顕在化とは?
顕在化とは、それまで形になっていなかったものがはっきり形として現れることという意味の語句です。
ここではこの言葉の意味や読み方とともに、顕在化とセットで使われることの多い「潜在化」という言葉との違いを解説します。
■顕在化の意味と読み方
顕在化とは「顕在」と「化」という2つの言葉の組み合わさった言葉で、形になって表れるという意味があります。読み方は「けんざいか」です。
ちなみに「顕在」には、これまではっきりとした形になっていなかったことが、形となって表れるという意味があります。
「化」という漢字がつくことで、以前とは異なる状態になるという変化のニュアンスが加わる点が特徴的です。
つまり、顕在化は変化が起こった時に使われる言葉といえるでしょう。
けん‐ざい【顕在】
[名](スル)はっきりと形にあらわれて存在すること。「問題点が顕在化する」⇔潜在。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
■潜在化との違い
顕在化と対で使われることの多い言葉に、潜在化があります。潜在化とは、形のあったものの形がなくなる、表からは見えない状態になるという意味の語句で、読み方は「せんざいか」です。
潜在化は顕在化と音の響きは似ていますが、意味は真逆であり、顕在化の対義語として位置付けられています。「見えるようになる」のが顕在化、「見えなくなる」のが潜在化であるため、この2つはあわせて覚えておきたい語句です。
せん‐ざい【潜在】
[名](スル)表面には表れず内にひそんで存在すること。「潜在する能力を引き出す」⇔顕在。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
顕在化の使い方のポイント
顕在化という語句を使う際には、いくつかの注意すべきことがあります。おもなポイントは、以下の2つです。
それぞれくわしく解説します。
良いことにも悪いことにも使える
顕在化は、心理学や社会学など学問で頻出する言葉ですが、ビジネスでもよく使われています。
「課題の顕在化」「問題の顕在化」など、どちらかというと、悪い状況が表面化するシチュエーションで使われる印象のある言葉ですが、良いことでも使える語句です。
たとえば、「これまで埋もれていた才能が顕在化した」などの言い回しもあります。表した形が良いことでも悪いことでも、使える語句であることを覚えておいてください。
顕在との違いを理解する
「顕在化」という言葉を使う場合には、「顕在」との違いを理解しておくことが必要です。「顕在」は形となって表れた状態を表す言葉であり、「化」がつくことによって、変化して形が表れたという意味となります。
つまり、変化が伴わない場合には、「顕在化」という語句は使いません。それまでの状態とは違う状態になった時に使うことに留意しましょう。
顕在化の例文
顕在化は「顕在化する」「顕在化させる」などの使い方をするのが一般的です。ビジネスシーンで顕在化という語句を使った例文をいくつか紹介します。