世界では留学生が急増中。今後留学を考えている人は、ここに注意して!
加藤:コロナ禍の間に、どの国も現地の受け入れが減ったのですが、今年からはまた世界では留学生が急増中です。どの国もリモートが増えたので、都会から田舎へ引っ込んだ人も多く、ホームステイの確保が非常に難しくなってきています。今年の夏も厳しかったです。なので、時期的には早く動いてください。全世界的に、学校が早く埋まってしまう傾向にあります。新しい流れとしては、世界的にホームステイ不足なので、ドミトリーで同じ世代の人と過ごすようなケースも増えています。
また、ニュージーランドなどは、ターム留学(数ヶ月)できる中高も結構あったのですが、留学者数が増えたことでターム留学の受け入れが難しくなってきていて、最低1年〜などに変化してきていることもあります。留学生の国籍としては、中国、韓国、の他にベトナムなんかも増えていますね。経済成長とともに若い人口が急激に増えているので、多少家計に無理をしても海外へ行かせようとする親御さんが多いようです。
高校留学には、引き続きカナダ・オーストラリア・ニュージーランドが圧倒的に人気です。これらの国は、治安も安定していますし、公立学校の受け入れがあることも理由の一つですね。1年間の留学も可能です。アメリカ・イギリスは、公立学校は基本的に交換留学のみなので、私立のボーディングが中心です。どの国でも私立のボーディングスクールは費用も高くなり、入学テストも必要となりますし、また卒業留学(2年以上)が基本の学校が多いです。
アジアには語学学校も増えていますね。アジアへの英語留学も、新しい流れではないでしょうか。低年齢のお子様の母子留学などには、アジアへの留学は人気です。
留学エージェントって、どう選べばいいの?
田口:留学エージェントと一言で言っても、中小企業も多く、社会人向け、高校生、大学生、また国や地域ごとにも細分化されていて、どこに声をかけたらいいのか戸惑いますよね。
塚田:JAOS(ジャオス/一般社団法人海外留学協議会)という組織に入っているエージェントは、キャンセルポリシーなども真っ当なものになっていますし、パンフレットに誤解される表示がないかなどを管理し合う形になっているので、まずはそうした団体に加盟しているかどうかも一つの指標になると思います。
▶︎JAOS(ジャオス/一般社団法人海外留学協議会)【外部サイトへ】
加藤:あとは、話を直接聞いて確認してみて、自分がこうだと思っているのに、いろんな理由をつけて、違うところに無理やり誘導するエージェントではなく、納得のいく回答を得られるエージェントを選んでください。また、個人的には、競合他社の悪口を言うところは、あまり良くない気がいたします(笑)。
「グローバル精神」のスタートは、小さな挑戦から
田口:最後にお母さんたちに一言お願いします!
塚田:留学は、いろんなバックボーンを持つ人の中で、自分を見つめ直すきっかけになります。また、いろんな人がいることが理解できて、さらにそれが楽しいと思えるならば、こんなに幸せなことはありません。世界がボーダレスになってきている中で、他では得難い、実りある経験です。円安で大変ですが、これからもいろんな機会を与えられたらいいなと思います。
加藤:英語は、やっぱり、できると広がる世界は違う。それは確実です。そして、いつもいるこの環境から外に出てみないと気づかないことって本当にたくさんあるんですよね。
いきなり何がなんでも海外としなくても、まずは国内で、家から離れたところに子供を一人旅させることからスタートしてもいいと思います。電車に乗って、おじいちゃんおばあちゃんのお家でお泊まりするとかでも。それが「グローバル教育」への第一歩ではないでしょうか。
いつもの生活圏から少しずつ距離を伸ばして外に足を踏み出してみる。そして、それがもしかして、「次は海外を見たい!」という意欲に繋がれば、素晴らしいことです。不安もあると思いますが、子供の可能性や能力を、親が無理と思わないで、本人に意思があるのならば挑戦させてあげてほしいなと思います。
──ありがとうございました。
【英会話イーオン】
1973年に創業以来、語学教育を通した世界で通用する人材育成を目指す。英語上達のためにオリジナル教材を開発。また日本人・外国人教師は定期的な研修で教えるスキルを磨いている。満1歳~中学生対象の「イーオンキッズ」、高校生以上が対象の「英会話イーオン」を持ち、お子様から大人まで、年齢や学習目的に合ったレッスンを提供。日常会話の上達・留学準備のみならず、学校の勉強や受験英語、資格試験取得にも役立つ英語力を身に付けられるようサポートをしている。
【留学ジャーナル】
1971年創業。50年以上の実績で培った情報とノウハウを集積し、留学相談から出発までの手続き、滞在中のケア、帰国後まで、充実したサポートで一人ひとりの留学を支援。語学学校や海外の高校・大学に留学する個人留学の他に、春休み・夏休みには小学生や中高生が一人でも安心して参加いただける引率付きのグループツアーも企画募集、実施している。
▶︎留学ジャーナルHP
教えてくれたのは…
イーオンホールディングス・留学ジャーナル代表取締役社長
塚田俊文(つかだ としふみ)さん
大学卒業後、1986年に第二電電株式会社(現KDDI)に入社。主に国内・国際電話サービス、データ通信サービスの企画開発にたずさわる。2005年7月にコンテンツマーケティング部長に就いてからは、ネット広告、音楽・動画配信、ゲーム、ポータル、検索、EC、決済、ベンチャー支援、起業家育成等の通信周辺ビジネスを担当。2020年4月より現職。
教えてくれたのは…
留学ジャーナル代表取締役副社長
加藤 ゆかり(かとう ゆかり)さん
大学卒業後、ニュージーランドでの1年間の海外生活を機会に、帰国後、英会話講師を経て株式会社留学ジャーナル前身であるICS国際文化教育センターで留学カウンセラーの職につく。名古屋支店長を経て、2001年よりプロダクトマネージャーとしてプログラム開発等に従事。2003年1月同社取締役就任。現在、同社代表取締役副社長として、また留学ジャーナル編集長として、日本人の海外留学促進に努めている。JAOS認定留学カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタント。
Interview&Writing
田口まさ美
〈教育エディター〉
小学館で教育・ファッション・ビューティ関連の編集に20年以上携わり独立。現在Creative director、Brand producerとして活躍する傍ら教育編集者として本連載を担う。私立中学校に通う一人娘の母。Starflower inc.代表。Instagram▶︎@masami_taguchi_edu
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