メタ発言とは何？
SNSやレビューサイトなどで、「メタ発言」について話題になることがあります。日常会話に出てくる言葉ではないので、意味を知らない人も多いのではないでしょうか。
「メタ発言」の意味を知ると、ゲームやマンガなどの表現技法への理解が深まり、より作品を楽しめるかもしれません。言葉の意味や由来、どのような意図で使われるのかを解説します。
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「メタフィクション発言」の略語
「メタ発言」とは「メタフィクション発言」の略です。ゲームやマンガなどのフィクション作品の登場人物が、その世界では知りえない作者や読者視点での発言をすることを指します。
たとえば、物語の中で登場人物が「作者は一体、私たちに何をさせたいの？」「ページの無駄遣いするなよ！」のように、作中で知るはずがない概念について言及したら、「メタ発言」といえます。
また、アニメの登場人物が「よい子のみんな、テレビから離れて見てね」などの注意を視聴者に促すものや、アニメ終了後に視聴者相手にじゃんけんをしたり、話しかけたりするのも「メタ発言」の一例です。
言葉の由来と「メタ」の意味
メタフィクション発言の由来は「metafiction」です。物語の中で、フィクションであることを意識的に描いた表現手法を指します。
メタフィクションとは、ギリシャ語で「超越した」「高次の」という意味のメタ（meta）と、「作り話・創作」を意味するフィクションを合わせた言葉です。
メタフィクション（metafiction）
小説について考える小説。小説を批評する小説。
（出典：小学館 デジタル大辞泉）
メタ（meta）
〈中略〉
他の語の上に付いて複合語を作り、超越した、高次の、の意を表す。「メタ言語」「メタメッセージ」
（出典：小学館 デジタル大辞泉）
「メタ」は、言葉の上に付ける接頭辞として、「メタ発言」以外にも「メタバース」「メタ言語」のような使い方をします。ただし、ネットスラングでの「メタ」は概ねメタフィクションを指すことが多いと考えてよいでしょう。
メタ発言が使われる意図
「メタ発言」は、特にギャグ要素を含んだマンガや作品で使われる傾向がみられます。
「型破りな作品」という印象を与えたり、創作と現実の境界を曖昧にし、視聴者や読者との距離を近づけたりする意図も含んでいるのかもしれません。フィクションの世界の枠を超えた表現をしたいときに使用されているようです。
ただし、多用されるのを好まない人も。「メタ発言」をすると「この世界は架空のものだ」と強調することになってしまうからと考えられます。物語により深く没頭したい人には敬遠される傾向があります。
メタ発言の使い方と言い換え表現
マンガやアニメなどの創作物について語るときに、「メタ発言」という言葉を使う機会が多いでしょう。使い方や言い換え表現を、例文を挙げて紹介します。
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使い方と例文
「メタ発言」は、名詞もしくは「メタ発言する」のような、動詞として使われるのが一般的です。使い方と例文は以下の通りです。
【例文】
・このアニメはメタ発言が多い
・主人公がメタ発言する作品は好きじゃない
・このキャラクターのメタ発言がツボすぎる
マンガやアニメの中には、登場人物に対して積極的にメタ発言をさせる作品もあれば、そうでない場合もあります。作品を評価するときや、好みの作品を探すときなどに使用するのがポイントです。
ただし、「メタ発言」が嫌いな人にとっては、否定的な意味で捉える場合もあり、必ずしも作品を褒めるときだけに使われるとは限りません。
言い換え表現
「メタ発言」の言い換え表現には、「メタい」「メタ認知」「高次元の発言」などが挙げられます。「メタい」は「メタ発言」を形容詞化した言葉です。「メタ発言」を受けて「メタいことを言うな」のように使われます。
「メタ認知」とは、自分の考えなどを客観的に把握することです。
メタ‐にんち【メタ認知】
《metaは、より高次の、の意》認知心理学の用語。自分の行動・考え方・性格などを別の立場から見て認識する活動をいう。
（出典：小学館 デジタル大辞泉）
メタ認知があった上で、「メタ発言」をするのが基本です。たとえば、怒りが湧いたときなどに「図星をつかれたから、私は今怒っているんだな」のように、第三者的な視点で自身を分析できる状態がメタ認知といえるでしょう。
また、「メタ」には高次元という意味があるため、「高次元の発言」とも言い換えられます。
メタを使ったその他の言葉
「メタ発言」以外にも、メタ○○という言葉は複数存在します。「メタバース」「メタ推理」の二つを挙げて、意味を解説します。
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メタバース
メタバースは「超越した」「高次の」という意味のメタ（meta）と、「宇宙」「世界」という意味のユニバース（universe）を掛け合わせた造語です。
メタバース（metaverse）
《meta（超越した）とuniverse（世界）の合成語》インターネット上に構築される仮想の三次元空間。利用者はアバターとよばれる分身を操作して空間内を移動し、他の参加者と交流する。
（出典：小学館 デジタル大辞泉）
具体的には、インターネット上に構成される「仮想空間」を指します。メタバースではアバターを利用し、仮想空間内で自由に活動することが可能です。
たとえば、他者とのコミュニケーションや、物の売買・バーチャルライブへの参加などが挙げられます。リアルに移動や接触をしなくても、現実世界を超えうる体験ができるところが魅力でしょう。
メタ推理
メタ推理とは、推理小説・ドラマ・映画などで、作中で得られる情報以外の材料を使って、読者・視聴者が推理を行うことです。
たとえば「放送時間がまだあるから、本当の犯人は他にいる」「ギャラが高額で有名な大女優がこんなチョイ役のはずはないから、本当の犯人なのでは？」などの考え方が該当します。
放送時間やキャストのギャラ事情などは、作中のトリックとは無関係です。作品を超越した情報をもとに推理することから、メタ推理と呼ばれています。
サスペンスドラマを見て、個人的に犯人を予想するときに使用するのは構いませんが、推理ゲームではマナー違反とされる場合もあるので、不用意な発言には注意が必要です。
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