必須とは?
必須とは「ひっす」と読み、「必ず必要なこと」「なくてはならないこと」という意味です。「ひっしゅ」や「ひっすう」と読んでも間違いではありません。「必須の条件」といった使い方をします。
似たような言葉に「必至」や「必要」がありますが、意味は異なります。
ここでは、必須という言葉の由来や「必至」「必要」との違いをみていきましょう。
■分解して漢字の意味を考える
必須の「必」は「間違いなく」「必ず」という意味で、「須」は「用いる」「求める」という意味です。これら2つの漢字を組み合わせ、「必ず用いるべきこと」という意味になります。
必須を使った言葉に「必須アミノ酸」があります。必須アミノ酸とは、人間が体内で作ることのできないアミノ酸のことです。外部から摂取することが必要であることから、「必須」が付けられています。
■「必至」や「必要」との違い
必須は、「必至(ひっし」」とは異なります。必至とは「必ずそうなること」「そうなることが避けられないこと」という意味です。
必須は「なくてはならない」という条件であるのに対し、必至は「そうなるだろう」という予測を表しています。
(「必至」の例文)
・仕事が山のように溜まってしまい、今日は残業が必至だ
・抜本的な改革が必至な状況である
「必要」とは「なくてはならないこと」という意味で、必須と似た言葉です。しかし、必須は「絶対になくてはならない」という点で、「必要」よりも必要性の度合いが強められています。
(「必要」の例文)
・会議に必要な資料を12時までに作成しなければならない
・必要なものはメモに書いて、忘れないようにしよう
必須の例文
必須を使った例文をいくつかご紹介します。例文を通して、言葉の意味を理解しましょう。
・志望する会社の応募には、2年以上の実務経験が必須条件とされている
・冬のファッションはダウンコートが必須アイテムだ
・会員になるには、まずセミナーを受講することが必須条件となっている
・応募フォームには、名前とメールアドレスが必須項目となっている
・この部屋は日当たりが良すぎて、夏になったらエアコンの稼働が必須になりそうだ
・今日は一日中雨の予報で、傘の携帯が必須のようだ
・必須科目の単位を取らなけば、留年になってしまう
必須の類義語
必須には、不可欠(ふかけつ)、必需(ひつじゅ)のような類義語があります。どちらも「なくてはならない」という意味があり、必須とよく似た言葉です。
このほか、「特に大事なこと」という意味の「重要」や、「あることをするのに必要なこと」という意味の「所要」も必須の類義語になります。一緒に覚えておけば、表現の幅が広がるでしょう。
ここでは、必須の類義語を2つご紹介します。