威丈高とは?意味をご紹介
威丈高(いたけだか)とは、人に対して威圧的な態度をとる様子のことです。また、座高が高いことや、背筋を伸ばして相手を見下す姿勢をとることも威丈高と表現します。
【居丈高】いたけだか
1.(「威丈高」とも書く)人に対して威圧的な態度をとるさま。「―に命令する」
2.座ったときの背が高いさま。
「偏(かたほ)にものし給はむ人の―に髪少なにて」〈栄花・根合〉
3.上半身を伸ばすようにして、相手を見くだすさま。
「興なる修行法師めが面(つら)やと―になりて申しける」〈義経記・三〉
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■威丈高の由来は源氏物語
威丈高という言葉の由来は、明確にはわかっていません。しかし、源氏物語の「末摘花」の下りで使われていることから、平安時代にはすでに使われていた表現、もしくは紫式部が生み出した表現だと考えられます。
「末摘花」では、光源氏が「まづ居丈の高う(どうにも座高が高い)……」女性に出会ったことが紹介されています。末摘花は源氏物語の登場人物のなかでも容姿がよくなかったとされているため、平安時代において、座高の高い女性はあまり魅力的ではないと考えられていたのかもしれません。
■居丈高との違い
源氏物語からもわかるように、元々は「威丈高」ではなく「居丈高」と表記され、居丈(座高)が高いことのみを示していたようです。
その後、座高が高いと座って話していてもなんとなく威圧的に感じることから、現在のように威圧的の意味で使われるようになり、「威」の字が当てられるようになったと推測されます。
■威丈高の使い方を例文でご紹介
威丈高は、座高が高いという本来の意味でも使われます。
・人のスタイルを見て、「威丈高」というのは失礼だ。
・わたしは威丈高なので、座って話すとどうしても相手を見下ろす形になってしまう。
・彼と背丈は同じだが、わたしのほうが威丈高だ。つまり、脚が短いというわけだ。
威丈高という言葉は、威圧的な態度の意味で使われることも多いです。
・彼女は常に威丈高な態度だ。店員さんに対しても、命令口調で話している。
・威丈高な視線で彼がわたしをにらみつけている。何を怒っているのだろう。
・威丈高な口調でいわれると萎縮してしまうよ。少し優しく話してくれないかな?
威丈高と似た意味で使われる言葉
威丈高は座高が高い意味でも用いますが、威圧的の意味で用いることも多いです。威圧的と似た意味で使われる言葉としては、次のものが挙げられます。
それぞれの使い方やニュアンスについて見ていきましょう。
高圧的
高圧的(こうあつてき)とは、権力に物をいわせて人を押さえつけようとする様子を示す言葉です。威丈高と同じく威圧的な態度や話し方のときに使われる言葉ですが、権力を背景にしている点が異なります。次のように使います。
・領主は今まで高圧的な態度で民に接してきた。領主を慕う民は誰もいない。
・上司は部下たちには高圧的に出るが、社長の前では借りてきた猫のようにおとなしい。
・彼女の高圧的な口ぶりは、わたしたちが反感を持つには十分だった。
高飛車
高飛車(たかびしゃ)とは、相手に対して高圧的な態度をとる様子を示す言葉です。高圧的と同じく、権力に物をいわせて人を押さえつけようとするときに用います。