼んだら、「そのようなサービスはいたしかねます」と断られたとしたら、顧客は不信感を持ってしまいかねません。
そのため、社内で共通認識を作り共有することが重要なのです。
4.企業価値を向上させる
CS・顧客満足の向上のための4つ目の取り組み・流れは、企業価値を向上させることです。「日本全国に店舗があるような大きなお店だから安心」「有名なブランドの品だから手に入れられて嬉しい」など、企業価値と顧客満足度の向上には深い関係があります。
企業価値の向上を目指すことによって、顧客満足度向上も図れるのです。また、顧客満足度がアップすればその分評判がよくなり、企業価値が向上するという好循環が狙えます。
5.施策後の満足度を確認してさらに改善する
CS・顧客満足の向上のための5つ目の取り組み・流れは、施策後の満足度を確認してさらに改善することです。顧客満足度をアップさせようと思ったら、一度の施策だけで満足していてはいけません。施策を実施したあとで、施策の前と比べてどれほど違いがあったのかを把握してさらなる改善を目指していきます。
また、何度も繰り返すことで顧客満足度向上のためにおこなった施策はどれが効果的であったかも確認できるため、今後さらに効果的な施策の検討に役立てられるでしょう。
CSとESの違いや関連性とは
ビジネスで使用するCS・顧客満足には、ESという似た言葉があります。CSとESが異なるのは、満足してもらいたい対象です。
CSが顧客の満足度を指すのに対して、ESは働いているスタッフの満足度(従業員満足度)という意味があります。この2つは関連性を持ち、ESを向上させるとスタッフがいきいきと働けるようになるため、顧客から見た印象もよくなりCSの向上が期待できるのです。
CS・顧客満足はビジネス以外に医療現場でも
CS・顧客満足度が重要視されているのはビジネスシーンだけではありません。医療現場でもCSが重要視されています。
医療現場でいう顧客とは、患者やその家族のことです。つまり医療現場でいうCSとは、患者やその家族の満足度を表します。
それに関連し、スタッフの満足度や提携先の満足度の向上も重要視されています。それらをまとめた医療の質を上げるために、組織のマネジメントが重要になってくるのです。
CSの意味を知り、きちんと使い分けよう!
ビジネスシーンでいう顧客満足や野球でいうクライマックスシリーズなど、CSはどんなシーンで使われるかによって異なる意味があります。
言葉が持つ意味を一つしか知らないと、相手が思っていた内容とは違う意味として思い込んでしまうかもしれません。CSが持っている複数の意味を知り、自信を持って使えるようになりましょう。
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