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EDUCATION 教育現場より

2023.12.10

大手留学エージェント社長に聞く留学の魅力と効果。子供が何歳から?近年の注意点、エージェントの選び方は?【お受験ママの相談室 vol.16】

 

英語学習や海外留学の必要性を感じつつ「いつかはわが子にも留学を」と思っていても、留学するための基礎知識は、意外と知らないもの。不足気味な「留学」情報の解像度を上げるため、留学エージェントとして歴史も長く国内最大手のひとつである「留学ジャーナル」そして英会話スクールとして有名な「AEON」それぞれの代表に現在の世界情勢を踏まえながらのご意見を取材させていただきました。

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第16回:送り出した人が、キラキラして帰ってくる留学

〈お話を伺った方〉
イーオンホールディングス・留学ジャーナル代表取締役社長 塚田俊文さん

留学ジャーナル代表取締役副社長 加藤ゆかりさん

聞き手・原稿:教育エディター 田口まさ美
▶︎Instagram:@masami_taguchi_edu

 

左から、加藤ゆかりさん 塚田俊文さん 田口まさ美さん

田口:留学エージェント会社である「留学ジャーナル」は創業52年の老舗。KDDIが親会社であり、英会話教室「AEON」も同様に傘下にあります。そんなイーオンホールディングスと留学ジャーナル両社の代表取締役社長でいらっしゃる塚田俊文氏と、「留学ジャーナル」の代表取締役副社長でいらっしゃる加藤ゆかり氏に、本日はお話を伺います。加藤さんは、その昔、AEONの非常勤講師だったとか。学生時代に留学経験がおありだったのですか?

加藤さん(以下敬称略):いえ、そうではないんです。学生時代には、英語は好きな科目ではありましたが、特別な経験をしたわけではありません。普通の子と同じように中学時代に学校で習い始め、留学に興味は持ったものの、当時私が育った岐阜県辺りでは周りに留学をした友達もほとんどいなく、情報もなかったのです。そして大学ではフランス語を専攻したのですが、大学時代も留学することはなかったんです。

当時から「留学ジャーナル」という雑誌はあったのですが出合うことなく卒業しまして(笑)、働き始めて1年目に、父親のある一言から、会社を1年で辞めてニュージーランドに行くことになりました。たいした気負いもなく、遊びに行くような気分で今ならワーホリ留学というところでしょうか、それが海外生活の初体験です。

留学ジャーナル▲1983年からの長い歴史を刻む留学ジャーナルは、今も季刊誌として発行中

その後帰国して、実はAEONの講師もしていました時期もありましたが、なぜかその後にいろんなご縁があって今ここにおります(笑)。

田口:大きな気負いなく行ってみた留学が、人生の大きな転換になったのですね!

加藤:はい、特別に強い思いがあって始めたわけではないのですが、ただ自分が留学カウンセラーになった時に、送り出した人たちがキラキラして帰ってくることには大変感動を覚えました。

正直、「この子本当に大丈夫かな?」と思っていたような子が、1年後にすごく成長して帰ってきたり、語学学校を修了して大学進学をしていったり、英語が苦手と言っていたはずの子が、様変わりしたりするのを間近で見てきて、すごく良いものだなぁと思い・・・。いつの間にか、この仕事にのめり込みました。

危機感をもち、日本の外の世界を見る大切さ

塚田俊文さん

塚田さん(以下敬称略):今の日本の現状は、いろんな業界で頑張っているのですが、世界的には遅れてしまっている部分もありますね。教育にしろ、産業にしろ、現状に甘んじているのは危ないことです。内向きばかりでなく、外を見ないといけません。私の世代は、危機感を感じる必要がほとんどなく、与えられたところで、与えられた仕事をやっていれば、お給料をもらえ、その金額が上がっていった時代でした。でもこれからは、そうはいかないですよね。

ベトナムなど、アジアの一部は、今ものすごい成長率です。世界のあちこちから取り入れた情報を活かして、成長し続けています。日本がこのまま井の中の蛙になってしまっては、太刀打ちできないのは明確です。まさに、そんな時代の風は、ひしひしと感じます。ぜひ子供たちには、外の世界に踏み出してもらいたいですね。

加藤:今年度は、GE-NET20という東京都が指定しているグローバル人材育成の取り組みを推進する都立高校20校で留学講座をさせていただく機会があるのですが、生徒の中には、自ら情報を取り入れて、問題意識を高くもっている人も増えているのを感じます。ただその一方で、親が過保護にしていて、親の敷いたレールだけを見ていればよいと育てられている若者については、心配も・・・。

塚田:子供だけでなく、親がまず危機感を持つ必要があるかもしれませんね。

加藤:「食べられない」という状況は、とてもわかりやすく危機を感じる状況です。新宿でフードバンクとして食料を配っているのを見たりすると、リアルに感じるかもしれませんが、田舎では見ない風景ですよね。そういった意味では東京の方が危機感を持ちやすいかもしれません。地域格差があるでしょうね。

学校間の格差もあると思います。講座に行かせていただく学校は、進学校もあれば工業高校もあり、各学校により生徒たちの意識は様々です。先生の知識量も違いますし、取り組み方も違う。ですから、まだ情報が届いていない生徒たちにこそ、届けたいと思っています。知って初めて、それが選択肢の一つになりますから。知らないままで終わってしまわないように、少しでも情報拡散をして、チャンスを掴んでもらいたいと思っています。

田口:留学は、成績が良い人のためばかりでなく、誰にでも価値のある経験ですしね。農業や工業や、料理や、あらゆる分野での留学も考えられます。

加藤:まさに、そういう分野ほど、今後他の国の人々と働く機会が増えるはずだし、英語ができることでのさらなる発展が期待できます。そういった若者たちが、日本の技術や産業の発展を支えてくださったら、それは国家の財産ですよね。

塚田:留学はゴールではなく、「何をしたい」が先にあるとよいですね。「何をしたい」が先にあれば、今はそこへ行き着く道は、いろんな選択肢があります。海外で学ぶのに、「成績が良くなければ」とか「英語ができなくちゃ」などと考えずにご相談していただきたいと思います。

弊社は留学フェアも行っており、現地の学校と直接コミュニケーションを取れる機会も作っています。基本的には東京、大阪、名古屋のような都市で行いますが、近隣圏からも新幹線に乗って来る方もいらっしゃいます。いろんな方にご参加いただけるよう、こちらも期待に添えるよう努力しています。そういえばリアルだけでなく、オンラインでもやっていましたよね?

加藤:はい。コロナ禍ではオンラインでの留学フェアを行ったのですが、場合によってはリアルだけでなくオンラインでのフェアもまた考えてみてもいいかもしれませんね。

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田口:ぜひお願いします。

実際に行かなくても、留学情報を取り入れるのは
早い年齢からがおすすめ

塚田:とにかく早くから留学について詳しく知ってもらうことは有効だと思います。子供が小さいうちから海外へ連れて行くのがよいかどうかについては、どちらでも。その子によっては、ストレスが強く出てしまうこともあるかもしれませんので、親御さんのご判断だと思います。

ただ、小さい頃から“準備できること”はたくさんあります。弊社では、英会話のAEONで日常の勉強をして英語に慣れ親しみ、中学生くらいからは毎年1回など、春休みや夏休みに短期留学を経験してみることを推奨しています。「楽しかった!また行きたい!」となれば学習意欲も俄然変わります。そんなことが普通になってくるとよいなと思っています。

中学生くらいになると、日本の文化も理解してきますよね。自分の根っこを見出してから、海外に行くのとそうでないのとは意味合いが変わるだろうなとも思います。海外に出ることと同時に、日本人としてのアイデンティティを持つことも重要です。それがあると、とても有意義な経験になるかな、と思います

加藤:アメリカやオーストラリアなど多民族国家の人ほど、自分たちのルーツを大事にしますよね。行く前の準備として、英語の勉強はもちろん、日本のことを勉強しておくことも大事ですね。「日本の人口は?首相は誰?宗教は?神社とお寺の違いは?」など、海外では意外とたくさん日本について聞かれるので、「答えられなくて後悔した」という声は、よく聞きます。

田口:留学の最大の良いところはどうでしょう?

塚田:たった1ヶ月でも「人間が変わった」という話をよく聞かせていただくことが、この仕事の最大の魅力です。特に、現地でよい出会いがあったりすると、急に人はイキイキと輝き出します。

加藤:海外に子供を送り出すと、親はそうそう簡単に手出し口出しができません。親にとっても子離れの良いきっかけになるのではないでしょうか。

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